2005 No.52
(1219 -1225)
 

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中国の平和的発展の道

中華人民共和国国務院報道弁公室

一、平和的発展は中国の現代化建設の通らなければならない道

平和的発展の実現は中国人民の心からの願望とたゆまぬ追求である。1970年代末に改革・開放を実行して以来、中国は成功裏に自国の国情と時代の特徴に適応する平和的発展の道を歩んでいる。この道に沿って、中国人民は自国を富強、民主、文明、調和の現代化国家に築き上げるように努力しており、また自身の発展を通じて絶えず人類の進歩事業に対し新たなより大きい貢献をしている。

歴史を回顧し、現実に立脚し、未来を展望して、中国は確固として平和的発展の道を歩み、平和的発展、開放的発展、協力的発展、調和のとれた発展を実現するために努力している。

――平和的国際環境を利用して自国を発展させ、自身の発展で世界平和を促進する。

――自身の力と改革・革新に頼って発展を実現し、同時に対外開放の実行を堅持する。

――経済のグローバル化発展のすう勢に順応し、各国との互恵互利と共同発展の実現に努力する。

――平和、発展、協力を堅持し、各国と共に持久的平和が永く続き共に繁栄する調和のとれた世界を構築する。

平和、開放、協力、調和、互利はわれわれの主張、われわれの理念、われわれの原則、われわれの追求である。平和的発展の道を歩むことは、とりもなおさず中国国内の発展と対外開放、中国の発展と世界の発展、中国人民の根本的利益と世界人民の共通の利益をそれぞれ結び付けることである。中国は国内では調和のとれた発展を堅持し、対外的には平和的発展を堅持する。この二つの方面は密接につながっている有機的な統一体であり、いずれも平和が永く続き共に繁栄する調和のとれた世界の構築に役立つものである。

中国の平和的発展の道は人類が文明と進歩を求める真新しい道であり、中国の現代化建設が通らなければならない道であり、中国政府と中国人民の丁重な選択と厳粛な承諾である。

――中国が確固として平和的発展の道を歩むことは、中国の国情に基づく必然的な選択である。1840年のアヘン戦争後の100余年間に、中国は列強から抑圧と侮辱をいやというほど受けた。戦争を取り除き、平和を実現し、独立富強、民生幸福な国家を建設することは、近代以来中国人民が孜々として求めてきた奮闘目標である。いまの中国は巨大な発展をとげたにもかかわらず、人口が多く、基礎が薄く、発展がアンバランスであるため、依然として世界最大の発展途上国である。経済と社会の発展を推進し、人民生活を絶えず改善することは終始として中国の中心の任務である。平和的発展の道を歩むのを堅持することは、中国が国家の富強、人民の幸福を実現するために通らなければならない道である。中国人民は平和な国際環境を最も必要とし、最も大事にし、自国の力を尽くして各国の共同発展の推進に積極的に貢献したい。

――中国が確固として平和的発展の道を歩むことは、中国の歴史的文化的伝統に基づく必然的な選択である。中華民族はかねてから平和を熱愛する民族である。中華文化は平和な文化である。平和を渇望し、調和を追求することは、終始として中国人民の精神的な特徴である。600年前、中国の明代の有名な航海家鄭和は当時世界で最も強大な船団を率いて「7回ほど西洋へ向かい」、アジアとアフリカの30余カ国・地域へ渡り、持っていったものはお茶、磁器、絹織物、技術で、他国の土地を一寸も侵略、占領せず、世界にもたらしたのは平和と文明である。これは関係諸国・人民と交流を強める古代中国の誠意を十分に反映している。現代に立脚して、中国の発展は13億の中国人民に幸福をもたらしただけでなく、世界各国にも巨大な市場と発展のチャンスをもたらした。中国の発展は世界の平和勢力の成長に有利である。

――中国が確固として平和的発展の道を歩むことは、現在の世界発展の流れに基づく必然的な選択である。平和を求め、発展を促し、協力をはかることは世界各国人民の共通の願いであり、阻むことのできない歴史の流れでもあり、特に世界多極化と経済グローバル化の一層の発展は、世界の平和と発展に新しいチャンスをもたらし、わりに長期間の平和な国際環境の実現は可能である。同時に、世界に依然として不安定、不確実的な要素が多く存在し、人類が多くの厳しいチャレンジに直面しているが、チャンスがチャレンジより大きく、世界各国が共に努力しさえすれば、平和が永く続き共に繁栄する調和のとれた世界を建設する目標を徐々に実現させることができることをも、中国ははっきり見て取っている。長年来、中国は独立自主の平和外交政策を実行しているが、その宗旨は世界平和を守り、共同の発展を促進することにある。早くも1974年に中国の国連復帰にあたり、ケ小平氏は全世界に向かって、中国は永遠に覇を唱えないと宣言した。改革・開放して以来、中国は国際情勢の変化のすう勢に基づき、平和と発展が時代のテーマであるという重要な戦略的判断を堅持し、中国は以前覇を唱えたことがなく、現在は覇を唱えておらず、将来強大になっても覇を唱えないとたびたび明らかにした。中国の発展はいかなる人に対しても脅威することがなく、世界により多くの発展チャンスとより広い市場をもたらすだけである。事実が証明しているように、中国経済の発展は、アジア太平洋地域および世界の経済成長を推進する重要な力になりつつある。世界平和を守り、共同発展を促進することは、すでに中国の国家意志になっている。

