中国少数民族古文字展、北京で開催

中日平和友好条約締結25周年を記念するため、中国人民対外友好協会、日本北枝篆会の共催による中国少数民族古文字展がさる9月12日から15日まで北京の中国国家博物館で催された。

出品されたものには突厥文字、回鶻文字、チベット文字、契丹文字、西夏文字、女真文字、モンゴル文字、パスパ文字、満州文字、イ(彝)文字、タイ文字、ペー(白)文字、シュイ(水)文字など13種の古代文字の碑文の拓本と実物が62点もあり、少数民族古文字の文献、文物の写真が101点、中国の少数民族古文字学者チャナシト(照那斯図)氏、白濱氏ら、および日本の書道・篆(てん)刻家の作品が136点もある。そのうち、書道家、篆刻家、北枝篆会会長の北室南苑女史および会員がパスパ文字を題材として創作した書道・篆刻作品が90点もある。

陳こう蘇中国人民対外友好協会会長は開幕式で、次のように述べた。

中国の各民族は注目を集める輝かしい文化を共同で作り上げ、少数民族はそれぞれの異なる発展期に自民族の言語を記録する文字文献をつくった。今回の展示品は書道芸術の視点から中国少数民族の文字文化の独特な魅力を表し、古代中華民族のすぐれた文化の発揚、中日両国学者および書道愛好者の交流促進、両国人民の世々代々の友好促進に対し重要な意義をもっている。

北室南苑女史はここ数年来、中国の少数民族古文字の書法の創作と研究に取り組んでおり、その研究成果は日本で少なからず反響を呼んでいる。北室女史は、「中国の少数民族の文字が30余種もあり、漢字文化から多かれ少なかれ影響を受けて自らの独特な文化を育てあげた。中心文化と周辺文化は互いに完全なものにし、互いに補完する関係にあり、日本の仮名文字も重要な周辺文化の一つである。今回の展覧会はこれら少数民族の古文字を書道作品として展示しており、これを契機にして他民族に対する理解を深めることを望んでいる」と述べた。

中国少数民族古文字展は昨年、中日国交正常化30周年を記念する「中日文化年」の交流イベントとして石川県で展示されたことがあり、今年は中日平和友好条約締結25周年を記念する文化交流イベントとして北京で展示されるほか、9月17日から21日まで内蒙古自治区博物館でも展示される。