2005 No.43
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安徽省馬鞍市、安江恵氏を栄誉市民に

安徽省の馬鞍山市人民政府は9月8日、日本の大同株式会社常務理事、大同利美特(上海)管理有限公司董事長の安江恵氏に栄誉市民を授けた。

安江氏が栄誉市民を受けたことについては、唐代の大詩人である李白との情の縁から語るべきだろう。安江氏は中国古代の文化に非常に興味を持ち、とくに李白を敬慕し、李白の詩を読むのを好み、日本から中国に戻る帰途には常にカバンの中に李白詩選と印刷された書籍を入れ、閲読しながら旅の疲れを癒しているという。安江氏は李白に対して独特の情を抱いていると言えるだろう。

130年余の歴史があり、日本のアパレル業界で著名な大同株式会社は1993年、上海市松江に6000万ドルを投資して上海同豊毛紡織時装有限公司を設立。同公司が拡張のため国内で立地場所を選択していた際、多くの場所を紹介されたが、董事長であった安江氏が一目で気に入ったのは、李白と縁のある馬鞍山市だった。安江氏は「馬鞍山市は李白が晩年を送った地であり、いずれの場所にも李白の面影が数多く見られる。文化の底の厚い地に工場を建設できることは、非常に意義あり、企業文化を深めることができる」と語る。当時、馬鞍山市の関係機関が紹介した立地場所は経済技術開発区だった。開発が始まったばかりのころで、土地の収用が行われていて、まだ一面荒涼としていたが、李白が足跡を残した翠螺山が近くに屹立していることから、安江氏はこの土地を選び、約3.3ヘクタールの土地を購入して工場を建設することを即時決断した。それから1年以内に上海同豊毛紡織時装有限公司馬鞍山分公司工場を建設。同工場は高級衣料品を生産し、日本に輸出している。続いて、大同佳楽登(馬鞍山)有限公司工場を建設し、高級ニットウエアを生産して日本などに輸出。その後、内外の多くの企業が開発区に進出しているが、大同公司は馬鞍山経済技術開発区の先駆者と言っても過言ではないだろう。

安江氏は馬鞍山市と深い絆を結んだ。安江氏はよく日本から工場の検査のために馬鞍山市を訪れており、また日本の会社のトップ、時には大企業の社長を率いて馬鞍山市に視察に訪れては、先ず、太白楼や釆石磯など李白ゆかりの地を観光し、次に工場を見学し、自らの経験を例に挙げながら、李白が晩年を送った馬鞍山市に投資した意義と成功の体験を紹介している。

安江氏は2004年6月、西川毛織株式会社の西川隆造社長一行を率いて馬鞍山市を視察。当時、西川社長には工場を中国に移転させる計画があった。安江氏の話に心打たれた西川社長は1カ月後に再び馬鞍山市を訪れ、経済技術開発区と約2ヘクタールの土地を購入し、総投資額700万ドル余の契約を交わした。生産した高級服地は国外に輸出する。同工場はすでに完成しており、10月に操業開始式典を行う予定。

安江氏の李白に対する情が馬鞍山市に日本の工場をもたらし、中国人民との友好と友情を深めることになった。天にいる李白も喜んでいることだろう。