当面、中国人民はいくらかゆとりのある社会を全面的につくり上げる目標を実現するために奮闘している。最近、中国共産党第16期中央委員会第5回全体会議は2006年から2010年までの中国経済社会発展の主要な任務を打ち出したが、そのうち、経済発展の主要な目標は、構造を最適化させ、効率を高め、消耗を減らす基礎の上で、2010年の一人あたり国内総生産(GDP)を2000年より倍増させ、資源利用率を著しく高め、2010年の単位当たり国内総生産のエネルギー消耗を2005年より20%前後減少することである。この目標を実現するため、中国は人を本とすることと全面的、協調的、持続可能な、科学的発展観を堅持して、経済建設、政治建設、文化建設、社会建設の全面的発展を推し進める。中国は主に自身の力に頼って発展をはかると同時に、対外開放を堅持し、国際経済技術協力を幅広く行い、世界各国と人類文明の成果を分かち合い、他国の利益を尊重、配慮し、各国と共に協力の中に現れた相違と問題を解決し、互恵互利と共同発展の実現に努め、国際的義務と承諾を忠実に守り、国際システムと国際事務に積極的に参与し、建設的な促進的役割を果たすように努め、平和共存五原則を踏まえて各国と平等に共存しあい、各国との友好関係を積極的に推し進めている。

二、自らの発展で世界の平和と発展を促進

平和は発展の基であり、発展は平和の本である。長年来、中国政府と中国人民は平和な国際環境をつくり出すためにたゆまぬ努力を傾け、平和を愛好し、進歩を求める世界の諸国と人民が共同で奮闘して得た平和な国際環境を非常に大切にし、精神を集中して建設を進め、一心に発展をはかり、自身の発展を通じて、世界の平和と発展のためにたえず積極的な素因を付け加え、人類の文明と進歩事業の発展を促進している。

中国の発展は平和な国際環境を必要とする。1978年以来、中国は平和な国際環境の中で自らを発展させ、国内総生産は3624億元(その年の人民元対ドルの年平均為替レートで換算すれば約2153億ドル)から2004年の15兆9878億元(その年の人民元対ドルの年平均為替レートで換算すれば約1兆9317億ドル)に増加し、不変価格で計算すれば年平均伸び率は9%を超え、一人あたりの国内総生産は300ドル足らずから1400ドル余りに増加した。中国の政治文明建設は新しい進展を見せ、国家の民主制度は絶えず健全になり、公民の自由と権利は法によって保護、保障され、人民は法によって民主的選挙、民主的決定、民主的管理、民主的監督などの権利を行使している。中国では憲法を核心とする法体系が初歩的に形成され、法によって国を治めるという基本的方策は徹底的に実行されている。中国の教育、科学技術、文化、医療衛生、スポーツなどの事業は速やかに発展し、人民の日増しに増大する精神文化需要は絶えず満たされている。中国の調和のとれた社会の建設が強化され、国は社会の公平と正義の保護と実現、全社会の創造活力の向上、社会の建設と管理の強化、社会安定の維持、人と自然との調和の実現に力を入れている。

中国の発展は世界の発展の重要な構成部分であり、中国は自らの発展で世界の平和を促進し、人類社会の発展と進歩に貢献している。

中国は人類の持続可能な発展の実現に貢献している。中国はこれまでの発展の経験をまとめ、人類の現代文明の発展成果を参考にし、科学的発展観を導きとして発展観念を転換し、発展のパターンを革新し、発展の質を高めている。長年来、中国は科学技術を多く使用し、経済的効果がよく、資源消耗が少なく、環境をあまり汚染せず、人力資源の強みを十分に生かす新しいタイプの工業化の道を模索することを堅持し、社会全体に生産が発展し、生活が豊かで、生態のよい持続可能な文明的発展の道を歩ませるように力を入れている。中国は人口政策を成功裏に実行して、世界総人口の増加を遅らせた。中国はエネルギーの節約を非常に重視し、各種の省エネ措置をとっており、1980年から2000年までの国内総生産(GDP)が4倍増したのに対し、エネルギーの年間消費量は倍増しただけであった。中国が環境保全を強化したため、20余年来、火力発電設備が大幅に増加した情況の下で、煙塵の排出総量は基本的に1980年時のレベルに押さえられている。2004年、中国のGDP一万元あたりのエネルギー消耗は1990年より45%減少した。中国は中・長期省エネ計画を公布し、その目標は2020年までに年平均エネルギーを3%節約し、標準炭に換算して累計14億トン節約するように努力することである。

中国は人類の貧困を減らし、生命の質を高めることに貢献している。中国は世界の10%足らずの耕地で世界の22%近くを占める人口の食事問題を解決し、世の中の奇跡をつくり出した。13億の中国人民の生活はたえず改善され、中国政府は2億2000万の人口を貧困から脱却させ、2205万の都市人口に最低生活保障を与え、6000余万の身体障害者に援助を提供した。現在、一人当たりの予期寿命は新中国成立前の35歳から71.95歳に延び、中等先進国のレベルに達している。

