2006 No.32
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>> 2008年北京五輪

五輪開催まで残り2年 劉淇氏が語る北京五輪

(1)入場料は国情考慮を

2008年北京五輪の開催まで、まもなく残り2年に迫る。中国共産党中央政治局の劉淇委員(北京市委員会書記、北京オリンピック組織委員会主席)が、主要な全国メディアによる共同インタビューに応えた。記者との一問一答は次の通り。

――2008年五輪の入場券に内外の関心が集まるが、発売できるのは何枚か。価格設定は高くなるのではないか。

販売可能な2008年五輪の入場券は大体700万枚以上だが、今後変動もありうる。入場券の価格設定の原則として、国情を充分に考慮する。なるべく多くの人が会場で観戦できるようにしたいので、入場料は低く抑える。開閉会式や一部の決勝戦を除き、多くを低い価格に設定する。また、五輪参加計画を立ち上げており、より多くの学生に観戦のための入場券を確保したいと考えている。こうした入場券については、一応は形式的に料金を設定するが、特別に低い価格に抑える。入場料を払えないために青少年が観戦をあきらめる、といったことは起きないだろう。

入場券の販売ルートについては、それぞれの国・地域のオリンピック委員会が予約と発売を行う。中国国内の販売会社は1社で、価格や発売プランの詳細は、国際オリンピック委員会(IOC)の承認を待って公表される。今年9月には、購買優先権をもつ顧客への先行販売を行い、来年の上半期から一般向けの販売が始まる見通し。

(2) 建設事業の透明性確保

2008年北京五輪の開催まで、まもなく残り2年に迫る。中国共産党中央政治局の劉淇委員(北京市委員会書記、北京オリンピック組織委員会主席)が、主要な全国メディアによる共同インタビューに応えた。記者との一問一答は次の通り。

――五輪関連施設の建設工事について、どのように「陽光工程」(透明性の高いプロジェクト)の実現を確保するのか。

まず、われわれはすでに五輪「陽光工程」計画を発表し、あらゆる五輪関連工事について、計画から設計、施工までを公開している。事業の決定、計画、立ち退きと取り壊し、入札にいたるまで、全てを透明にし、不透明な行為を排除している。次に、組織機構に対する監督・検査の強化が挙げられる。オリンピック組織委員会の成立後すぐ、監督委員会も発足した。同委には国家監察部などの部門が参加し、オリンピック委員会の内部、五輪競技場の建設指揮部にそれぞれ監督部門を置いている。三つ目に、監査の強化が挙げられる。国家審計署(会計監査部門)はオリンピック委員会の全てのプロセスについて監査を行う。また、国家審計署と北京市審計局は、競技場建設について重点的な監査を行うほか、主要競技場については全プロセスの追跡監査を行った。これにより、適正な資金投入を保証し、工事が常に監督下に置かれるよう図っている。入札や材料品質の監督体制も強化した。請負会社が競技場の品質確保の責任を負うほか、品質監督部門も業務として競技場の鋼材、セメントなどの建築材料のサンプル調査を行い、品質への監督や検査を行っている。このように2方向から監督を行うことで、五輪競技場の工事が常に管理された状態にあるようにしている。企画、設計、建設のすべてを公開された状態にすることで、透明性を実現する。

(3) 交通渋滞への対策

2008年北京五輪の開催まで、まもなく残り2年に迫る。中国共産党中央政治局の劉淇委員(北京市委員会書記、北京オリンピック組織委員会主席)が、主要な全国メディアによる共同インタビューに応えた。記者との一問一答は次の通り。

――北京の交通問題が、五輪に悪影響をもたらすのではないか。五輪の順調な開催のために、どのような措置を取るのか。

北京市の交通機関は今もまだかなり混雑している。五輪期間の交通問題の解決は、五輪準備作業の重要なポイントだ。北京市交通主管部門とオリンピック組織委員会の交通部門は、すでに五輪期間中の人の流れについて、詳細な分析や予測を行っている。五輪期間中、入場券を買って観戦する外国人は50万人に達するだろう。施設別に見れば、オリンピック公園には毎日約20万から24万人が訪れ、他の会場にも毎日15万人前後が訪れる見通しだ。全体的に見て、五輪開催中は局地的に非常に込み合うと予想される。

北京の交通問題は、次の数点から解決していく必要がある。

まず、根本的な解決のためには、北京の交通インフラ整備を加速する必要がある。北京市は現在4本の鉄道を建設中で、五輪に直接関係するのはうちの3本だ。1本目は地下鉄東直門駅と北京首都国際空港を結ぶ都市鉄道で、観光客を飛行場から市内へと直接運ぶ足となる。もう1本は10号線から伸びる五輪支線。3本目は地下鉄5号線で、来年末に試運転が始まる予定。このほか、輸送力の高い高速交通システムの整備が予定されている。北京市内の一部では、専用車線を設定した高速型の路線バスがすでに試験運行され、好評を得ている。市は今後2年間、こうした路線さらに拡大し、バス専用車線を増やすことで、公共交通優先の戦略を進めていく。また、北京市周辺に数カ所の大型ターミナルを設け、乗り換えの利便化を図る。

次に、五輪期間中は、過去の開催都市の経験を生かし、専用通路などを設置し、選手や役員、記者などの移動手段を確保する。状況によっては、臨時の交通規制なども考慮する。

さらに、交通管理を強化し、情報化により交通の合理的管理を進めることで、交通管理のレベルアップを図る。

4つ目に、市民の交通ルールに関する意識を向上させる。交通ルールのPRや教育を強化し、市民全体にルールを守らせることで、より秩序のある交通を目指す。

こうした措置を行えば、2008年五輪期間の交通は問題ないはずだ。国際オリンピック委員会からも評価を得ている。

(4) 予想外の見どころも?

2008年北京五輪の開催まで、まもなく残り2年に迫る。中国共産党中央政治局の劉淇委員(北京市委員会書記、北京オリンピック組織委員会主席)が、主要な全国メディアによる共同インタビューに応えた。記者との一問一答は次の通り。

――五輪開幕式に多くの人が関心を持っている。これについて少し紹介してもらえるか。

すべての五輪で、開幕式が準備作業の一つの重点となっている。なぜなら、開幕式は開催国の理念や文化、歴史を体現するものだからだ。2008年五輪開幕式は、中国国内の13億人の観衆と、世界中の数十億人の観衆に向けたものだ。皆が満足する開幕式にするのは難しい。中国人に「ありきたり」と感じさせず、外国人に「中国の優れた文化の反映」と感じさせることが必要で、これが検討を要する課題となっている。「見たことも、聞いたこともないもの」を新しく創っていかなければならない。

北京オリンピック組織委員会が選んだ13種類の開幕式プランは、いずれも甲乙つけがたい。これを土台にして手を加えれば、2008年五輪開幕式には思いもかけない見どころが生まれるだろう。

開幕式では「朋有り遠方より来たる」「一堂に楽しく集う」「友好」「リラックス」「調和」といったテーマを表現したい。古くからの文明の伝統を守りつつ、現代的な息遣いがあり、世界の人々に友好的で、友愛と自信に溢れている――そういう中国人の一面を、開幕式を通して全世界の観衆に伝えたい。開幕式案の最も大切なポイントは、永遠に忘れられないようなものにするということだ。

「人民網日本語版」より 2006年8月8日