中華全国商工業連合会は3日に開かれた第10期全国政治協商会議第1回会議で「憲法改正による私的財産保護の法制度の完備に関する提言案」を提出し、私的財産を更に強力に保護していくよう求めた。

『中華商工時報』によると、提言案では、憲法にある公共財産と私的財産の保護に関する記述が一致しない条項を改正して、平等の原則を具現化し、財産権は公民の基本的権利であり、国が公民の合法的な私有財産権を保護することを明確にし、いかなる組織あるいは個人であれ、正当な個人の私有財産を不法に横領し、破壊することを禁止するよう求めている。

このほか、企業、社会団体、法人などの組織の財産権を保護する条項を追加するよう求めている。また憲法で、企業などの組織及び個人の財産に対して国有化と接収を行うかどうかを明確にすべきであり、公共の利益に基づいて実施する必要がある場合は、実施する条件及び補償などの内容を明確にすべきだとしている。

また以下のような提言を行った。

憲法を改正した後、関連規定に基づいて現行の法律の相応する条項を更に修正し、間もなく公布される民法典及び物権法などの法律でそれを具現化する；立法機関は私的財産を保護する法制度及び関連する制度について真摯に検討すると共に、できるだけ早く着実に実施するほか、司法機関、行政法律執行機関も具体的な措置を講じて、私的財産の保護を強化し、私的財産保護の力不足や行政権を利用した私的財産権の侵害という状況を更に打開していかなければならない。

中華全国商工業連合会は、提言案で以下のような見解を示している。

私的財産が効果的かつ十分に保護されるかどうかは、経済と社会の発展に極めて重要な役割を果たす。現在、社会的に見られる資本の流出や民間投資の活力不足といった現象はある程度、私的財産の保護に関する法制度が不備であることと関係がある。第16回党大会の報告は、全ての合法的な労働収入と合法的な非労働収入を保護し、私的財産を保護する法制度を完備させなければならないと提起した。それには中国の社会主義初級段階の基本的経済制度を堅持して完備させ、非公有制経済の発展を奨励し、支持し、先導することが必要であり、また人民の財産の安全を保障し、民間投資を促進し、いくらかゆとりのある社会を全面的に建設することが必要である。

新華網2003年3月3日