中国の自動車市場に潜む偽造品問題が深刻化

めざましく発展している中国の自動車市場では、自動車部品の偽造が深刻化している。特にフィルター類、クラッチ、ブレーキパーツ類の消耗品にその問題が存在している。これらが正規品の10分の1の価格で販売されているため、これら不正パーツの使用車は市場に重大な損害をもたらしている。

交換・メンテナンス技術がないにも関わらず、不正に経営している整備工場の存在も問題となっている。こうした工場ではピストン、ピストンリングなどが交する必要のある自動車に対し、「それほど摩滅していない」などの理由で点検代のみを強要するかあるいは取り換えていないパーツを取り換えたと強弁し、修理代、パーツ代を騙し取るケースも発生している。

「作業代無料」などの看板を掲げていることはこうした悪徳経営に共通するものである。関係筋によると、市場の実情から見て、正規パーツの代金だけでは修理工場はほとんどもうからないはずだという。

また、オイルもよく偽造の対象になる消耗品で、これらの不正オイルはエンジンの焼きつき、磨耗の防止にほとんど効果がなく、使用すると自動車の寿命が縮まり、最悪の場合は廃車にしなければならないという。

このほか、リベート問題も一部では絡んでいる。一部の企業では経費節約やコネなどの関係で不正修理工場に社用車の点検を依頼し、修理代を浮かせて横領するケースが報告されている。中国ではこれらの問題を自動車市場の「ブラックホール」と称し、消費者に注意を呼びかけている。