温家宝総理、中米経済貿易関係発展の5原則を提出

温家宝総理は12月8日、ニューヨーク銀行家協会の催した昼食会で、「共同で中米経済貿易協力の新しい局面を切り開こう」と題して演説を行った。温家宝総理は演説の中で中米公平貿易、経済協力の発展についての5原則を打ち出し、次のように述べた。「最近、中米貿易に若干の食い違いと摩擦が生じた。各方面は私の今回の訪米にすこぶる注目している。私は今回、友情、協力を求めるために米国を訪問したのであって、貿易戦をしに来たのではない」。

「経済貿易関係は両国関係の経済的基盤である。互いに恩恵をはかり合い、両方ともに利益を得られる中米経済貿易関係は両国の国民に経済的利益をもたらすだけでなく、中米関係発展の重要な基礎、強大な原動力となるものである。中米経済貿易協力の急速な発展が周辺地域ないし世界経済成長を促す上で果たしている役割はなおさら衆目の認めるところである。中米関係が急速に発展する根本的原因は両国経済のきわめて大きな相互補完性にある。この相互補完性は両国の経済資源条件、経済構造、消費水準に非常に大きな差異が存在していることから生まれたものである。これは中米貿易が持続的かつ急速に発展できる基盤である」。

「われわれは戦略的な目で中米貿易問題を見るべきである」。中米経済貿易関係発展の25年の歴史を顧みて、その中から一部の重要な経験、教訓を汲み取るべきである。私は中米公平貿易と経済協力の発展について次の5原則を打ち出したい。

一、互いに恩恵をはかり合い、両方ともに利益を得る。大所から着眼し、自国の利益を考慮するが、相手側の利益も考慮する必要がある。

二、発展を第一位に置く。経済貿易協力の拡大を通じて食い違いをなくす。

三、両国の経済貿易協調メカニズムの役割を発揮する。時を移さずに意思疎通と協議を行い、矛盾の激化を避ける。

四、平等に協議する。大きな共通点を求めて小さな相違点を残し、ややもすれば制限したり制裁するようなことをしない。

五、 経済貿易問題を政治化しない。

この5原則はWTOの枠組みと国際貿易の基本準則を基礎として確立されたもので、中米貿易に出現する可能性のある食い違いや摩擦を正しく認識し、妥当に処理するのに必要なものである。この5原則の中核と精髄は「発展、平等、互恵」の6字である。発展は原動力、平等は前提、互恵は目的である。それは両国が建設的な協力関係を発展させるための要求に完全にかなっている。

「私は中米経済貿易協力の見通しに対し自信にあふれている。道は平坦ではないかもしれないが、前途はきっと明るいものである」。

「中国の発展は主に内需に依存し、長期の、過大な貿易黒字を求めず、輸出入に基本的にバランスを保たせることに力を入れる。われわれ双方が中米関係の大局を重んじ、機先を把握し、信頼を増進し、懐疑を解消し、積極的に進取し、中米経済貿易協力を新たなレベルに押し上げるよう希望している」。

温家宝総理は演説終了後、中米経済貿易関係についての出席者の質問に答えた。