中国は世界平和を擁護し、国際協力を促進することに貢献している。中国は平和共存五原則を踏まえて世界各国と友好協力関係を発展させ、国家間の平和共存と平等な付き合いを促進した。中国は隣国と仲良く付き合い、隣国をパートナーとする善隣友好の方針を堅持しており、そのため、周辺諸国およびアジアのその他の国との友好協力関係が絶えず発展し、共通利益がたえず拡大している。中国は主要な大国と形式の異なる協力関係を樹立し、対話、交流、協力を絶えず強化している。中国は絶えず広大な発展途上国との協力を強化し、南南協力という枠骨組みの下で、優位の相互補完と共同発展の実現に努めている。中国は国際と地域のホットな問題の処理に積極的に参与し、広範な国際義務を引き受けると同時に、責任を負う建設的な役割を果たしている。

中国は世界の経済発展促進に貢献している。ここ数年来、世界経済の変動の幅が大きくなった情況の下で、中国の経済は安定かつわりに速い発展を保ち、世界経済の成長に希望と原動力をもたらした。世界銀行の公布したデータが顕示しているように、2000年から2004年の世界経済成長に対する中国経済成長の平均貢献率は13%である。2004年、世界経済はここ30年来の最も速い成長をとげたが、中国経済は9.5%成長して、世界経済成長を推進する重要な力となった。2004年、中国の輸出入総額は3年前より倍増して1兆1548億ドルに達し、輸入総額は3年前より倍増して5614億ドルに達した。2004年末現在、外資の実際利用額は累計7453億ドル、認可した外国投資企業は50余万社に達した。

中国は周辺地域の安定と発展に貢献している。中国と境界を接するかあるいは海を隔てて向かい合うアジアの国が20余カ国ある。中国の経済が持続的に発展し、社会が調和、安定し、人民が安らかに暮らすことは、周辺諸国に利益を受けさせている。1999年から2004年のアジア太平洋地域の経済はずっと6%以上の伸び率を保った。周辺諸国を安定した環境の中で絶えず発展させるため、1997年のアジア金融危機の中で、中国は幾重もの困難を克服して、人民元為替レートの安定と内需拡大の方針を堅持するとともに、被害国にできるかぎりの援助を提供して、最終的に危機に打ち勝つ役割を果たした。2003年、突然発生したSARS(重症急性呼吸器症候群)を前に、中国政府は断固とした措置をとり、周辺諸国と助け合って、効果的に疫病の蔓延を抑制した。2004年末、インド洋地震の津波災難の発生後、中国政府と人民は被害国の救助と再建にすかさず心からの援助を提供し、新中国成立以来最大規模の対外救援行動を展開した。2005年10月、南アジアに地震が発生したあと、中国は被災地域の人民に積極的な援助を提供した。

世界の注目を集める建設成果をあげたにもかかわらず、中国は依然として世界最大の発展途上国であり、直面している発展の任務はなおも非常にきわめて困難で重いものである。世界銀行の最新統計および中国の公布した最新のデータで計算すれば、2004年の中国の経済規模は全体としてアメリカの16.6%しかなく、一人あたりの国内総生産はアメリカの3.6%、日本の4%しかなく、世界の208カ国と地域の中で129番目にランクされている。中国の農村では2004年に貧困ライン以下の人口は2610万人、毎年解決する必要のある都市と農村の就業人口はおよそ2400万人おり、そのほか1億余りの農村労働力が就業のために移転している。中国は中等先進国の経済発展レベルに達し、全人民の共同の裕福を実現するには、なおも長期にわたって刻苦奮闘しなければならない。たゆまずに努力を傾け、平和な国際環境をつくって自らを発展させ、同時に自らの発展で世界の平和と発展を促進することは、中国にとっても世界にとってもきわめて重要な意義がある。

三、自らの力と改革・革新に頼って発展を実現

中国は科学的発展観で国内発展と対外開放を統一して計画的に按配し、発展の立脚点を自国の実情に置き、同時に全方位、広領域、多次元の対外開放を堅持し、バランスのより取れた発展の実現に努力している。

中国の直面している発展問題は主として発達しない経済と人々の日増しに増大する物質的文化的需要との矛盾、経済・社会の発展と人口、資源、環境のプレッシャーがわりに大きいこととの矛盾に現われている。歴史的経験が示しているように、中国の発展問題を解決するには、根本から中国自身に頼らなければならない。これは中国人民に責任を負うことであり、世界人民に責任を負うことでもあり、中国が平和的発展の道を歩むのを保障する重要な原則である。中国は問題と矛盾を他国に転嫁することをしないし、まして他国を略奪することで自らを発展させるようなことをなおさらしない。

中国は主に自らの力と改革・革新に頼って発展を実現しているが、それには経済のより大きな発展を支える物質的技術的基礎、日増しに増大する巨大な市場ニーズとわりに高い国民貯金率、全体として資質が絶えず向上する豊富な労働力資源、絶えず整備する社会主義市場経済体制と政策保障、安定した社会政治環境などの強みと条件がある。

主として自らの力と改革・革新に頼って発展を実現するため、中国は次のことを重点的にしている。

――観念と体制の革新を堅持する。改革・開放以来の実践が証明しているように、中国は思想解放、実事求是(実際に基づいて正しく行動すること)、鋭意進取を通じて、億万人民の積極性、主動性、創造性を動員して、絶えず現代化建設の新局面を切り開くことができる。中国は各方面の改革を確固して推し進め、社会主義市場経済の改革方向を堅持し、改革にいっそう力を入れ、体制の革新を重点的に推し進め、一部のかぎとなる分野や重要な環で突破をとげるように努力している。改革を通じて、中国は国民経済の市場化の度合いをいっそう高め、国のマクロコントロールシステムを充実し、経済と社会の全面的、協調的、持続可能な発展の促進に役立つシステムとメカニズムをたえず形成している。

