北京市、五輪向け交通整備7事業に1800億元投資

北京市政府は10月28日、2008年の北京五輪までに1800億元を投資して、北京の交通渋滞緩和を目指す7事業を実施すると発表した。質の高い交通インフラを整備し、2008年の北京五輪の成功に貢献する方針である。

北京市は2008年までに、都市鉄道路線の総延長を現在の95キロから300キロに、都市間高速道路の総延長を現在の463キロから890キロに、市内高速道路を210キロから280キロにそれぞれ延長する。また、幹線道路の交差点、駐車場など交通インフラ関連施設・設備を改善する。さらに、かつて五輪を開催した大都市の経験を学び、国際的に知名度の高い都市交通の専門家に北京の交通建設計画への参加を要請する。このほか、投融資体制を改革し、多元的で安定した投資ルートを設け、民間資本や外資企業の交通インフラ建設への参加を奨励する。

北京市ではまた、交通インフラへの投資を強化すると同時に、今後数年をかけて市内交通の全構造を改善する。その内容には(1)都市鉄道の発展、大容量かつ高速の地上公共交通システムの整備により、市民全体の交通手段利用構造の最適化を図る(2)「衛星城鎮(日本の衛星都市に当たる)」の整備により、都市機能・人口・雇用の中心部からの分散を進め、都市交通と都市計画の関係を調整する――などが含まれる。北京市の関係責任者は「こうした事業の実行により、今後1年ないし3年で現在の北京市の交通渋滞が緩和するだろう。また、2008年までに北京市の交通ネットワーク全体の運行能力を大幅に高めることができる」と説明している。