2006 No.21
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両岸の協力は経済貿易を先行

海峡両岸は数多くの政治問題で依然として膠着状態に置かれているが、初の「両岸経済貿易フォーラム」が円滑に開催されたことで、大陸と台湾の経済貿易面での往来促進に向け新たな場ができ上がった。

陳 文

第一回両岸経済貿易フォーラムは双方が期待する中、4月14日に北京で開幕した。このフォーラムは、昨年4月に中国共産党中央委員会の胡錦涛総書記と初めて大陸を訪問した中国国民党の連戦主席(当時)が合意した「両岸の平和と発展に関する共同の願望」の重要な内容の一つであり、昨年8月か、9月に台北で開かれる予定であったが、台湾当局の妨害により、中国共産党中央台湾工作弁公室の陳雲林主任ら61人からなる大陸代表団の台湾入りが「許可されなかった」ため開くことができなかった。後に国民党の提唱で、国共両党はフォーラムの開催地を北京に変更することを決定した。このように紆余曲折を経たことから、フォーラムの円滑な開催は決して容易なことではなかったと言えよう。

フォーラムには、中国共産党と国民党、親民党、新党の代表や両岸の企業家、経済専門家、学者ら400人以上が出席した。会議は二日間にわたる討議を経て7項目の共同提案で合意し、閉幕式では中国共産党中央台湾工作弁公室の陳雲林主任が権限を受けて、両岸の交流と協力を促進し、台湾同胞に恩恵を与える大陸が最近打ち出した15項目の政策・措置を読み上げた。

今回のフォーラムに参加するために台湾代表団を率いて北京を訪れた中国国民党の連戦名誉主席は閉会式の記者会見で、「大陸側が打ち出した15項目の政策・措置は広範囲にわたり、予想を超えるものだった」との考えを示した。同党の呉伯雄副主席は、陳云林主任が発表・告知した15項目の新たな措置について「台湾民衆は大陸側の善意として受け止めるだろう」と語った。

この15項目の措置は、農業・漁業関連7項目、医療衛生関連4項目のほか、教育や観光、台湾同胞の大陸往来、台湾同胞の大陸での通関担当官資格取得などに及んでいる。

香港の「明報」は「これらの農業・漁業に関する条項は台湾南部の陳水扁氏支持者の基盤を揺るがすだけでなく、社会主義の新農村建設という大陸の策略にも符合するものだ」と指摘する評論を掲載した。さらに同紙は「大陸が胡錦涛氏の訪米前にこの大きな贈り物を送ったのは、大陸に両岸の経済貿易と人的交流を推進する誠意があることを米国に示す意図があるからである。台湾海峡の現状維持、という圧力が陳水扁氏によりかかるのは間違いない」と論評している。

中国新聞社の報道によると、徐州台湾ビジネスマン協会の張冠中会長は「大陸が台湾の大学の学歴を認めることによって、台湾の卒業生も大陸で資格試験を受験したり、専門要員になれることは、就職の機会の少ない台湾の若者にとって大きな活路となるだろう。また、台湾の一部の水産物の輸入と販売にゼロ関税を実施し、台湾の主管官庁が発行する衛生証明書の提出を求めないことは、苦しい台湾漁民にとって大きな助けとなり、それは大きな市場を開放することでもあり、非常によい事だ」と語っている。

北京市台湾資本企業協会の謝坤宗会長は「新たな措置には、大陸の病院は今後、受診した台湾同胞が台湾で医療費返還を請求の要件にかなった書類を提供することが盛り込まれている。この措置は非常によく、台湾ビジネスマンの大陸での受診の利便性向上に役立ち、大陸での生活を大きく改善できるものであり、非常に有益なことだ」と述べている。

