香港鳳凰衛星テレビ：総理は事実、データを非常に重視する人であると、総理をよく知っている人は言っています。では、現在の中国の国情に関しては、最も喜ばしいのは、どのようなデータでしょう。また最も憂慮し、気がかりで、関心があるのは、どのようなデータでしょうか。また、5年後の中国はどんな中国であってほしいと期待していますか？

温総理：スイスの前中国駐在大使が、私の頭脳はcomputerのようだと言ったことがあるが、私の頭には確かに多くのデータが入力されている。これらのデータには私を喜ばせるものもあれば、憂慮させるものもある。例えば、改革?開放を実施して以来、GDPの伸び率は平均して9％を上回っている。この5年来、アジア金融危機の影響を受けても、GDPの伸び率は平均して7.7％、昨年は8％に達した。外貨準備高が3000億ドルにも達したことに、私は喜んでいる。

中国では毎年新規に労働力が1000万人ずつ増えており、一時帰休者と失業者数は約1400万人に上る。都市部に出稼ぎに来る農民は約1億2000万人で、中国はとてつもなく大きな就業の圧力に直面している。13億の人口のうち農民は9億人を数え、まだ貧困から抜け出ていない人口は3000万人にも上る。1人当たりの収入、この数字が低レベルにあることは皆さんも承知だろうが、625元である。この基準を200元引き上げるとすると、貧困人口は9000万人にも達してしまう。東部と西部に大きな格差があることについては、皆さんは恐らく頭では分かっているだろうが、1つの数字を挙げて説明したい。沿海部の5つ、6つの省?直轄市のGDPだけで全国の50％以上を占めている。

こうした幾つかの数字は、農村の問題、一時帰休者と再就職の問題、貧困人口の生活と東·西部の格差の問題、この3つの問題を示している。それだけに、総理としての職責を果たすのは容易でない。

『北京週報』日本語版　2003年3月18日