歴史の「空白」を埋める人骨出土(写真)

北京市門頭溝区斎同鎮東胡林村西側の東胡林遺跡で、このほど新石器時代初期の人骨が発掘された。完全な状態で出土した人類の骨としては、中国最古となる。中国科学院の呉新智院士によると、すでに化石が出土している山頂洞人(約3万年前)から約1万年前までの間は人類進化系統史の「空白」とされているため、今回の人骨出土は「空白」を埋める貴重な発見となる。

今回出土した東胡林人の身長は、保存作業完了後に明らかにされる予定だが、目算では160センチ以上とみられる。一見して保存状態は良好で、鼻の部分は玉のようなもので覆われており、専門家は副葬品の可能性があるとしている。人骨が出土した層は地面から深さ約2メートルのところにあり、これより上の層では3つの文化期(1万3千〜5000年前)の遺物が確認されている。専門家らは「東胡林人の遺跡は貴重な考古学研究地点であり、華北地区の環境の変遷、初期の農業・陶器の出現、人類・地理との関係などの研究に重要な意味を持つ」との認識で一致している。