――国内市場の開拓と国内需要の増加に立脚する。内需拡大は中国の経済・社会発展の基本的な立脚点と長期にわたる戦略方針である。中国はいま工業化、都市化が加速し、国民収入レベルが向上し、消費構造が昇格する発展段階にあり、対外貿易増加方式を転換し、輸入を拡大し、知的所有権保護を強化し、世界貿易と世界経済に引き続き貢献すると同時に、巨大な国内需要と広大な国内市場は中国の経済発展の持続的原動力であり、これは中国の発展が国内需要を主とすべきであり、その実現が可能であることを決定づけている。中国は固定資産投資が合理的な規模とスピードで増加する状態を保ち、投資に経済成長を推進する役割を発揮させている。中国は正しい所得分配政策と消費政策の実行を通じて、国内の消費需要により多く頼って経済成長を推進している。ここ数年来、国内投資と消費需要はいずれもわりに速い増大の態勢を呈している。

――経済構造の戦略的調整と成長方式の転換を推し進める。中国は成長方式の転換を戦略的重点とし、人口の資質向上、資源の効果的利用、環境汚染の減少、品質効果の重視の基礎の上に経済を成長させるように努めている。中国は情報化で工業化を推進し、工業化による情報化促進を堅持し、新しい工業化の道を歩み、産業構造の最適化と昇格を加速し、先端的製造業、ハイテク産業特に情報産業、バイオ産業を大いに発展させ、サービス業の比重とレベルを高め、基礎産業のインフラ整備を強化し、構造調整に成長方式転換に対する役割を十分に果たさせるようにしている。中国は節約型経済、循環経済、環境保全型経済を大いに発展させ、集約して、クリーンに発展する国民経済システムの形成に努力している。

――科学技術進歩を速め、自主的革新能力を増強する。中国は革新型の国づくりに力を入れ、自主的革新能力の増強を国家戦略として、国家中長期科学技術発展計画を作成し、今後15年の科学技術発展の目標と任務を打ち出した。中国は原始的革新能力、集成的革新能力の向上、再革新能力の導入、消化、吸収に取り組んでいる。科学技術体制改革を通じて、多ルートで科学技術への投入を増加し、国の革新システムを推進し、科学技術成果の現実的生産力への転化を速め、2020年までに科学技術の研究・開発経費が国内総生産に占める割合を2004年の1.44%から2.5%前後まで高めるように努力している。

――人力資源の開発に力を入れる。中国は人材による強国戦略を進め、教育構造調整を速め、全面的に資質教育を実施し、義務教育特に農村の義務教育を重点的に強化し、職業教育を大いに発展させ、高等教育のレベルを高め、教育事業を大いに発展させ、高資質の勤労者と各方面の専門人材を育成するよう努力している。2006年から2010年にかけて、中等職業学校は2500万人の卒業生を、高等職業学校は1100万人の卒業生を社会に送り出す。2020年までに中国の高等教育の純入学率は約40%に達する。同時に、中国は海外の各種人材、特にハイレベルの人材を積極的に導入し、人材が輩出し、それぞれ才能を尽くすよいメカニズムと雰囲気をいちだんと形成し、現代化建設に強力な人材保障と知的支持を提供する。

――資源節約型と環境友好型の社会の建設に努力する。歴史的経験が立証しているように、世界経済のバランスの取れた秩序だつ順調的発展を実現するには、国際社会はエネルギーの問題をうまく処理しなければならない。中国は世界各国とのエネルギー対話と協力を通じて、共同で世界のエネルギーの安全と安定を守っている。中国はエネルギー資源節約を基本的国策とし、エネルギー資源の使用節約と利用効率向上を核心として、循環経済を大いに発展させ、できるだけ少ないエネルギー資源消耗でできるだけ大きい経済的効果と社会的効果を獲得する。中国は国内に立脚する方針を堅持し、国内のエネルギー供給をたえず増加している。中国はエネルギーの消費大国でもあれば、エネルギーの生産大国でもあり、1990年代から、中国のエネルギー自給率は終始90%以上を保っている。中国のエネルギー供給の潜在力は依然として大きく、石炭の確認済み埋蔵量の地質埋蔵量に占める比率が非常に低く、新しいオイル・ガス田を発見する可能性がまだあり、新しいエネルギーと再生可能エネルギーの開発の見通しは明るいものである。同時に、中国は環境保全という基本的国策を堅持し、生態環境保護に力を入れ、生態環境をちくじ改善し、経済と社会の持続可能な発展のために条件をつくり出している。中国は予防を主とし、総合的に整備することを堅持し、根源から汚染防除、環境保全を強化し、保護を優先的に行う秩序だつ開発を堅持し、不合理な資源開発の規制を重点に、天然資源の生態保護を強化している。

中国は確固として対外開放という基本的国策を実行し、対外経済技術交流と協力を積極的に発展させ、対外開放のレベルを全面的に高めている。中国はWHO加盟時の約束を真剣に履行し、対外経営管理体制と政策をたえず整備し、公平で予見可能な法制環境をつくり出し、市場をいちだんと開放し、投資と貿易の環境を最適化させ、貿易構造を改善し、貿易と投資の自由と便利の程度を高め、よりよい投資環境をつくり出し、企業が国外で投資し、所在国の企業と共に発展するのを奨励している。対外開放は中国の経済と社会の発展を推進する上で重要な役割を果たしている。中国は外資導入を通じて自国の発展資金の不足を補い、国際市場の十分な利用を通じて国内産業の発展を促進し、先進的な技術と設備および管理経験の導入を通じて企業の生産技術と管理水準を高め、対外交流の積極的な展開を通じて世界と共に人類文明の成果を分かち合い、人力資源の資質を高めている。

