中国国有企業の昨年の赤字、過去2番目の1026億元
昨年、中国の国有企業では赤字額が前年比56.7%増の1026億元に達し、増加率が前年より49.1ポイント上昇した。1998年の巨額赤字の水準に近く、過去2番目の多さで、増加率はこの16年間で最高となった。
国家統計局から得た情報によると、国家統計局高級統計専門家の江源氏はデータを分析し、国有企業の利益低下の主要な原因として次の4点を挙げている。
1、製品のコストがかなり大幅に上昇した。昨年の国有および政府過半出資企業の売上高は前年比20.5%増だったのに対し、販売コストは22.8%増で、売上高の伸び率を2.3ポイント上回った。エネルギー、原材料の価格がかなり大幅に上昇し、多くの川下業種の企業がコスト大幅上昇の大きな圧力を受けた。主要39業種をみると、29業種の販売コストの増加率が売上高の伸び率を上回り、半数の業種で利益率が下がった。特に自動車、化学工業、電子などの規模の比較的大きな業種の利益率が著しく低下し、国有および政府過半出資企業の利益にかなり大きなマイナスの影響を与えた。
2、価格メカニズムがまだ整っていない。一部の資源製品と公共製品の価格は政府のコントロールがかなり多く、市場メカニズムによる価格調整の仕組みがまだできてないため、関連業種の利益が大幅に下がっている。石油加工業をみると、原油価格が上昇したのに対し、国内の石油製品の価格の上昇率がかなり低い。さらに昨年7月以降、石油製品の値上げが凍結されたため、石油加工業は昨年、220億元の赤字となった。
3、生産能力過剰の影響が出始めた。この数年、鉄鋼、電解アルミ、鉄合金、コークス、カーバイド、自動車、銅製錬などの業種の過剰投資の結果、生産設備が集中的に稼動することになり、供給が需要を上回り、製品の価格が低下し、設備の運転コストが上昇した。
4、コア技術がないことも国有企業の利益低下の重要な原因となっている。特に通信設備、コンピューターおよびその他電子設備の製造業で顕著にみられる。昨年、この業種の国有および政府過半出資企業の利益が前年比62.1%減の31億元と大幅に減少したのに対し、非国有企業の利益は10.3%増えた。国産携帯電話製造業全体の赤字は16億元で、04年の赤字の5倍近くに達した。携帯電話のコア技術を保有していないために、国産携帯電話の市場占有率(シェア)はわずか2年で60%以上から40%足らずまで下がり、低下速度は上昇速度と同じように速かった。
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