2005 No.22
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薄商務部長、「中国の発展レベルを過大評価することはできない」と語る

「人民網日本語版」によると、『人民日報』はこのほど、商務部の薄煕来部長の文章「中国は経済グローバル化の参加者」を掲載した。薄部長はこの中で、次のように述べた。

中国はまだ発展途上国であり、中国の発展レベルを過大評価することはできない。われわれは経済規模では世界上位にいるが、昨年の人口1人当たりの国内総生産(GDP)はようやく1200ドルを超えたところである。沿海地域は1人当たりのGDPが2000ドル、あるいは3000ドルに達する地域もあり裕福だが、一方で中部地域の1人当たりGDPは1000ドルに満たず、西部地域はさらに少ない。中国政府の定めた「絶対貧困」(純収入625元以下)の基準に該当する農村部の貧困人口は、現在まだ2600万人を超えている。一方、国連の「1人当たりの年収100ドル未満」に該当する中国農村部の人口は8千万人を超える。また、都市部で生活保護を受けている人は2千万人を超える。政府は依然として貧困克服のプレッシャーに直面しており、こうした国情から、長期的な刻苦奮闘が必要になっている。

中国の国土面積は比較的広いが、人口1人当たりの耕地面積は世界水準のわずか7分の1という低水準である。このほど行ったインド訪問での印象深かった点として、インドの国土面積は中国ほど大きくないが、耕地面積は中国を3千万ヘクタール上回っている。自然条件からみれば、インドは2方向で海に面しており、海と接するという点では中国の1方向よりも環境に恵まれている。天然資源を見ると、中国と先進国との差は大きい。例えば、オーストラリアは人口2千万人だが、資源は豊富だ。中国にとって最も豊富な資源の1つは石炭だが、昨年の輸出量は1億トン以下だった。一方、人口2千万人のオーストラリアの石炭輸出量は2億2千万トンだった。つまり、資源や耕地など最も基礎的な経済要素をめぐり、われわれは大きな困難を克服する必要がある。

中国は現在、国際的な産業分業の中では依然として末端に位置する。生産の付加価値は低く、国際競争力は弱い。最近、中国製繊維製品問題が論争になっているが、繊維製品市場の一体化は中国の世界貿易機関(WTO)加盟後、他分野における譲歩の末にようやく獲得した重要な権利である。なぜなら、中国には繊維業界の就業者は多く、生産する製品は利益が少ないからだ。中国がシャツを1枚輸出した場合、利益は平均で30〜40セント程度で、海外の輸入企業、小売企業が得る利益の方がずっと多い。われわれの利益は大部分が加工費だ。しかし、われわれはこの道を進まざるを得なかった。なぜなら、中国の過去の貿易規模が小さかったからだ。

中国はさらに発展する必要がある。発展と資源との関係を詳細に検討し、科学的発展の道を進むことで、経済発展とリソースの制約との間の矛盾を解決しなければならない。