四、各国との互恵互利と共同発展を実現

中国の発展が世界から離れられないと同様に、世界の繁栄は中国を必要とする。中国は経済グローバル化の発展趨勢に順応し、より大きい範囲、より広い分野、より高い段階での国際経済技術協力への参与を堅持し、経済グローバル化を各国の共同繁栄に役立つ方向に向かって発展するよう積極的に推し進めている。互恵互利は当面の国際貿易発展の主流である。中国は互恵互利の対外開放戦略の実行を堅持し、自国の利益にも合致すれば、共同の発展も促進できることを各国との経済貿易関係を処理する基本的原則としており、平等、互利、互恵を踏まえて世界各国との経済貿易関係を発展させるのを堅持し、世界貿易の持続的増加にたえず貢献している。

中国は多国的経済貿易関係の発展と地域経済協力の推進に努め、国際経済貿易ルールの制定と実施に積極的に参与し、各国と共に協力の中に現れた相違と問題を解決し、世界経済の均衡的な秩序だった発展を促進している。

中国は多角的貿易システムの積極的な支持者と参与者である。2001年12月WTOに加盟して以来、中国は約束をかたく守り、国際経済技術協力展開のためにより良好な条件をつくり出している。中国は約3000件の法律、法規と部門の規則を整理、改正し、渉外経済法律システムをたえず完全なものにし、貿易政策の透明度をたえず高めている。中国は約束に基づいて関税税率をちくじ引き下げ、2005年、関税の平均税率はすでに9.9%に下がり、また大多数の非関税措置を廃棄した。銀行、保険、証券、代理販売などのサービス貿易分野では開放を加速し、WTO の分類した160余りのサービス貿易部門のうち、中国はすでにその62.5%を占める100余の部門を開放し、その比率は先進国のレベルに接近している。中国は新しいラウンドの多角的貿易交渉を積極的に推し進め、各項議題の交渉に全面的に参加し、農業、非農産物市場への進出許可、サービス貿易などの交渉では、多国間と二国間で一連の協議を展開し、発展途上国のメンバーと先進国のメンバーの相互の意思疎通を推進し、食い違いを減らす面で建設的な役割を果たした。中国はWTOのその他の加盟国とともに、交渉が実質的な進展をとげ、できるだけ早く共通の認識に達するように推進するために重要な貢献をした。

中国の地域経済協力参与はたえず深化している。中国・アセアン自由貿易区の建設は加速しつつあり、「早期収穫」農産物ゼロ関税措置の実施に次いで、2004年11月に「貨物貿易協定」、「紛争解決メカニズム協定」が正式に締結され、2005年7月から自由貿易区の減税が全面的に始動し、自由貿易区建設目標実現のための基礎を築いた。現在、上海協力機構は全面的な実務協力段階に入っており、貿易投資便利化は全面的にスタートした。中国はまた相次いで中国・アフリカ南部関税同盟、中国・湾岸協力委員会、中国・ニュージーランド、中国・チリ、中国・オーストラリア、中国・パキスタンなどの自由貿易区交渉を始め、関係諸国と自由貿易区協定を締結した。アジア太平洋経済協力機構(APEC)、中国・アフリカ協力フォーラム、中国・アラブ諸国協力フォーラム、アジア欧州首脳会議(ASEM)、大メコン川亜区域協力などでも、中国は積極的、実務的な参与者である。中国はまた150余カ国・地域と二国間貿易協定または議定書に調印し、110余カ国・地域と二国間投資保護協定を結び、80余カ国と二重課税防止協定を結んで、二国間貿易投資の自由化と便利化の積極的な参与者になった。

中国は互恵互利の方針を堅持し、貿易摩擦などの問題を善処し、各国との共同発展を促進している。国家間に貿易摩擦が存在することは国際経済往来の中の正常なことである。中国は国際慣例とWTOの規則を守り、平等対話の基礎の上でWTOの紛争解決メカニズムを利用して貿易摩擦問題を処理することを堅持し、国内経済政策を制定、実施する時は国際要素と国際影響を切実に考慮に入れ、中国の経済発展が外部世界に与える経済的影響を把握することに気を配っている。中国は自らの改革と発展の必要に基づいて、中国の人民元為替レート改革が周辺諸国・地域および世界の経済と金融に与える影響を真剣に考慮し、為替レート・メカニズムの改革を穏当に推し進め、市場の需給を基礎とし、パッケージ貨幣で調節、管理する変動為替レート制度を実行し、人民元為替レートを合理的、均衡的レベルで基本的安定を保っている。中国は知的所有権保護をたえず強化し、知的所有権保護の法律システムを健全にし、法律執行を強化し、各種の違法行為を厳しく取り締まっている。

たえず発展する中国は国際経済技術協力に積極的に参与し、世界各国にすばらしいチャンスと巨大な市場をもたらしている。各国特に先進国は投資とサービス貿易を通じて中国から多くの収益を獲得している。

