2006 No.40
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中日関係の「固い氷」を打破
――専門家が語る安倍訪中

外交部の劉建超報道官は10月4日、「中日双方は両国関係に影響を及ぼす政治的障害の克服と、両国の友好協力関係の健全な発展で一致した。これにかんがみ、温家宝総理の招請に応じて、日本の安倍晋三内閣総理大臣が10月8日と9日に中国を公式訪問する」と発表した。安倍首相の訪中について、専門家の見解を聞いた。(新華社記者:常●)

▽秦亜青・外交学院副院長

安倍氏の訪中は「氷を破る」訪問になるだろう。中国は、9月26日の安倍氏の首相就任後、初の訪問国だ。これは日本の新指導者が現在の中日関係の膠着状態を打破し、訪中を契機に両国関係を改善したいとの希望を持っていることを明示している。

小泉純一郎前首相は任期中の5年間、A級戦犯を祀る靖国神社を頑なに参拝し続けたことで、日本と中韓両国との政治関係を著しく後退させ、日本のアジア外交を孤立という苦境に追いやった。

日本とアジア隣国との政治関係の悪化は、日本の国益に沿わないばかりか、日本の同盟国である米国や他のアジア諸国をも憂慮させている。日本を次第に孤立させるこうした外交は、日本に地域問題で重要な役割を発揮させるどころか、かえって日本の国益と国際的イメージを損なう結果となった。このため、大多数の日本人は新首相に、日中関係、日韓関係を改善し、日本をアジア外交の苦境から脱却させることを期待している。

安倍氏は自民党総裁選の施政綱領で、中国や韓国など隣国との信頼関係の強化に尽力すると表明した。自民党と連立与党を組む公明党は、9月25日の連立政権合意で、中国や韓国を中心とするアジア隣国との関係をさらに強化すると言明した。

▽阮宗沢・国際問題研究所副所長

アジアの他の国々は、中日関係の積極的な発展を望んでいる。中日関係の改善は、アジア統合の推進に積極的な意義を持つ。今やグローバル化や地域化のレベルは深まり続けており、欧州連合(EU)や北米自由貿易地域などの地域統合はすでに相当深いレベルに達している。中日両国は、アジア、さらには世界の重要な経済大国であり、双方が手を携えて協力することができれば、アジア統合は新たな春、大発展の時期を迎えるだろう。

近年来、中国経済が急成長し、アジア、さらには世界は、中国の発展がもたらすチャンスを意識するようになっている。世界第2の経済大国、アジアの経済大国の指導者として、安倍氏は戦略的視点を持ち、時機を判断して情勢を推し量り、両国関係の改善が自国の利益にもたらす積極的な影響に目を向けるべきである。

▽徐敦信・元駐日大使

今回の安倍氏の訪中で中日間のすべての問題を解決することはできない。安倍氏は中日関係に存在する問題の複雑性と長期性を考慮し、中日関係の将来性について「慎重な楽観」を表明した。安倍氏はアジア隣国との関係改善の意向を表明したが、最も重要なのは実際の行動である。中日双方が真に問題を実質的に解決し、これまでの共通認識を実行に移すには、なお長い時間が必要だろう。

中日関係に存在する問題は複雑に錯綜し、入り組んでおり、これらの問題を完全に整理するには、新たなスタートを切り、第1歩を踏み出すことが必要だ。過去5年間の中日関係の苦境において、両国は両国関係に影響を及ぼす問題について、建設的な議論を進めることができなかった。日本の新首相の訪中は、両国の上層部の今後の意思疎通と交流に道を切り開くとともに、問題の一層の検討と解決に良い基盤を固めるものだ。今回の安倍氏の訪中は中日関係の発展にとって新たなスタートであり、双方は自国の発展や、アジア、さらには世界に対する中日関係の重要な位置と役割を再確認するだろう。したがって、訪中自体が1つのプラスの成果なのだ。

●は王偏に路

「人民網日本語版」2006年10月5日