2006 No.25
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温家宝総理、カイロで記者会見

温家宝総理は6月18日、エジプト公式訪問の終了を前に、カイロで記者会見を開いた。記者会見にはエジプトの主要メディア、海外メディア、中国メディアから約100人の記者が出席した。この中で温総理は、エジプトの「アルアハラム」紙の質問を受けた。

中東問題で積極的役割果たす

――今回のエジプト訪問の意義をどう評価するか。中国・エジプト関係の展望をどう見るか。中国は中東地域でどのような役割を果たすことができるか。

私は中国とエジプトの国交樹立50周年の際にエジプトを訪問した。中国とエジプトはいずれも古代からの文明国であり、まさにムバラク大統領が述べたように「中国とエジプトは人類の栄光と進歩の共同創造者であり、文化遺産の共同保護者であり、崇高な価値と理想の共同追求者」である。この言葉は、中国・エジプト関係の内なる真髄を深く指摘している。過去半世紀の間、両国は互いに支持し合い、助け合い、兄弟のような友情を結んできた。この2日間で、わたしはムバラク大統領との会談、ナジフ首相との会見を行い、「中国とエジプトの戦略的協力関係の深化に関する実施綱要」に署名した。われわれはまた、2国間関係および共通の関心事である地域・国際問題について幅広い共通認識に至った。両国の共同努力によって、中国・エジプト関係はさらなる発展を遂げることができ、その友情もピラミッドのように、時が経つにつれていよいよ堅固になるものと信じる。

中東問題において中国がどのような役割を果たすかについてお答えするが、中国は引き続き、積極的かつ建設的な役割を発揮していく。

パレスチナ問題の対話解決を

――パレスチナとイスラエルの衝突は、現在の中東における最も難しい問題となっている。中国はこの問題に対し、どのような貢献ができるか。ハマス主導のパレスチナ政府に対し、一部の国が一連の制裁措置を取っている。中国は援助などによって、ハマス政権に対する支持を示す考えはあるか。

中国は中東和平プロセスと「ロードマップ」を支持している。また、国連の関連決議と「土地と平和の交換」原則を基礎とした、対話と政治交渉によるパレスチナ・イスラエル衝突の解決を主張している。パレスチナ内部の各派が、互いの相違点を冷静に受け止め、協議によって内部政策で合意を得るよう希望する。これはパレスチナ・イスラエル問題の解決にとってもプラスだ。

中国は平和で安定し発展する中東を望んでいる。中国が発揮する役割は、仲裁と対話の促進により、パレスチナとイスラエルの人々が平和な環境の下で生活し、発展できるようにすることだ。

現在の中東情勢や、人道主義的立場から見たパレスチナの状況には、憂慮させられる。中国は、政治的に孤立させたり、経済封鎖を行うといったやり方には賛成しない。国際社会はパレスチナにもっと援助を提供し、アッバス議長とパレスチナ政府が内部情勢の安定を実現できるよう助けるべきだ。

中国外交は第3国を標的にせず

――国際舞台で中国が発揮する役割は過去数年間、大きくなり続けている。中国は同時に、中南米やアフリカ諸国との関係強化も図っている。アフリカや中南米諸国との関係発展に際し、米国との摩擦、さらには衝突が生じると考えるか。

近年、中国の経済と社会は確かに大きく発展したが、中国は独立自主の平和外交政策を堅持している。中国とアフリカ・中南米諸国との友好協力関係の発展は、いかなる第3国も標的にしておらず、いかなる国の利益も損なわない。この点については、米国政府も認めていると信じる。

対ア経済貿易関係の重点

――イラン核問題のこう着状態を打破する最善の方法は何か?中国は今回の訪問中、アフリカ諸国と一連の貿易協定を締結するとのことだが、これら協定と人権、環境問題との関係をどうみるか。

まず、中国政府のイラン核問題における立場をお話したい。われわれは断固として、国際的な核不拡散システムを支持し、核兵器の拡散に反対する。イランには原子力を平和的に利用する権利があると考える。ただし、同時に果たすべき義務と自らの約束を履行し、国際社会からの信頼を増すよう措置を取ることも必要だ。イラン核問題を外交ルートにより解決することを主張する。現在、6カ国外相会談で出されたイラン核問題をめぐる提案により、イラン核問題の平和的解決の土台が作られた。各者には、チャンスを掴み、建設的な態度を取り、より大きな柔軟性を示し、交渉の早期再開を促してもらいたい。中国は引き続き、自らの方法で各者の仕事を推進し、各者との連携を取っていきたい。

アフリカは53の国、8億人余りの人口を持つ大陸であり、中国はアフリカ諸国との経済・貿易関係を非常に重視している。昨年、二者間の貿易額は398億ドルに達し、アフリカ側にとって24億ドルの貿易黒字となった。われわれは、中国とアフリカの経済・貿易関係の発展には、まだ大きな潜在力があると考えている。

アフリカとの経済・貿易関係について、われわれには次の3つの重点がある。

(1)アフリカの商品移入を積極的に拡大する。中国は今後、効果的な措置によって、アフリカが自らの商品をアピールできる条件を整えていく。

(2)技術援助と経済援助・協力を密接に結びつけ、アフリカの自主発展能力の増強に重点を置く。

(3)アフリカにおける技術者や管理者の育成支援に力を入れる。

中国・アフリカ関係の扱いにおいて、中国政府は相互尊重、平等互恵、国政への不干渉を一貫した方針としている。中国はアフリカの民主・法治の推進を支持するが、自らの考えを押し付けることはしない。各地域、各国の人々には自らの問題を解決する権利と能力があると、われわれは信じている。国際社会はアフリカ諸国が発展の道を自ら選ぶことを尊重するべきだ。

「人民網日本語版」より 2006年6月19日