2006 No.37
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温家宝総理、アジア・
欧州諸国の新協力に8つの提案

温家宝総理は9月10日、アジア欧州会議(ASEM)の第6回首脳会議で、「アジア・欧州協力を深め、課題に共同で対処する」のタイトルでスピーチを行った。スピーチの要旨は次の通り。

新たな情勢ではASEM首脳会議に一層の期待が寄せられる。われわれは▽対話と協力の拡大、重大な国際問題の処理におけるアジア・欧州諸国の影響力の強化▽政治的相互信頼の強化、世界の文明・文化の多様性の発展促進▽平等互恵の堅持、実質的な経済協力の積極的推進▽長期的視点に立った、協力の実施に有益なメカニズムの適時構築▽対外的な意思疎通の強化、ASEMの開放性の維持――といった目標を確立すべきである。

アジア欧州諸国の新しい形のパートナーシップを確立、発展させ、世界の平和と繁栄を促進するために、以下の提案を行いたい。

(1)政治対話を強化し、安全保障上の脅威に対処する。

(2)文化交流を深め、親密な関係を実現する。

(3)金融協力を緊密化し、バランスある経済発展を推進する。

(4)対話と協力を拡大し、エネルギーの安全を確保する。中国はエネルギー安全保障に関する対話の実施をASEMに提唱する。

(5)多角的貿易体制を支持し、相互利益型の発展を実現する。ドーハラウンドの中断は、どの国にもマイナスだ。各加盟国は協議における自国の姿勢を再考すべきだ。また、主要先進国に対し、政治的意欲を出して農業補助金の削減や関税面において一層の柔軟性を示し、交渉再開に向けた環境を整えるよう促したい。中国は各加盟国に対し、貿易保護主義を全力で阻止し、貿易摩擦を適切に処理し、貿易問題の政治化を防ぐよう呼びかける。

(6)企業の参与を奨励し、協力ルートを拡大する。中国は2007年に「ASEM中小企業部長級会議・貿易投資博覧会活動」を開催することを提唱する。

(7)非従来型の安全保障上の脅威に対処し、鳥インフルエンザを効果的に防止する。中国は来年「ASEM鳥インフルエンザ対策シンポジウム」を開催し、関連分野におけるアジア・欧州諸国の協力をさらに推進することを提唱する。

(8)都市と農村の格差を縮め、バランスある経済発展を実現する。中国は適切な時期に「ASEM農村発展フォーラム」を開催し、都市と農村の調和的発展の実現を研究することを提唱する。