2006 No.21
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>> 経済

公共サービスの均等化が中国地域
政策の新たな方向性に

従来の地域間経済規模格差の抑制から、異なる地域間の公共サービスと住民の収入レベル格差縮小への転換、これが、中国が地域政策枠組みを策定する際の重要な指導原則となっている。

これは国家発展・改革委員会マクロ経済研究院の王一鳴副院長がこのほど開幕した「中国−EU地域経済発展シンポジウム」で述べたもの。「内陸部の未発達地域が沿海の発達地域と同じように経済発展水準を追及する必要はないが、受けられる公共サービスの水準は東部地域と同じであるべきだ」と同氏は語る。地域間の公共サービス均等化の実現には、政府が市場で一定の機能を備える経済調節分野から撤退し、公共製品や公共サービスの提供へと転換すること、財政資金を営利分野から撤退させ、教育や医療などの公共事業に投入すること、そして財力の成長に合わせて移転支出の規模を拡大することが必要だ。同氏によると、中国の地域政策は、地域間経済規模と成長速度の格差をコントロールするようになってから多くの矛盾や問題が発生したのだという。例えば人口流動が経済の集中・分散に追いつかず、地域間の収入格差が拡大した点や、産業発展とエネルギー、資源分布の不均衡が資源の大規模な地域間流動を招いた点、公共サービス水準の格差が広がっている点などだ。

第11次5カ年計画(2006〜2010年)は市場作用を発揮させるということから、各地域の公共サービスの均等化と住民収入レベルの格差拡大を抑制し、経済社会の発展と人口資源環境が協調して発展するよう強調している。同氏は、今回の地域政策調整が21世紀の中国の地域発展に重要な影響を与えると捉えている。