ＡＰ通信：イラク問題の最新状態をどう見るか。

温総理：13億の人口を擁する大国の総理として、わたしが最も関心をもっているのは中国の安定と発展である。わたしも中国の安定と発展が容易なことでないことをよく知っている。80年代末から90年代の初めにかけて、世界の風雲変化が激しく、ソ連が解体し、東ヨーロッパに大きな変化が生じ、中国でも政治的風波が発生した。党と政府は人民にしっかりと頼り、果断的な措置をとって、国内の情勢を安定させた。そして改革·開放を引き続き推進し、中国の特色のある社会主義の道を歩んでいる。13年来、中国のあげた大きな成果は、安定が極めて重要なことを物語っている。

イラク問題に関して、中国の立場は一貫したものであり、責任を負うものである。われわれはイラク問題が国連の枠組み内で政治的手段を通じて平和的に解決し、できるだけ戦争を避けるべきであると主張する。国連の1441決議は全面的かつ確実に貫徹されるべきである。査察作業は続行すべきである。同時に、われわれもイラク政府が国連の関連決議を厳格に、確実に守るべきであると主張する。国際組織に主導的に力を合わせて兵器の査察作業をりっぱに進め、徹底的に大量破壊兵器を廃止する。今、イラクの情勢は止むに止まれぬ情勢に迫られ、一触即発である。しかし、少しの望みがありさえすれば、われわれは政治の方式を通じて解決する努力を放棄しない。

中東通信：温総理、いまの国際情勢は太平ではない、たとえば中東地域は非常に危険な地域であり、そのため、これらの問題についてあなたのご見解を伺いたい。あなたは今日アメリカ大統領がイラク大統領に出した最後通告に賛成するかどうか。あなたは最後通告について見解を発表することができるかどうか。中東のこれらのホットスポット地域問題についての中国の見解を紹介することができるかどうか。

温総理：中東地域は一貫して中国と世界の人民が関心を寄せる焦点である。今際立っているのはイラク問題およびパレスチナとイスラエル問題である。

わたしは、ブッシュ大統領が今日北京時間の午前9時に発表した演説に留意している。中国の立場ははっきりしており、われわれは政治的手段を通じてイラク問題を平和的に解決することを引き続き堅持する。わわわれは、1441決議は国連憲章の原則に合ったものであり、各国はそれを守るべきであると見ている。

われわれは一貫してパレスチナとイスラエル問題について憂慮を深く感じ、それに関心を寄せており、われわれはパレスチナとイスラエル双方が国際各方面の協調に合わせ、国連の関連決議と「土地と引き換えに平和を」という原則にのっとり、政治的交渉を通じてパレスチナとイスラエルの紛争を平和的に解決することを心から期待する。わわわれは中東で戦火が燃え上がるのを望まない。平和で安定した中東は全世界に有利である。

アメリカのケーブル·ニュース·ネットワーク：一触即発のイラク戦争に対し、支持するのか反対するのか。

温総理：　わたしが述べたように、イラク問題について、中国は原則がある、中国の立場は世界の平和と発展に基づき、中国の根本的利益から出発したものである。中国はイラクが大量破壊兵器を徹底的に廃棄しなければならないと主張する。同時に、イラク問題が政治と平和的なやり方を通じて解決し、戦争が中東地域と世界に影響をもたらすのを避けることを望んでいる。

『北京週報』日本語版　2003年3月18日