2005 No.27
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急速に発展する中ロ経済協力

譚 偉

中ロ国交樹立55周年の昨年、プーチン大統領と胡錦涛主席は会見の席で「両国関係は最良の時期にある」と評価した。現在、中ロ両国は「経済関係の最良の時期」を迎えるため、多分野で経済協力に取り組んでいる。

ここ数年、ロシア経済は好調を続けており、中ロの戦略的協力パートナーシップは大きな成果をあげ、二国間貿易は範囲、規模ともに拡大しつつある。昨年のロシアの国内総生産(GDP)は7.1%に達し、六年連続の伸びとなった。ロシアのWTO加盟に関する市場参入をめぐる中ロ間の協議も昨年に合意に達し、ロシアは中国を完全な市場経済の国として承認した。中ロ国境地帯の協力も強固な政治・経済的環境によってますます活発となり、国境地帯周辺の省・自治区から内陸部や沿海部、西部地域にまで広がってきた。また、中ロ間の科学技術や原子力、宇宙航空などの分野での協力も成果をあげている。

東北部に位置する黒竜江省は、ロシアと3000キロメートル余りに達する国境線を共有しており、同省の昨年の対ロシア貿易額は40億ドル近くにのぼり、中国全体の対ロシア貿易総額の20%を占めた。現在、国のAクラス指定の税関は25カ所、国境を越えてロシアに入る鉄道は10本、輸出入貨物取扱量は1180万トン、輸出加工拠点は5カ所、対ロシア輸出農業生産基地は100余カ所、対ロシア輸出加工企業は400社近くを数える。また、ロシアとの経済貿易協力に従事する関係者はおよそ10万人以上に達している。ロシア語や経済貿易に精通している人材もかなり多い。毎年、科学技術協力や文化交流のために相互訪問する専門家は両国でそれぞれ延べ千人以上にのぼっている。

両国の通関ではルーブル又は人民元の決済業務、また黒竜江省の工商銀行と農業銀行は直接送金業務も扱うようになった。政府は同省の対ロシア経済貿易・科学技術協力に政策面から支援しているほか、プロジェクトの審査・許認可や、融資補助などの面でも優遇政策を実施している。

ハルビン市の石忠信市長は「ロシアと最も密接な関係にある都市として、市政府の対ロシア経済貿易・科学技術協力戦略の中長期発展目標を達成するため、今中ロ貿易の『自由貿易区』となる中ロ協力産業団地の建設を進めているところだ」と説明している。

ハルビン開発区対ロシア協力局の林秀春研究員は、「ここ数年、ロシアの政治改革と経済改革はわれわれに大きなチャンスをもたらしている。ロシア人専門家が素晴らしいプロジェクトを持ってくることは、技術導入にとって絶好のチャンスだ」と強調。

ハルビン開発区管理委員会の李志恒主任によると、ハルビン市政府は団地進出企業に一連の優遇政策を与えている。法人所得税や付加価値税、輸出入関税などの優遇政策や、土地生産性による差別譲渡金財政補助政策(最高で全額補助)のほか、企業が団地内の施設を賃借する場合、6月1日前に着工したものについては3年間分、6月1日以後に進出した場合は2年間分の賃貸料を減免し、法人登記料や商工業許可書費用、企業公告費など9項目の行政費用を減免するなどの政策を実施。また、企業誘致や投資が成立した場合には、プロジェクトに応じて、仲介報酬を仲介した企業あるいは個人に現金で支払っている。

ロシア協力工業団地の位置づけは、エレクトロニクスやバイオテクノロジー、宇宙航空、環境保全設備など大中型企業向けの生産と輸出加工プロジェクトについて協力を進めていくことにある。

中ロ国境に位置する他の都市にも、その特徴に合せた様々な中ロ貿易自由区が設置されている。

石忠信市長は「中ロ関係は経済が政治より遅れているという状況から抜け出しつつある。経済貿易協力の急速な発展が両国の戦略的パートナーシップを強化、発展させるうえで極めて重要な役割を果たしている」と強調している。