中国のマネーロンダリング対策、実践段階に

中国人民銀行はこのほど、マネーロンダリング(資金洗浄)対策の第一線で活躍する人材を養成するための研修クラスを設置した。この分野の全国規模での専門的な研修は中国建国以来初めてのことである。中国政府が調印した「国際組織犯罪防止条約」が今年9月29日に発効したのにともない、中国のマネーロンダリング対策は10月に、計画段階から具体的な実践段階へと移行した。

中国は効果的な外国為替管理システムを実施しているが、新しい形式の犯罪であるマネーロンダリングの摘発件数がここ数年、驚異的な伸びを見せている。国家外国為替管理局がまとめたレポートによると、中国では1997年から1999年まで海外へ持ち出された資金は累計500億ドル前後であるが、そのうち、かなりの額がマネーロンダリングによって海外へ流出したとみられる。最高人民検察院と公安部が共同で発表したデータでは、汚職や収賄・贈賄事件の容疑者4千人が現在逃亡中で、これら容疑者が携帯している資金は50億元を上回ると見られている。

国連がまとめたデータによると、世界では毎年、世界全体のGDPの2〜5%に相当する1〜3億ドルが「洗浄」されている。中国ではマネーロンダリング対策網の確立や各国との提携などが効果的に行われており、世界的に見れば中国のマネーロンダリング犯罪の規模はそれほど大きくない。