中国が積極的に国際分業協力に参与することは、世界の資源の合理的、効果的配置に有利である。中国は世界最大の発展途上国であり、その豊富な、資質がたえず向上する労働力資源は、中国が労働集約型産業と一部の技術集約型産業を発展させる天然の強みとなっている。中国の経済と社会の発展と人民生活水準の向上につれて、中国の資本集約型、技術集約型、知識集約型の製品に対する需要はたえず増加し、外国の製品、技術、サービスの中国市場進出に多くのチャンスをもたらしている。中国はすでに国際に公認される大きな市場の一つになった。中国の貿易は多くの国と非常に強い相互補完性がある。中国がアメリカ、日本、EUに輸出する製品の70%は労働集約型の製品であるのに対し、アメリカ、EU、日本から輸入する製品の80%以上は資本集約型、技術集約型、知識集約型の製品である。新しい国際分業枠組みの中で、中国は世界産業チェーンの中の不可欠な重要な一環となっている。

中国の良質で安価な製品は、輸入国の市場ニーズを満たすと同時に、輸入国の支出とインフレの圧力を減らし、各国消費者の福祉を増やしている。中国の労働集約型製品は国際で独自の強みを持っている。1997年以来、中国商品のアメリカ市場進出につれて、アメリカ消費者は毎年少なくとも数百億ドルの支出を節約している。過去10年間に、中国製品はアメリカ消費者に数6000余億ドルを節約させ、2004年だけでも1000億ドル近く節約させた。

中国の互恵互利の対外経済貿易関係の不断の拡大は、中外双方に巨大な実際的な利益をもたらしている。1978年以来、中国の輸入は年平均16%以上増加し、WTO加盟後の3年間の過渡期に約1兆2700億ドルの商品を輸入した。2004年、中国はわずかアメリカとドイツに次いで世界三番目の大輸入国になり、輸入増加額は1484億7000万ドルに達し、世界輸入増加量の9%を占めた。2004年の中国とアメリカ、日本、EUとの貿易額はそれぞれ1696億ドル、1678億ドル、1773億ドルであり、EU、アメリカ、日本はすでに中国の三大貿易パートナーと外資の主要な出所になった。2004年、中国とアジア諸国・地域との貿易総額は6649億ドルに達し、前年と比べて34.2%増加し、中国の貿易総額の57.6%を占めた。中国はすでにアセアンの4番目の大貿易パートナーと成長の最も速い市場になった。

中国の巨大な市場は世界の資本に投資のチャンスを提供し、各国の投資家が中国経済の快速な発展のもたらす利益を分かち合えるようにしている。1990年から2004年にかけて、外国投資家が中国から自国に送金した利益金は2506億ドルに達した。2004年、中国にあるアメリカの投資企業は中国市場で750億ドルの売上高を獲得し、750億ドルの中国で生産した製品をその他の市場に輸出した。中国アメリカ商会が2005年に行った調査が顕示しているように、約70%のアメリカ企業は中国で利潤を獲得しており、約42%の企業が中国で獲得した利潤はその世界での平均利潤率を上回っている。

中国の対外投資の不断の拡大は相手国の経済と社会の発展にチャンスをもたらした。2004年末現在の中国の非金融類の対外直接投資は448億ドルに達し、149カ国・地域に及んでいる。そのうち、アジア諸国・地域に対する直接投資は同期の対外直接投資の75%を占める334億ドルに達した。

中国の対外経済貿易協力の展開は、巨大な潜在力と明るい見通しがある。WTO加盟以来、2001年12月から2005年9月にかけて、中国は毎年約5000億ドルの商品を輸入したが、これは関係ある諸国と地域のために約1000万の雇用ポストをつくり出した。今後の数年間の中国の毎年の輸入額は6000億ドルを上回り、2010年には1兆ドルを上回る。2020年になると、中国の市場規模と総需要は2000年より4倍増する。この過程において、世界各国は中国との互利協力の中から自らの発展のチャンスと巨大なビジネスチャンスを探し当てることができるが、これは世界経済成長の促進に対し重要かつ積極的な役割を果たすものである。

五、平和が永く続き共に繁栄する調和のとれた世界を構築

人類は地球という家しかない。平和が永く続き共に繁栄する調和のとれた世界を構築することは、世界各国人民の共通の願いであり、中国が平和的発展の道を歩む崇高な目標である。

調和のとれた世界は民主の世界、和睦の世界、公正な世界、包容の世界であるべきだと中国は見ている。

――民主と平等を堅持し、調和と協力を実現する。各国は「国連憲章」と平和共存五原則を踏まえ、対話、交流、協力を通じて国際関係の民主化を促進すべきである。各国内部の事は各国人民が自ら決定すべきであり、世界の事は各国が平等に協議して解決すべきであり、発展途上国は国際事務の中で平等な参与権と決定権を享有すべきである。各国は互いに尊重しあい、平等につき合うが、自己の意志を他人に押しつけることをせず、自国の安全と発展を他国の利益を犠牲にする基礎の上に築くことをしない。国際社会は一方主義に反対し、多角主義を提唱、推進し、国連とその安保理に国際事務における積極的な役割をよりよく発揮させるべきである。国際関係を処理する時は、各国人民の共通の利益から出発することを堅持し、利益の共通点を拡大するように努め、意思疎通を通じて理解を深め、理解を通じて協力を強化し、協力を通じて互利を実現すべきである。

