2006 No.11
(0306 -0312)
 

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北京市、2008年にゴミ無害化処理率98%
を達成

蘭辛珍

北京市の住宅団地には1000カ所以上に密閉式のゴミ収集所が設けられている。面積は約50平方メートル。十数個の鉄製の大型桶が置かれており、住民はゴミをその中に入れておく。清掃会社のゴミ収集車が来るのは毎朝6時半ごろ。これらのゴミはまず中継センターに運ばれ、一次処理される。

北京市政府はその日のゴミは当日に処理するよう呼びかけている。全市の日間ゴミ量は約1万1500トン。収集・処理は清掃会社3社が請け負っている。

中継センターに運ばれたゴミは計量後、倉庫に降ろされ、それから倉庫の底部に据え付けられたベルトコンベヤーで選別場に送られる。選別場にはAラインとBラインがある。混合ゴミは直径が60ミリ、15〜60ミリ、15ミリ以下の3種類に分別。60ミリ以上のボトルペットなどはAラインで圧縮場に送り、圧縮後にコンテナに詰め込まれる。60ミリ以下の廃棄金属や紙コップ、小石などはBラインに載せる。金属はベルト上部に据え付けられた磁気選別機に吸い付き、個別に回収される。

残ったゴミは細分別処理用の震動篩に載せられる。直径15ミリ以下の小石や15ミリ以上の紙コップなどはここで分別された後、ベルトコンベヤーで分類コンテナに。選別からコンテナ収納までおよそ30分。15〜60ミリのゴミの一部は堆肥処理され、60ミリ以上と15ミリ以下は埋め立て処理される。

北京市では主に埋め立てでゴミを処理している。また堆肥処理のほか、焼却処理もしているが、医療廃棄物が主体だ。現在、処理方法に占める比率は、埋め立てが89.6%、堆肥処理は5.8%、焼却は4.6%。無害化処理率は94%に達している。

北京市環境保護局によると、ゴミの無害化処分率は、今年は96%、2007年に97%、2008年には98%を目指しているという。

市内8区と近郊の大型住宅団地には、すでに完備されたゴミ処理管理システムがほぼ構築されている。正規の無害化ゴミ処理場は18カ所を数え、うちゴミ中継センターは4カ所、埋め立て場9カ所、堆肥工場3カ所、焼却場は2カ所。日間ゴミ処理能力は8800万トン。

北京市ではゴミの排出量は年間約2%ずつ増加している。2008年には生活ゴミは日間1万2000トン、年間で438万トン、医療廃棄物は日間60トン、生ゴミは1200トン前後に達すると見込まれている。

北京市市政管理委員会の梁広生氏は「今年と来年にかけて、百億元近くを投じてゴミ処理施設を建設する。処理は市場化管理モデルをもとに実施していく」との方針を明らかにした。

この建設では、南部郊外にある馬家楼ゴミ中継センターでの廃棄プラスチック選別の新技術「風選」の採用が重点になるという。新技術は分類されていない混合ゴミから軽量のゴミを吸い込み、そこから廃棄ビニール袋を取り出すというもの。沈下・集塵を経て、廃棄ビニール袋はリサイクル企業が引き取ることになっている。新技術は分別する必要がなく、ゴミは一連のプロセスを通じて大小、軽重をもとに選別される。

ビニール袋選別システムの構築は、北京市で2番目。最初のシステムは小武基ゴミ選別中継ステーションに導入された。稼動して1年以上になり、現在、毎日1000トンのゴミから5〜6トンにのぼる廃棄ビニール袋が選別されている。ビニール袋は1トン当たり200元でリサイクル企業が引き取っているが、それまでは全て埋め立て処理されていた。

北京市はすでに規模最大となる阿蘇衛都市生活ゴミ総合処理場の工事に着工。投資総額は2億7000万元。完成後、日間ゴミ処理能力は7ポイント上昇し、処理量は同1万1800トンになる見込み。

北京市は住宅団地の生活ゴミを地元で処理する計画で、現在、市内250カ所で試験的に実施している。新街口外大街の団地。約1000世帯が住み、毎日出るゴミ量は1500キロ。ゴミは住民が大まかに分類した後、古新聞や使用済みビニール袋など再生可能な30%は、清掃担当者がリサイクルセンターに直接運び、残りの生ゴミなど70%は処理機で粉砕・脱水し、生物菌で分解・発酵させた後、有機肥料として団地の緑化に再利用している。

北京市はゴミの無害化処理率の目標を達成するため今後、ゴミ焼却場1カ所、埋め立て場2カ所、ゴミ総合処理場7カ所を建設する予定。