JST北京シンポジウム開催さる

日本科学技術振興機構(JST)は、中国との科学技術交流協力を推進し、中日間の科学技術協力の橋渡しとしての役割を果たすことを目指して、11月11日北京市内のホテルで、「科学技術と環境」をテーマとするシンポジウムを開催した。

開会式では、沖村憲樹・独立行政法人科学技術振興機構理事長と馬頌徳・中国科学技術部副部長は中日両国を代表してそれぞれ挨拶の言葉を述べた。

今回のシンポジウムでは、日本側の有馬朗人参議院議員がまず科学技術政策の動向をめぐって基調講演を行った。有馬朗人参議院議員は基調講演の中で、日中科学技術協力の歴史、科学技術者の人的交流、拠点大学交流事業、日中の主な共同研究、戦略的基礎研究推進事業、戦略的国際科学技術協力推進事業について説明し、また、人類の将来にとって環境の保全、持続的発展は最も重要な課題で、それは科学技術なしに解決不可能である見解を示し、この深刻な問題を解決するため、国境を越えて協力する必要があることを強調した。

中国側の施爾畏・中国科学院秘書長は未来に向けての中国科学院をテーマとして、中国科学技術の管理体制、中国科学院の改革と発展の過程などについて基調講演を行った。

基調講演のあと、井上正幸日本文部科学省科学技術・学術政策局次長、中国科学技術政策法規・体制改革局の李普課長はそれぞれ「科学技術政策動向」と「中国の科学技術政策」について講演を行った。

午後、産業分野、基礎研究分野に分けて個別テーマ発表に移された。双方の発表者は「廃棄物を中心とした環境技術移転事例」、「日中共同の脱硫プロセスの開発」、「循環型社会の確立を目指す水環境修復技術」を個別テーマとして発表した。

今回のシンポジウムで、中日双方が具体的な課題をめぐって討論を展開することは、科学技術を生かして中日両国の環境問題の解決に積極的な役割を果たし、人類の未来に寄与する面で大きな意義をもっている。(夏祖芬)