――和睦と互信を堅持し、共同の安全を実現する。各国は手を取りあって共に世界の安全脅威に応対すべきである。冷戦についての考えを捨て、互信、互利、平等、協力を核心とする新しい安全観を樹立し、公平かつ効果的な集団安全メカニズムを通じて、共同で衝突と戦争を防止し、協力を通じてテロ活動、金融リスク、自然災害など非伝統的な安全問題の脅威をできるだけ取り除くかあるいは少なくし、世界の平和、安全、安定を守るべきである。平和な方式、平等な協議と交渉を通じて国際紛争と衝突を解決し、他国の主権を侵略する行為、他国の内政への干渉、武力行使または武力による脅威に共に反対すべきである。国際反テロ協力を強化し、根本問題と末節問題の同時解決を堅持し、根源の除去に重点を置き、断固としてテロリズムに打撃を与えるべきである。公正、合理、全面、均衡の原則にのっとって、効果的な軍縮と軍備制限を実現し、大量破壊兵器の拡散を防止し、国際核軍縮を積極的に推し進め、世界戦略の安定を守るべきである。

――公正、互利を堅持し、共同発展を実現する。経済グローバル化は公正を基礎とすることを堅持し、均衡的かつ秩序だつ発展を実現し、各国特に広大な発展途上国にあまねく利益を受けさせるべきで、南北の格差をこれ以上拡大するべきではない。経済グローバル化が共同の繁栄の実現に利する方向に向かって発展するように推し進めるべきで、先進国は世界の普遍的な、調和のとれた、均衡的な発展の実現のためにより多くの責任を負い、発展途上国は自らの強みを十分に利用して発展を推し進めるべきである。貿易と投資の自由化、便利化を積極的に推し進め、各種の貿易障壁を取り除き、市場をいちだんと開放し、技術輸出制限を緩め、公開、公正、合理、透明、無差別の国際多角貿易体制をつくり上げ、世界経済の秩序だつ発展のために良好な貿易環境をつくり出すべきである。国際金融システムをいちだんと整備し、世界経済成長のために安定した高効率の金融環境をつくり出すべきである。国際エネルギー協力と対話を強化し、共同でエネルギーの安全とエネルギー市場の安定を守るべきである。人権を積極的に促進、保障し、人々に全面的発展を平等に追求する機会と権利を享有させるべきである。発展のパターンを革新し、人と自然の調和のとれた発展を促進し、持続可能な発展の道を歩むべきである。

――包容と開放を堅持し、文明的対話を実現する。文明の多様性は人類社会の基本的特徴であり、人類の文明進歩の重要な原動力でもある。各国は互いに自主的に社会制度と発展の道を選ぶ権利を尊重し、互いに参考しあい、相手の長所を取り入れて自らの短所を補いあい、各国がそれぞれ自国の国情に基づいて振興と発展を実現するようにすべきである。異なる文明間の対話と交流を強化し、相互の疑惑と食い違いを取り除き、共通点を求め相違点を残す中で共に発展し、人類をいっそう仲良くさせ、世界をいっそう豊富多彩にさせるべきである。文明の多様性と発展パターンの多様化を守り、協力して各種の文明が融け合って共存する調和のとれた世界をつくり上げるべきである。

長年来、中国は平和、発展、協力の政策と主張を堅持し、独立自主の平和外交政策を堅持し、民主、和睦、公正、包容の精神に基づいて、建設的な役割を果たし、各国とともに実践して、調和のとれた世界を構築するという崇高な目標を打ち立てるように努力している。

中国は国際政治経済秩序が公正で合理的な方向に向かって発展するのを積極的に推し進め、国際関係の民主化を促進している。中国は「国連憲章」の宗旨と原則を遵守し、国連が国際多角的メカニズムの核心として国際事務の中で果たす重要な役割を重視し、多国間協力を通じて地域の衝突と発展の問題を解決するのを積極的に推し進めるとともに、国連が国際事務の中でより大きな役割を果たすのを積極的に支持している。国連の改革を支持し、国連の長期的利益と広大な加盟国の共通の利益を断固として保護する。中国は国際原子力機関(IAEA)を含む130余りの政府間国際機構に加盟し、「核不拡散条約」(NPT)など267の国際多角的条約に加入し、反テロ対策、軍備抑制、拡散防止、平和維持、経済・貿易、発展、人権、司法、環境など各方面で国際協力に積極的に参与している。

中国は実際の行動で周辺地域との善隣互信関係樹立を推し進め、地域の安全協力を促進している。中国は公認された国際法準則および平等協議、相互理解、相互譲歩の精神にのっとって、隣国との国境問題を妥当に解決し、紛争を解消し、安定を促進している。各国との共同努力を通じて、現在までに中国は12の陸地隣国と国境条約を締結し、歴史的に残された国境問題を解決した。中国とインド、ブータンとの国境問題はいま積極的な方向に向かって発展している。中国は地域安全についての対話と協力を積極的に推し進め、「アセアンと中国」、「アセアンと中国・日本・韓国」、上海協力機構、アジア太平洋経済協力機構(APEC)、ASEAN地域フォーラム、アジア協力対話などの地域メカニズムの中で、積極的かつ建設的な役割を果たしている。中国は「東南アジア友好協力条約」に加入して、中国とアセアン諸国との平和友好に新しい活力を注ぎ込んだ。