共同提案

第一回両岸経済貿易フォーラムは中国共産党中央台湾工作弁公室海峡両岸関係研究センターと中国国民党国政研究基金会が共催した。閉幕式で、中国共産党中央台湾工作弁公室の李炳才副主任は「両岸経済貿易フォーラムの共同提案」を読み上げると共に、「胡錦涛総書記と連戦主席が昨年4月に合意した『両岸の平和と発展に関する共同の願望』を着実に実施する重要な措置として、このフォーラムの開催は国共両党の交流が深まっていることの表れだと見られている」と指摘している。

共同提案は経済交流と協力の促進、直行便開設の積極的な推進、農業交流と協力の促進、金融交流の強化、台湾のその他のサービス業の大陸市場への進出の奨励と支持、大陸住民の台湾観光実現の推進及び安定した経済協力メカニズムの構築に関する共同検討など7項目に及ぶ。

台湾の立法委員で、国民党代表の侯彩鳳女史は「今回のフォーラムに出席した他の32名の立法委員とともに、フォーラムで討議された意見を台湾当局に報告することにしている。また共同提案が最終的に実現できるかどうかについては、少なくとも5割か6割の自信がある。野党と立法委の圧力を受けて、台湾当局は姿勢をある程度緩めており、定期便の開設はすでに計画に盛り込まれた。これまでのチャーター便の運航は旧正月だけだったが、今後はそれ以外の祝日や西洋の祝日にまで拡大されるだろう」と語っている。

連戦主席の子息で、国民党中央常務委員の連勝文氏も「このフォーラムの結論に実行力はないとは言えず、少なくとも台湾当局には大きな圧力となるだろう。共同提案は正義のものであり、双方とりわけ台湾側に有利だからだ」と述べ、共同提案の実施に自信を示した。

立法委員で、国民党代表の丁守中氏は「フォーラムの共同提案の着実な実施を促進するには、二つの面から見る必要がある。大陸側にはより多くの開放された具体的措置を期待する一方、台湾側としても私は直行便の開設を推進していくつもりだ。私の知るところでは、フォーラムの開催直前、民進党政権は業績を競い合うため一部について公約をしている。従って、共同提案の真の実施は早まるだろう」との考えを示している。

フォーラムが終了した翌日の4月16日、国家旅遊局と公安部、国務院台湾事務弁公室は共同で「大陸住民の台湾地区観光に関する管理弁法」を公布するとともに、同日から施行した。

報道によると、同弁法は、昨年4月に胡錦涛総書記と連戦主席が合意した重要な共通認識を着実に実施するためのものであり、大陸住民の台湾観光の早期実現を推進し、両岸の人的交流を絶えず拡大し、経済関係の健全かつ安定した発展を促進し、台湾の観光業界に実際的な利益をもたらし、台湾の民衆に実際的なメリットを与えると同時に、大陸住民の台湾観光の管理を強化し、大陸住民の台湾観光の健全で秩序ある実施を保障するためのものである。

「大陸住民の台湾地区観光に関する管理弁法」は17条からなり、大陸住民の台湾観光は指定された大陸の旅行社が団体を組織する会社として組織し、旅行団の形で全員が一つの団として往復すると規定している。団体組織会社は国家旅遊局が関係機関と共同で、すでに海外観光業務取り扱いの認可を得ている旅行社の中から指定する。大陸住民を受け入れる台湾地区の旅行社、即ち受け入れ会社も大陸の関係機関と国家旅遊局の認定を受けなければならない。

同弁法はまた、大陸住民の台湾観光では割り当て制度を実施し、割り当ては国家旅遊局と関係機関が確認した後、団体組織会社に通達すると規定している。団体組織会社は大陸住民の台湾観光業務を行う前に、受け入れ会社と契約に署名し、協力関係を結ばなければならない。団体組織会社は各旅行団に添乗員を随行させなければならず、添乗員は専門の研修、試験を受け、台湾観光添乗員証明書を取得しなければならない。大陸住民は有効な「大陸住民の台湾地区往来通行証」と台湾地区への観光ビザを所持しなければならない。

