2006 No.36
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中国企業の海外進出を推進

戴小華

――先ごろ「第10回中国国際投資貿易商談会」(国際商談会)の第2回準備作業会議が開かれた。これを機に、政府がこの数年来打ち出してきた投資構造の転換や対外投資の展開、中国企業の海外進出戦略の実施などについて、商務部国際協力司の趙闖副司長にインタビューした。

記者 政府が投資構造の転換や、対外投資の展開、企業の海外進出戦略の実施を打ち出したのはなぜか。

趙氏 周知のように、外資の導入は対外開放という基本国策で重要なものであり、実り多い成果を収めた。1978年に改革開放を実施して2005年末までに、全国で累計約50万社の外資系企業が認可、設立され、外資は実際使用ベースで2700億ドルを突破した。現在、190を超える国や地域が中国に投資しており、外国企業が設立した研究センターは約700に達し、多国籍企業が設立した地域本部は40余りを数える。大半の企業は経営状況が順調であり、中国の国民経済でますます重要な役割を発揮している。

今世紀初め、経済や政治、外交など総体的な必要性から、政府は投資構造の転換や、対外投資の展開を打ち出すとともに、企業の海外進出戦略を策定した。こうした戦略の策定は、中国経済を持続的、健全かつ安定して発展させ、また国際的な影響力を高め、その他の一部の国と戦略的パートナーシップを維持し、発展させる上で重要かつ現実的な作用を果たしており、また深い歴史的意義がある。

記者 海外進出戦略のこの数年来の実施状況はどうか。どんな困難や問題を抱えているのか。

趙氏 この数年来、中国企業は国際市場に進出し、対外投資の勢いは非常に急速だ。21世紀に入って、対外投資額は年平均20%ずつ増えており、最も多い年で伸び率は80%に達し、投資額は年平均60億〜70億ドルに上る。2005年末現在で、直接投資額は累計517億ドルに達した。このままの勢いでいけば、2020年には300億ドル余りに達して、世界の投資大国に仲間入りできるだろう。国連の関係組織は中国の対外投資の将来に非常に期待を寄せており、「潜在力のある投資国」と見ている。

だが、冷静に見るべき点もある。対外投資額は依然として少なく、導入外資額と比べようもなく、欧米先進国の対外投資額とはさらに比較することすらできないことだ。500億ドル余りの累計投資額は米国、ドイツなど先進国の1年分に過ぎず、中国が投資大国になるにまだ時間がかかるだろう。

中国企業を海外に進出させる戦略は世界の大多数の国、とくに発展途上国には歓迎されているが、一部の国はそうではない。時に「中国脅威論」だと大声で騒ぎ立て、中国企業による正常なビジネス拡大や合併や買収を政治問題化して、中国からの脅威だと見なし、人為的に中国企業の対外投資に障害を設けようとしている。例えば、しばらく前、中国海洋石油総公司(CNOOC)は米石油大手ユノカルに買収提案をした。もともと国際的によく見られるビジネス行為ではあったが、米議会によって政治的な理由から拒否されてしまった。これは典型的な例だ。

国内では、一部の地方や機関の中には対外投資を展開する意義を深く認識していないため、常に外資の導入を重視する一方で、条件を備えた企業の国際市場への進出を軽視することが習慣化している。こうしたことから程度の差はあれ、中国企業の海外進出戦略の実施に影響が出ている。

記者 企業自身の条件から見ると、海外進出にあたって主にどんな強み、どんな弱点があるのか。政府の関係機関はどんな措置を講じて企業の海外進出を支援、奨励しているのか。

趙氏 30年近くに及ぶ改革開放を経て、国有や民間でも、国際市場に進出する条件を備えた企業は増えてきた。現在のところ、約1万社が170カ国・地域に投資して工場を設立しているが、その大半は発展途上国であり、経営状況は幅広く良好だ。

中国企業の強みは先ず、中国の国際的な地位と名誉が日増しに高まっていることから、外的環境が進出に非常に有利であることに見られる。次に、国際市場の進出に関心を持つ企業が増えつつあり、その準備をしている大多数の企業が繊維や化学工業、エネルギー、建築など伝統的に優位にある分野に集中していることだ。国際競争力は比較的強く、開発した技術は先進的であり、大半の国の国情に適しているため、発展途上国からはとくに歓迎されている。第3は、世界との融合が絶えず進んでいるため、多くの企業が徐々に国際化された管理体制を形成しつつあることだ。技術の先進性に加え、労働コストが安いことから、企業の総合競争力は比較的高い。また、中国企業家の多くは労苦に耐え、勇敢に開拓する精神と互いに助け合う気持ちがあり、互恵という経営理念を持っているため、外国の同業者と誠意のある有効的な協力がしやすいことだ。

もちろん、進出にマイナスとなる欠点もある。例えば、一部の企業は経営体制が古く、投資して工場を設立するのに適していない。投資相手国の国情をあまり理解しておらず、主観的に想像して、政策決定が盲目的である。実力が備わっていないのに、一時の衝動に駆られて海外進出を決定した結果、投資に失敗するなどだ。この数年来、企業の海外進出を支援、奨励するために、政府の関係機関は商工、財政、保険、税制などの面で一連の優遇措置を打ち出してサイトで公表し、社会各界からの相談や監督を受け入れてきた。

記者 国際展示産業協会(UFI)から認証された中国唯一の投資関連展覧会として、国際商談会は中国企業の海外進出でどんな役割を発揮しているのか。

趙氏 商務部が主催し、アモイ市が実施する国際商談会は現在、中国で双方向の投資を目的とする最も重要な国際舞台の1つとなっている。この数年来、組織委員会は政府の海外進出戦略を積極的に進め、外国・地域の政府機関や投資招致関連部門の出展を幅広く要請するとともに、国ごとに投資説明会や推進会議などを開催して、現地の投資環境や投資プロジェクトを紹介してきた。それによって、海外に進出する実力を持つ企業は至便にかつ迅速に各国・地域の投資環境、投資情報を理解することができるようになり、国外投資プロジェクトを模索する企業コストは大幅に削減された。

03年から、国際商談会は海外進出プロジェクト相談会を始めた。その年の参加企業は107社だったが、04年には156社、昨年は179社まで増えている。投資相手国も年々増加しており、03年は73、翌年は85、昨年は97カ国だった。相談会の効果は目に見えて上がりつつある。

国際商談会は今年ちょうど10年を迎え、組織委員会は中国企業の海外進出に一段と力を入れているところだ。招致と進出を今年のテーマにするとともに、進出を目的にした専門の重要なフォーラムや活動を幾つか計画している。先ず、「アフリカ投資環境説明会」だ。より多くの中国企業にアフリカを理解してもらい、アフリカに投資して工場を設立して、アフリカの発展途上国との伝統的な友好関係をさらに強化することにしている。次に、「ロシア経済特区政策相談会」だ。これは中ロが相互に開催している国家年に合わせた重要な活動であり、中ロ間の長期にわたる貿易不均衡を解消する上で有力な措置となるだろう。このほかに、「上海協力機構」(SCO)加盟国間の関係を強化するための「SCO経済貿易フォーラム」や、メキシコとの友好協力関係を強化するための「メキシコ投資説明会」もある。こうしたフォーラムや活動は、中国企業の海外進出に有力かつ促進的な役割を果たすものと信じている。