「漢潮」出現、中国企業系の海外進出に絶好のチャンス
近年、中国企業系による海外企業の積極的な買収が目立つ。台湾の明基電通の李焜耀・CEO(最高経営責任者)は19日、江蘇省・蘇州市で開かれた「両岸企業の発展フォーラム」に出席。「欧米や日本の経済発展は減速し、中国系企業がグローバル化を実現する上で、絶好なチャンスが到来した」として、「日本の経済ブーム『和風』や韓国の『韓流』に続き、猛烈な勢いで『漢潮』が訪れている」と強調した。
中欧管理学院の楊国安教授は、「一部の中国系企業で、すでにグローバル化に向けて基盤を整えている。聯想やTCLなど海外企業を買収する中国企業も現れた」として、華人企業のグローバル化が、急速な勢いで進んでいることを主張。
一方で、海外企業のM&A(買収・合併)にあたり、多くの中国企業が困難に直面するとも指摘。「華為技術や中興通訊(ZTE)のように、企業の内部組織が成熟し、外部リスクが少ない時に海外市場の開拓に乗り出すことがベストだ」との見方を示した。
国務院企業研究所の張文魁所長は、2006年には中国系企業による海外企業買収の波が到来するとの見方について、「そうは思わない。中国系企業は忍耐力を持つ必要がある。海外企業のM&Aは増えていくが、異常な増え方をすることはないだろう」と推測。ただし、「海外企業のM&Aを行う中国系企業は、日々注目を集めている。華人企業のグローバル化は、もはや止めることのできない流れとなっている」とした。
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