博鰲フォーラム、金融危機を教訓に協力体制確立へ

11月2、3の二日に海南省博鰲市で開催された博鰲アジアフォーラム年次総会は、金融問題をテーマに意見交換が行われ、特に1997年のアジア経済危機を教訓にアジア諸国がどのように協力体制を築いていくかという点に焦点が絞られた。

香港の董建華行政長官は、アジア金融危機を忘れることなく、今後も起きる可能性がある金融危機の回避対策として、アジア諸国は銀行体系の改善に努め、バブル経済の発生を抑制し、的確なマクロ経済政策を取ることが重要であると語った。

モルガン・スタンレーのチーフ・エコノミストであるスティーブン・ローチ氏は、人民元問題について、アジア金融危機の際、人民元相場の安定に努めたことが危機収束に大きく貢献した点を強調し、切り上げ圧力をかける側も、常にアジア経済状況を見据えた上で行うべきであると指摘した。

アジア開発銀行地域経済調査室の岩崎恵弘室長も、通貨と金融政策上におけるアジア各国の協力体制の強化を訴えた。

「金融協力新展開の模索」をテーマとする今回の会議では、主な討論内容となった金融危機回避や、アジア証券市場の建設、地域レートの改善などについて活発な議論が行われた。その中で、EUの「ユーロ」になぞらえたアジア統一通貨の確立を主張する声もあるなど、アジア経済の可能性を予見する数多くの意見が交わされた。