2005 No.41
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>> 経済

専門家、「鉄鋼価格の下落は生産過剰が原因」と指摘

中国鋼鉄工業協会の呉渓淳前会長は、中国国内の鉄鋼資源について、「深刻な供給過多の状態にある」と語り、鉄鋼価格が下落している原因は、需要不足ではなく、生産過剰にあることを指摘した。

呉氏は、鋼材生産量の伸びが需要の伸びを上回っていることを指摘した。中国国内の8月における1日当たりの鋼材生産量は98万2500トンと年間生産量が3億5800万トンに達するペースだった。また、今年7月以前は、中国の鋼材およびビレットの輸出入は輸出が上回っていたが、7月以降は逆転した。輸入額から輸出額を差し引いた純輸入額は、7月は11万トン、8月は58万トンだった。

この状況からみて、今年の鋼材輸入量は約2600万トン、鉄鋼生産量は2004年より7000万トン増え、3億4400万トンにのぼる見込みだ。

呉前会長は、鋼材価格が下落している状態に関して、鉄鋼産業の集約化を進める必要性を強調。「米国では、鉄鋼大手4メーカーが米国の鉄鋼生産総量の65%をまた、日本でも4大メーカーが鉄鋼生産総量の75%をそれぞれ占めている。鋼材価格が下落すれば、これら大手が協力して減産を行い、価格を調整することができる。一方、多くの鉄鋼メーカーが散在する中国では、メーカー側が生産量をコントロールする能力に欠けており、合理的な価格を維持することができない」と、中国の鉄鋼産業に存在する問題を指摘した。