新華通信社は「すでに昨年の5月3日、大陸は近いうちに大陸住民の台湾観光を許可すると発表していた。『大陸住民の台湾地区観光に関する管理弁法』は大陸側が大陸住民の台湾観光を推進するために打ち出したいま一つの実質的なステップである。これにより、大陸住民の台湾観光はすでに『万事備わったが、ただ東風に欠ける』ことになった。『東風』とはほかでもなく、台湾側が島内の観光業界に権限を与えて、できるだけ早く大陸の『海峡両岸観光交流協会』と協議させて調整を図るというものだ」との論評を発表した。

議題に関心

二日間の会期中、代表たちは両岸の農業や観光、金融業界の交流と協力及び両岸の「三通」(通商、通航、通信)と直行便の開設などについて熱心に討論した。

多くの代表は「大陸はすでに台湾にとって最大の輸出市場、最大の貿易黒字相手となっており、台湾は大陸にとって第二の輸出市場となっている」と指摘している。

海峡両岸経済貿易交流協会の唐?副会長は「ここ数年、両岸の貿易額は安定して伸び続けている。昨年の貿易額は前年より16.5%増の912億3000万ドルに達した。その内訳は、輸出額が165億5000万ドルで前年比22.2%増、輸入額は746億8000万ドルで前年比15.3%増となっている。双方は「三通」を着実に推進し、経済貿易面での交流を積極的に促進していく」と強調している。

国政研究基金会科学技術経済グループの政策委員で、台湾政治大学経済学部の林祖嘉教授は「直行便が実現すれば、双方は310億台湾ドルのコストが削減できる」と予測している。

農業問題については、代表たちのほとんどが、大陸が台湾の一部の果物の輸入にゼロ関税を実施する措置は台湾の農家にとって何よりのニュースだ、と考えている。国政研究基金会の顧問・呉同権氏は、大陸側が果物の輸入を引き続き拡大するとと共に、大陸と台湾が種子の交換を引き続き行うことに期待を示した。同時に、台湾の零細農家の企業化に関する経験は大陸農家の参考となるとも」と語っている。

金融サービス分野の交流と協力は今回のフォーラムでホットな話題の一つとなった。WTO加盟の公約に基き、大陸は今年末までに金融市場を全面的に開放するため、台湾の業界はより早く大陸に進出し、金融市場でシェアを占めたいと考えているからだ。

清華大学経済管理学院の宋逢明教授は「現在、両岸の金融面での往来は両岸の経済貿易に利便性と必要な金融サービスを提供するまでには至ってはいない」と指摘した。同時に、金融協力のために交流する場が欠けている、金融統計と会計基準及び金融関連法規が異なっている、台湾当局の思考に偏りや誤りがある、人為的な障害を設けている、といった現在ある問題点を分析し、「台湾当局が人為的な障害を設けていることが両岸の金融交流に影響を及ぼす最大の障害だ」と強調した。

国務院発展研究センター金融研究所の巴曙松副所長は「両岸の金融市場の開放はアンバランスであり、大陸側の台湾金融機関に対する開放の度合は、台湾側のそれをはるかに超えている。台湾当局がいまだ大陸の金融機関による台湾支店の設立を許可していない中、大陸側は依然として両岸の金融協力を積極的に推進し、台湾の金融業者の大陸での発展を奨励、歓迎してきた。2005年までに大陸に開設された台湾金融機関の代表事務所は、銀行7カ所、証券会社14社の24カ所、保険会社11社の15カ所を数えるが、保険の合弁会社は1社に過ぎない。しかし反面、台湾側は大陸の金融機関の進出に対して終始、厳しい審査・認可体制を維持している。大陸側が2003年に上海浦東発展銀行、招商銀行、興業銀行、香港工商銀行の4社による台湾事務所の開設を認可したものの、いまだ実質的な進展は見られない。しかも、大陸進出を目指す台湾の金融機関と金融業務についても台湾当局の審査・認可はかなり厳しい」と指摘している。

