国家自然科学基金、国家の自主革新能力向上に重点
国家自然科学基金委員会第5期第3回全体委員会がこのほど開催された。「第11次5カ年計画(2006〜2010年)」期に、同基金は、独自性を重視する「源頭革新」戦略を堅持し、最先端の科学技術を発展させるとの国家戦略に基づき重要な科学分野の発展計画を綿密に練り上げて、国家の自主革新能力を高めていく方針をとっている。
「源頭革新」戦略を推進するため、同委員会は具体的に次のような措置を講じる予定。科学者の経済支援を一段と強化するとともに管理体制の改善を図り、創造力を大いに発揮できるような自由な環境を作り出す。プロジェクトの自由申請を支持し、非公認プロジェクトの保護にも努める。その他、リスクの大規模の開発研究に対しても支援する。また、重点プロジェクトや重要研究計画を設けることで、その分野でる大きな成果をあげることを目指す。
国家の基礎研究を支援するため、科学基金は同期間中、(1)「源頭革新」戦略(2)科学技術人材戦略(3)革新環境戦略(4)卓越管理戦略といった4方面の戦略を実施し、中国の独自性を強めていく方針だ。また、自主革新に有利な条件を多く提供し、基礎研究の発展環境を整える。その他、科学的発展観にのっとった戦略を策定し、各学術分野の均衡と調和の取れた発展を支援したり、重要な科学分野や国家の重点発展戦略を考慮した上で、基礎性があり、発展の可能性の高い優先分野を明確にする。
また、優れた青年研究者を支援する制度作りも積極的に模索し、学術エリートの育成を続けていく。同期間中、「傑出(優秀な)青年科学基金」では青年研究者約900人、青年科学基金プロジェクト約2500件、科学人材育成拠点約100カ所を支援する。その他、自主革新を行える環境を整えると共に、社会一般の基礎研究に対する理解を深め、科学基金の評価システムを改善する。また、国際交流・協力を積極的に展開して科学技術を共有し合い、国家の自主革新に有利な条件を提供する。また、科学基金の管理システムや運営体制の改善に努め、資金の有効な使い道を保証する。
国家は今年、自然科学基金に対し05年比25.9%増の34億元を予算計上している。国家の基礎研究を発展させるため、同委員会は今年、38〜40億元の資金援助をする計画だ。
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