海南省椰樹グループ有限公司（国有企業）の王光興董事長は、全人代代表として、国有資産の体制改革により関心を寄せ、海南省代表団の宿泊先で、本誌記者のインタビューを受けた。

王光興氏は今回の国務院の機構改革、とくに国有資産監督管理委員会の設立は、国有企業改革に対し役割を果たすに違いないが、問題は思想の解放であると語り、次のように述べた。

国有企業の体制上の弊害を徹底的に取り除かなければ、「椰樹」という海南省企業界の「常緑樹」はまたたくまに枯れ、発展しなくなるだろう。

椰樹グループの前身は海口缶詰工場で、改革?開放を実行した初期に企業は連年欠損を出し、1985年は破産に瀕していた。1986年、私は工場長を担当してから、絶えず改革を深め、市場を開拓して、企業を急速に発展させるようにした。その後は着実に発展し、すべての借金を返しただけでなく、純資産を6億余元に増やし、借金なし、負債なしの経営を実現した。2002年の生産額は20億元近くに達し、海南省で第二位にランクされた。国に税金1億余元を上納した。生産量は24万トンで、製品は全国各地に出荷され、24カ国?地域に輸出されている。

われわれは改革を行って成功をおさめた。1995年以前、内部メカニズムの改革、主に分配制度の改革を通じて効率を高め、同業界の国有企業との競争で勝利を収め、急速な発展をとげた。その後、同業界では外資企業と民間企業が急速に発展し、「椰樹」は一般のメカニズム上の改革に頼るだけでは体制面の弊害を取り除くことができなくなった。それは具体的に次の三方面に現れている。一、体制改革を行った企業と体制改革をまだ行っていない企業が共存するという弊害は、企業の発展を束縛した。二、政策決定層と経営層を適時に分離しなかったため、知力と開拓精神に富み、経営に明るく、厳しく管理に若い指導グループに欠けている。三、「平均主義」という思想がまだあるため、「優勝劣敗」というプレッシャーメカニズムを形成し難い。これまでの改革は表面上の問題を解決したが、その原因を解決できなかったと言える。

そのため、われわれは1997年から企業の体制改革をいちだんと深化させ、企業を国有企業から多元投資を主体とする規範化した有限責任公司に改め、同時に三段階のダイナミックな競争を通じてポストにつく制度を実行し、政策決定権と経営権を分離した。所有権の面では、主に従業員の持株を実行しているが、それへの力の入れ方が足りない。そのもたらす弊害は平均的な持株を実行するため、「平均主義」の思想を生み出すことにある。次の段階の改革は所有権をはっきりさせ、資産評価を通じて、管理者に購入させる。平均的な持株から管理者の多数の株式を保有することに変わり、利益とリンクするため、国有企業をりっぱに経営しなければ、管理者も破産する。現在の国有企業の体制は原動力もなければ圧力もない。国有企業が破産しても、個人は破産しない。所有権改革を通じて、企業がいっそうよくなるものと信じている。

『北京週報』日本語版　　2003年3月16日