2006 No.14
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>> 中日交流

詩吟を中日友好の架け橋に

上海では1996年から、毎年秋に国際詩吟会が開かれるようになった。日本各地から愛好家が訪れ、豫園の古劇台や三山会館、松江方塔、上海音楽庁、魯迅公園、虹口体育館などで上海の愛好家と一緒に詩を吟じる。「一衣帯水相磋切、中日同吟詩友情」。詩吟会は会を重ねるごとに実績を上げてきた。上海の著名な文化人である夏征農、杜宣、程十発、余秋雨、謝晋、陳逸飛ら各氏が題字を寄せ、時には会に顔を出す。在上海日本総領事館の総領事もこれまでに3度参加。詩吟会に参加する観光ツアーも開設されており、上海の対外文化交流の一翼を担う存在だ。

上海国際詩吟会を主宰するのは于強氏。北京大学で国際政治を学んだが、その後、作詞と詩吟に深く係ることになる。安徽省馬鞍市で対外弁公室主任と観光局長を務めていた間、1989年に中日詩吟会を発足。95年に上海に転勤した後、日本の友人に請われて1996年に上海に中日詩吟会を設立した。後に国際詩吟会に改名。上海観光フェスティバルにも参加しており、毎年秋、時には春にも会を催している。

「日本の詩吟愛好家は数百万人にのぼると言われる。日本吟詠協会々長である哲泉流の黒川哲泉氏が手紙で、日本の漢詩愛好家は380万人いると教えてくれたが、実際はその数字を大幅に上回るだろう。日本では各地に詩吟教室があり、彼らは漢詩を学んでいる。詩吟の大半は漢詩だ。漢詩は中国から日本へと伝わった。中日の間で詩吟の交流を行えば、中国の伝統文化を発揚できるばかりか、文化交流を促進できる。人民間の友好も増進できるので、詩吟を中日友好の架け橋にしたい」。于強氏はこうした願いを胸に抱きながら、上海国際(中日)詩吟会の開催に全力を尽くしている。

上海国際(中日)詩吟会は上海詩詞学界の古老が指導し、上海京劇院の演出家である宋宝琴氏が舞踏総監を務める。中国側の詩吟に伝統性を残すことに力を入れているが、それでも刷新性と活発性が見られる。中国側は毎回、伝統的な詩吟のほかにも、暗誦や詩舞、楽器などで古詩の境地を表現する演目を披露している。舞台に上がるのは詩吟愛好家、著名な俳優、団地の合唱団、小中学生、園児など実に幅広い。青少年や園児の生き生きした天真爛漫は演技にはいつまでも拍手が止まず、日本の詩友は中国の層の厚さを感じ取る。上海復旦大学で学ぶ肌の色の異なる留学生も古詩を吟じ、日本の代表団による詩吟で会は最高潮を迎える。

2004年10月、于強氏は団を率いて伊勢崎市の上武詩吟会・岳風会の大会に参加し、暗誦や詩舞など精彩に富んだ演技を披露。上海の詩吟愛好家は外国で成功を収めた。

上海国際(中日)詩吟会は上海市虹口区人民政府、上海市対外文化交流協会などの支援を受け、各方面の人士で構成する詩吟同好会を結成、会員数は拡大しつつある。海外関係では、日本の関心流や哲泉流、神風流、聖風流、九重流、岳風会、吟道学院、関西詩吟文化協会、吟剣詩舞連名、北海道漢詩人協会など多くの詩吟組織の本部または支部と長期にわたる緊密な関係を確立。また于強氏は、日本の一部詩吟会の会長や詩友と長年の交友を結んでおり、一部の詩吟グループは2、3年おきに上海を訪れて会に参加している。このように、詩吟は中日人民友好の紐帯として、中日の民間交流史で大きな役割を果たしている。

上海国際(中日)詩吟会は組織として拡大し続けている。上海錦江集団とJTBの合弁企業である上海錦江国際JTB会展有限公司も同組織に参与。今年9月24日には、上海虹口機関文化体育活動センターで大会が開かれる予定だ。