温家宝首相、ブッシュ大統領と会談

アメリカ訪問中の温家宝総理は12月9日ワシントンでブッシュ大統領と会談し、台湾問題や朝鮮半島の核問題および中米経済貿易協力問題を重点として話し合った。

台湾問題について、温家宝総理は「中国政府は最大の誠意を持って、国の平和統一の実現に全力をあげる。中国政府は台湾住民が民主を求める要望を尊重する。しかし、台湾当局が民主を口実として分裂活動を行うことには断固反対する」と述べた。

これに対し、ブッシュ大統領は「アメリカ政府は一つの中国の政策や中米間の三つの共同コミュニケを遵守しており、台湾独立に反対するという政策に変わりはない」との態度を改めて表明した。また、会談後の記者会見で、台湾の指導者が来年3月に行う「住民投票」に触れ、現状を変えようとする台湾当局の一方的な決定には反対するという立場を示した。

また、会談でブッシュ大統領は、中国が朝鮮の核問題をめぐる6者協議の開催に努力を払ってきたことに感謝の意を示すと同時に、この問題の平和解決のために、アメリカは各方面と引き続き協力していくという意向を示した。これを受けて、温家宝首相は「中国は朝鮮半島の非核化を主張しており、半島の平和と安定を維持するため、外交手段でこの問題を平和的に解決するつもりである」と述べた。

このほか、両国の指導者は、中米経済貿易が両国国民に巨大な利益をもたらすことで見解の一致を見た。そのため、温家宝首相は、輸入超過の問題は両国の経済貿易分野における協力強化で解決すべきであり、中国に対する輸出制限措置を取り消し、経済貿易問題を政治化しないようアメリカ側に希望した。