中国、市政公共事業の独占を打破

—独占を打破し、市場を開放し、統一的に開放し、秩序だって競争する市政公共事業市場体系を確立することは、今後数年における中国の市政公共事業市場化の目標である。

蘭辛珍

最近、50余カ国に支店を設立している世界最大の給水会社のフランスのVeolia社は再び中国に目を向けている。

1997年、Veolia社は天津市環境保全局と協力し、天津の給水施設建設に人民元30億万元を投入した。今回、同社は全額出資の形で成都市、上海市、宝鶏市の給水市場を占用しようとしている。

仇保興建設部副部長は、「中国の市政公共事業はすでに対外開放し、すべての資本に開放している。われわれはより多くの外国企業が中国に投資するよう望んでいる」と語った。

発展に適応できなくなった旧体制

中国では、市政公共事業は政府管理下の企業経営パターンを実行している。水道水、天然ガス、道路・橋梁、公共交通などの市政公共事業はいずれも企業の名義で経営しているが、本当の管理者は政府機構でり、企業の責任者は政府機構が任命し、企業の収益は国に上納し、従業員の賃金は国が支給し、企業が欠損を出せば、国家財政が負担する。この結果、都市部の市政公共事業の所有制形式が単一のものとなり、企業の経営メカニズムは柔軟性を欠き、競争の圧力がなく、内部ではインセンチブと拘束メカニズムに欠けている。都市の市政公共事業の商品とサービスは商品としての特性を十分に体現しておらず、企業の経営管理強化に役立たないばかりか、政府の財政負担を重くしている。

市場化を実行

さる9月24日、中国建設部の主催による「市政公共事業市場化およびプロジェクト投資商談会」が北京で開かれた。会議は市政公共事業の独占的地位を徹底的に打破した。会議期間に、総額人民元約1500億元にのぼる730余件の市政公共事業プロジェクトは内外100余の投資機構に向けている。

「これは中国では建設部が初めて主催した全国的な市政公共事業誘致イベントであり、市政公共事業の国有企業、民営経営および外国企業は市政公共施設プロジェクトの入札では同等に競争する地位におかれている」と仇氏は語り、さらに次のように言葉をつづけた。

中国の市政公共事業市場は非常に大きく、毎年都市のインフラに少なくとも3000億ないし5000億元が投入されている。中国は毎年20億平米の住宅を建設し、どの住宅にも電気、水道水、ガスを提供し、汚水を処理しなければならない。中国には現在660の都市があり、都市部の人口は約5億212万人で、都市化率は39.1%に達している。2020年に中国人口の都市化率は60%前後に達する見込みである。中国の既存の市政公共建設施設の半分は古く、改造する必要がある。

市政公共事業市場化は次の五大目標を実現する必要がある。一、ますます多くの企業が都市インフラへの投資、経営、管理に参与するよう奨励する。二、都市インフラの長期にわたる安定した経営を保証し、とくに政策を安定して実行しなければならない。三、庶民の負担を軽減する。四、地方政府は事後の干与と無責任な態度をできるだけ避ける。五、公衆の利益と安全を確保する。

中国はいま市政公共事業市場化と関係ある法律・規定の制定に急いでおり、関係契約の規範化に着手している。市場化を進める全過程で、中国は国際慣行に従って事を運ぶことになろう。

専門家の見方

独占打破に異議を申し立てる専門家もいる。李玉林首創株式投資部総経理は、都市部の給水を例とすれば、相対的な独占は給水市場全体を安定させる役割を果たしていると見ている。

清華大学環境科学・工学部生態都市研究センターの傅涛主任は、市政公共施設は公共のものであり、自然の独占性があり、リターン率が低く、リスクが大きい。このような特徴があるため、建設する時は独占を打破し、入札競争の方式をとるべきだが、経営管理の面では独占すべきである。こうすれば、安定に役立つと見ている。