中国、人民元為替レート形成体制改革を健全化
中国の中央銀行である中国人民銀行は7月21日、「7月21日から、市場需給を基礎とし、通貨バスケット制度を参考に調整し、管理のある変動為替制度を実行する」と発表した。中国人民銀行のスポークスマンは人民元為替レートの形成体制改革について語った。
中国の為替制度の歴史と現状について、このスポークスマンは、「1994年以前に固定為替制度と二重為替制度を実行した。1994年以降現在まで『市場の需給を基礎にした、単一的かつ管理された変動為替制度』を実行している。この変動為替制度では、中央銀行が一定の変動範囲を設定し、市場調整を通じて人民元の為替レートの安定を維持している。事実が証明したように、この為替制度は中国経済の持続的で急速な発展やこの地域ひいては世界経済金融の安定を維持するために積極的な貢献をしている。1997年アジア金融危機が勃発し、危機の深刻化を防止するため、中国は主動的に人民元為替レートの変動幅を収縮した。ここ数年、その危機の影響が次第に弱くなるにつれて、中国の経済は持続的、安定にかつ急速に発展し、外貨市場は絶えず整備され、人民元為替レートの形成体制の健全化に条件を作り上げた。人民元為替レート形成体制の改革を健全化することは中国の対外貿易のアンバランスを緩和し、内需を拡大し、企業の国際的競争力を強め、対外開放のレベルを高めるために行ったのである。2005年6月末まで、外貨準備高は7110億ドルに達し、対外貿易黒字は急速に拡大し、貿易摩擦がさらに激しくなっている。適当に人民元為替レートを調整し、その形成体制を改革することは、内需を主とする経済の持続可能な発展戦略を貫き、資源配置や外資構造を優良化し、外資利用の効果を高め、対外開放のレベルを引き上げることにプラスとなる」と述べた。
中国人民銀行のスポークスマンは、「人民元為替レート改革の目標は『市場の需給を基礎にし、管理された変動為替制度』を確立し健全化させ、人民元為替レートが合理的、均衡的なレベルでの基本的な安定を維持することである。また、その原則として、主導性、漸進性を堅持しなければならない」と述べた。
新しい人民元為替レート制度の内容と特徴について、このスポークスマンは「今回改革の内容は、ドルだけに固定された現行制度からいくつかの主要通貨の動向も参考にするいわゆる通貨バスケット制を実行するようになる。為替レートの合理的均衡なレベルへの推算によって、今回人民元の対ドルレートを現行の1ドル=8.28元から2%切り上げ、1米ドル=8.11元に変更したのである」と述べた。
このスポークスマンは、「現在は人民元為替レート形成体制改革のよりよい時機である。第1に、中国の外貨管理は次第に緩和され、外貨市場の整備は絶えず強化され、各項目の金融改革はすでに実質的に進展している。第2に、マクロ調整は著しい成果を上げ、国民経済は引き続き安定的でより急速な成長を保っている。第3に、世界経済は安定して運行されており、ドルの利率も安定して上昇している。これらは人民元為替レート形成体制の改革に有利な条件を作り上げ、着実な基礎を定め、予想の効果に達することができる」と述べた。
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