二度の「胡・連会談」

昨年4月末に連戦主席が初めて大陸を訪れた後、胡錦涛総書記と連戦主席は一年もたたないうちに再び会談した。

今回の「胡・連会談」では、胡錦涛総書記は両岸関係の平和的な発展の推進について、(1)「九二の共通認識」を堅持することは、両岸の平和的な発展を実現する重要な基礎である(2)両岸同胞の福祉を図ることは、両岸関係の平和的な発展を実現する根本的帰結である(3)互恵と双方の利益に基づく交流と協力を深めることは、両岸関係の平和的な発展を実現する有効な方途である(4)平等な話し合いを展開することは、両岸関係の平和的な発展を実現する上で必ず通らなければならない道である――とする4項目の重要な提案を打ち出した。

オブザーバーは「15項目の新たな措置は台湾同胞が関心を寄せる重要な問題に対応したものであり、胡錦涛総書記が16日に打ち出した新たな「4項目の提案」は今後の両岸関係の発展に方向性を明示し、両岸同胞が共に奮闘する目標を明確にしたものであり、両岸関係の発展に深遠な影響をもたらすだろう」と指摘している。

両岸問題専門家の徐博東氏は「今回の胡・連会談は大きな意義がある。両岸の主流となる民意を再度突出させるだけでなく、『平和的な発展』という主旋律もって、陳水扁氏をはじめとする『台湾独立』勢力による『国家統一委員会』の運営と『国家統一綱領』の実施の強行廃止や、急進的な『台湾独立』路線の推進といった雑音を抑えることになる。両岸関係をめぐる主導権争いで『台湾独立』勢力は再び失敗を喫するだろう」と論評している。

参考資料

両岸の平和と発展に関する共同の願望

2005年4月26日から5月3日まで、胡錦涛中国共産党中央委員会総書記の招きに応じて、連戦中国国民党主席(当時)は国民党大陸訪問団を率いて大陸を訪問した。胡錦涛総書記と連戦主席は4月29日に北京で会談し、両岸関係の改善と発展を促進するという重大な問題及び両党の交流について幅広く突っ込んだ意見交換を行った。会談の後、胡錦涛総書記と連戦主席は「両岸の平和と発展に関する共同の願望」を共同で発表した。内容は以下の通り。

1、両岸の交渉をできるだけ早く再開するよう促し、両岸人民の福祉を共に図る

両岸が「九二の共通認識(コンセンサス)」を踏まえて平等な話し合いを早急に再開し、双方がともに関心を持つ問題およびそれぞれが関心を持つ問題について協議し、両岸関係の良好で健全な発展を促進する。

2、敵対的状態を終結させるよう促し、平和協定に調印する

両岸の敵対的状態を正式に終結させるよう促し、平和協定に調印し、軍事面における相互信頼メカニズムを構築し、両岸の軍事衝突を回避するなど、両岸関係の平和で安定して発展する枠組みを構築する。

3、両岸の経済の全面的交流を促進し、両岸の経済協力メカニズムを構築する

全面的、直接、双方向の「三通」(通航、通商、通信)の実現、海・空の直行便の開設、投資と貿易の往来および保障の強化、農・漁業協力の推進、大陸での台湾農産品販売に関する問題の解決、交流秩序の改善、犯罪の共同取り締りなど、両岸の全面的経済協力を促進し、密接な経済貿易協力関係を構築する。さらに安定した経済協力メカニズムを構築するとともに、両岸の協議再開後に両岸共通の市場問題を優先的に討議するよう促す。

4、台湾民衆が関心を寄せる国際活動への参与に関する問題の協議を促進する

両岸の協議再開後、世界保健機関(WHO)の活動への参与に関する討議を優先するなど、台湾民衆が関心を寄せる国際活動への参与に関する協議を促進する。双方が共に努力し、条件を整えることで、最終的な解決策を逐次模索する。

5、政党間で定期的に意思疎通を図る場を確立する

各層の党員による相互訪問を行い、両岸関係の改善に関する問題ついて検討し、両岸同胞に密接に関係する利益に関する問題について協議し、各界人士に参加を要請して、両岸交流を緊密化する措置について組織的に協議するなど、両党が定期的に意思疎通を図る場を確立する。