中国は国際と地域の一部のホットな問題を処理する上で建設的な役割を果たし、世界の共通の安全を促進している。朝鮮半島核問題については、中国は辛抱強く積極的に調停を行い、前後して3者(中国、朝鮮、アメリカ)協議と6者(中国、朝鮮、アメリカ、韓国、ロシア、日本)協議の開催を実現し、それを主催し、各側が共同声明を発表するのを推進して、半島の緊張情勢を緩和し、東北アジアの平和と安定を守る上で建設的な役割を果たしている。中東問題については、中国は関係各方面が国連の関係決議と「土地で平和と取り換える」原則に基づいて和平交渉を回復し、和平のプロセスを再開するのを支持している。イラク問題については、中国は国連の枠組み内で政治的に解決するのを積極的に提唱し、イラク問題の妥当な解決のために多くの働きかけを行った。イランの核問題については、中国は多種の方式を通じて協議を促進し、国際原子力機関(IAEA)の枠組み内でイラン核問題を妥当かつ平和に解決するようはかっている。中国は国連の平和維持行動への参与をたえず拡大し、これまで14の国連平和維持行動に軍事要員、警察、民事官員を延べ3000余人派遣した。

中国は最大の努力を尽くしてその他の発展途上国を援助し、各国が共に発展するのを促進している。長年来、中国は力の及ぶかぎり無私な援助を提供して、発展途上国が自主的発展の能力を増強するように援助している。現在までに中国は110余カ国・区域機構に援助を提供し、援助プロジェクトは2000余件に達した。中国は44の発展途上国の総計198件に達する総額約166億元の債務を減免した。2005年5月、中国国際貧困脱却扶助センターが北京で正式に発足した。2005年9月、国連創立60周年記念サミットの資金調達ハイレベル会議の席で、中国の国家主席は中国がその他の途上国に対する援助を強化する新しい措置を明らかにした。これらの措置はつまり中国と外交関係を樹立した39の後発途上国に部分的商品ゼロ関税の待遇を与え、優遇の範囲はこれら諸国の多くの対中国輸出商品を含めること、重い債務を負っている貧しい国と後発途上国に対する援助の規模をさらに拡大し、双方のルートを通じて、今後の2年内に中国と外交関係を樹立し、重い債務を負っているすべての貧しい国の2004年末以前に期限が切れても返還していない無利子と低金利の政府借款を全額免除するかあるいはその他の処理方式で取り除くこと、今後3年内に発展途上国に100億ドルの優遇貸付と特恵輸出買い手クレジットを提供して、発展途上国を助けて基礎施設の建設を強化し、双方企業の協力を促進すること、今後3年内に発展途上国特にアフリカ諸国に対し、関係援助を増加し、マラリア防止の特効薬品を含む薬を提供し、それらの国を助けて医療施設を設立、改善し、医療関係者を育成すること、今後3年内に発展途上国のために各種の人材を3万人育成、訓練し、関係諸国を助けて人材の育成を速めることなどである。

中国は各種の文明との交流と対話をたえず強化し、異なる文明の相互包容を促進している。開放、包容、まるごとの受け入れは、中華文明の重要な特徴である。経済グローバル化の趨勢が深化発展している今日、中国は異なる文明間の対話の重要な意義、つまり積極的に世界に出て、世界に中国を了解させることもすれば、その他の文明の有益な成果をも吸収し、参考にするように努めることをいっそう意識している。ここ数年来、中国と関係諸国が共同で行ったいろいろな形式の「文化週間」、「文化ツァー」、「文化祭」、「文化年」などの活動は、中国人民と関係諸国人民との交流と理解を促進し、異なる文明間の平等な対話のために新しい形式を切り開いた。

結びの言葉

中国は当今の世界最大の発展途上国である。13億の中国人民が平和的発展の道を歩むことは、疑いもなく人類の平和と発展の崇高な事業にきわめて重要かつ積極的な要素を付け加えている。

中国政府と中国人民は、中国がまだ発展途上国であり、発展の途上で依然として多くの困難と問題に直面しており、中国の現代化建設がまだ長い道を歩まなければならないことをはっきり知っている。平和的発展の道を歩むことは中国人民の根本的利益に合致し、人類社会の発展、進歩の客観的要求にも合致している。中国は現在平和的発展の道を歩んでいるが、将来強大になっても平和的発展の道を歩むものである。中国政府と中国人民の平和的発展の道を歩む決意は確固不動なものである。

中国政府と中国人民はまた、現在、世界の平和と発展という二大問題が依然として根本的に解決されていないことをはっきりと見てとっている。さまざまな原因でもたらされた局地戦争と衝突が依然として存在し、地域のホットな問題が入り組んでいる。伝統的な安全脅威と非伝統的な安全脅威の要素が互いに混じりあっている。南北の格差がいちだんと大きくなり、一部諸国の人民の基本的生存が保障されていない。人類が平和が永く続き共に繁栄する調和のとれた世界を構築することはまだまだ任重くして道遠しであり、各国人民が長期にわたりたゆまずに共同努力する必要がある。

新しい世紀は明るい見通しが見られ、人類社会がかつて見ない速さで前進し、発展している。中国はすでに今世紀の最初20年の努力目標を明確にした。つまり全面的に十数億の人口に利益をもたらすような高いレベルでいくらかゆとりのある社会を建設し、経済をいっそう発展させ、民主をいっそう健全にし、科学と教育をいっそう進歩させ、文化をいっそう繁栄させ、社会を更に調和させ、人民生活をいっそう豊かにすることである。その時になれば、中国は必ず人類の平和と発展の崇高な事業により大きく貢献するであろう。