両党は、今回の訪問と会談の成果が両岸同胞の福祉の増進に役立ち、両岸関係の新たな展望を切り開き、中華民族の未来を創造するよう希望する。

台湾同胞に恩恵を与える大陸側の15項目の政策・措置

中国共産党中央台湾工作弁公室の陳云林主任は両岸経済貿易フォーラムの閉幕式で、権限を受けて、「両岸の交流と協力を促進し、台湾同胞に恩恵を与える大陸側の15項目の政策・措置」を発表、告知した。15項目の措置は二つの部分からなり、一部は国務院が認可、実施し、一部は国務院の関係機関が認可、実施する。

国務院の認可を得た3項目の政策・措置は次の通り。

1、台湾農産物の大陸での販売を拡大するため、今年5月1日より、台湾産果物の検査・検疫の対象品目を従来の18品目から、新たにオレンジ、レモン、ドラゴンフルーツとハミメロンの4品目を加えて、22品目に拡大する。

2、台湾野菜が最盛期に販売不振になる問題の解決を支援するため、台湾の主要な野菜であるカンラン、カリフラワー、ヘチマ、チンゲンサイ、小松菜、ニガウリ、タマネギ、ニンジン、チシャ、サトイモ、ワサビなど11品目を検査・検疫の対象にし、ゼロ関税を実施する。

3、台湾で漁獲、養殖された水産物の大陸での販売を拡大するため、一部の生鮮、冷蔵、冷凍水産物に対して関税ゼロの優遇措置を実施し、検査・検疫の便宜を図る。台湾籍漁船が水揚げした一部の遠洋、近海水産物及び台湾地区で養殖された一部の水産物の輸入に対して、関税ゼロの措置を講じる。具体的品目はマナガツオ、サバ、タチウオ、カレイ、ニシン、スズキ、エビ、イガイの8品目である。福建に運ばれた台湾漁船が漁獲した水産物については、大陸漁船の取り扱いに準じ、公海漁獲許可証、貿易契約、インボイスなどの書類に基づき、検査・検疫部門に申請し、台湾の主管部門が発行する衛生証明書の提出を求めない。

国務院の関係機関の認可を受けた12項目の政策・措置は次の通り。

1、両岸の農業協力を一段と強化するため、農業部、商務部、国務院台湾事務弁公室は、既存の5カ所の海峡両岸農業協力実験区のほかに、広東省の仏山市と湛江市、広西チワン族自治区玉林市の2カ所に新設することを認可する。農業部、国務院台湾事務弁公室は福建省?浦県、山東省栖霞市の2カ所に台湾農民創業園を設立することを認可する。

2、果物、野菜が最盛期に販売不振となる問題の解決を支援するため、全国購買販売協同組合本部などは台湾農民や農民組織が報告する状況や要望に基づき適時、力のある農産物売買企業や業界組織で構成する農産物買付団を組織し台湾に派遣する。

3、台湾原産果物の大陸進出に便宜を図り、台湾の果物農家と台湾企業の経営コストを引き下げるため、福建省アモイ市に台湾果物販売集散センターを設立し、同センターに入居する台湾果物取次販売業者に対して、保鮮冷蔵庫の使用料免除と家賃1年間免除の優遇を与える。

4、大陸で販売される台湾農産物の輸送コストを引き下げるため、交通部は、台湾農産物の輸送のための「グリーンルート」(優先輸送路)を開設することを決定する。大陸で輸送される台湾の農産物は、一部地区の道路、橋通行料減免の優遇政策を享受する。

5、両岸の交流を一段と促進するため、教育部は、即日より、台湾の教育主管部門が認定した台湾の大学学歴を正式に認めることを決定する。

6、大陸住民の台湾観光を早期に実現するため、国家旅遊局と公安部、国務院台湾事務弁公室は「大陸住民の台湾地区観光に関する管理弁法」をすでに制定しており、4月16日に公布する。同弁法は、大陸住民の台湾観光は、指定された大陸の旅行社が団体組織会社として組織し、旅行団の形で全員が一つの団として往復すると定める。団体組織会社は国家旅遊局が関係機関と共同で、すでに海外観光業務取り扱いの認可を受けている旅行社の中から指定する。これらの旅行社は多くが大規模な旅行社であり、信用があり、サービスの質が保証されている。大陸住民を受け入れる台湾の旅行社、即ち受け入れ会社も大陸の関係機関と国家旅遊局の認定を受けなければならない。同弁法はさらに、大陸住民の台湾地区観光では割り当て制度を実施し、割り当ては国家旅遊局と関係機関が確認した後、団体組織会社に通達すると規定している。団体組織会社は大陸住民の台湾観光業務を行う前に、受け入れ会社と契約に署名し、協力関係を結ばなければならない。団体組織会社は各旅行団に添乗員を随行させなければならず、添乗員は専門の研修、試験を受け、台湾観光添乗員証明書を取得しなければならない。大陸住民は有効な「大陸住民の台湾地区往来通行証」と台湾地区への観光ビザを所持しなければならない。

7、台湾同胞の大陸往来を一段と至便にするため、公安部は、ビザ発給地(すなわち「現地発給」)として従来の海口、三亜、アモイ、福州、上海の5カ所に、瀋陽、大連、成都の3カ所を加えることを決定する。さらに引き続き新しいビザ発給地を加え、入境手続きを取らずに直接大陸に入った台湾同胞のためにビザ手続きを行う。

8、大陸で仕事をする一部台湾同胞の通関申告官担当資格を取得したいとの願望に応えるため、税関総署は、台湾同胞に通関申告担当官試験を開放し、合格者は受験地の税関に通関申告担当官資格証明書の発行を申請できることを決定する。台湾同胞が応募しやすいように、税関総署は具体的な応募方法を制定、公表する。

9、大陸に居住する台湾同胞に良好で至便な医療サービスを提供するため、衛生部は効果的な措置を積極的に講じて、台湾同胞の受診の習慣や特徴に合ったサービスを実施する。衛生部は、台湾同胞が集中する広東、福建、江蘇、上海などの病院を引き続き相対的に固定された診療区として指定し、台湾同胞に医療サービスを提供することを決定する。条件の整った地方では、心臓血管や脳神経、口腔など質の優れた専門病院を選び、特別外来を設置して台湾同胞を受け入れるなど、一貫したサービスを提供する。診察する医師は大陸の医師でもよく、あるいは規定に従って衛生行政部門の認可を受け、大陸での診療免許を取得した台湾の医師でもよい。

10、両岸の医療衛生の交流と協力に役立ち、台湾同胞の大陸での受診の利便性を図るため、大陸で診察を受けた台湾同胞が台湾で医療費の請求をできるよう便宜を図る。病院は大陸の関係規定に従って医療関連書類を作成、保管すると同時に、受診した台湾同胞が台湾での医療費返還請求の要件にかなった書類を提供する。

11、台湾の医療機関が大陸と合弁、合作で病院を経営することを引き続き歓迎し、奨励する。台湾投資家は最高で70%の株式を所有することができ、期間は暫定的に20年とし、期間満了後は延長を申請できる。

12、衛生部は、所定の条件に適合した台湾同胞による大陸での開業登録や短期診療の申請を認めることを決定する。台湾同胞は大陸で医師資格試験の受験、登録、開業を申請し、あるいは臨床研究などに従事することができる。大陸で医学専攻の学歴を取得し、医師資格試験に合格した台湾の学生は、大陸で開業する必要があれば、各地の衛生部門で開業登録手続きを行うことができる。大陸での短期診療を申請する台湾地区の医師は、関連する手続きを行った後、大陸で1年間従事することができ、期間満了後は延長を申請できる。

資料の出所:新華通信ネット