貴州省博物館
貴州省博物館は、中国の省クラスの総合的な博物館である。貴陽市の北京路にあり、1953年に建設準備が始まり、1958年に開館した。敷地総面積は1万9300平方メートル。
収蔵されている文物や標本は6万点以上ある。収蔵品を自然科学と社会科学の2分野に分けると、自然科学分野は主に古生物の化石、古人類の化石と文化的遺物、動植物の標本からなっている。社会科学分野は主に考古、歴史、民族の三大部分から構成されている。
考古学の発掘された文物は非常に豊富で、中でも戦国時代から前漢時代まで(紀元前475年〜紀元25年)の青銅器は、この地方の特色を有している。少数民族の文物は、貴州省の17の少数民族、とくにミャオ族の衣食住と交通、生産の文化的特色を集中的に展示している。
刺繍、ろうけつ染、「挑花」(刺繍の一種のクロス・ステッチ)、錦織り、銀飾りが収蔵品の中で数量、種類の面できわめて多い。そのほか、代表的な収蔵品には、ミャオ族の婚姻を記述した割符、動物の図案を掘り込んだミャオ族の角の酒器、イ族の族長が着る「竜袍」(竜を刺繍した長衣)、スイ族の墓に葬られた石刻の銅鼓などがある。
さらに、近現代の文物と革命文物があり、その中には、太平天国の時期の少数民族蜂起軍や辛亥革命の時の貴州政府、中国工農紅軍が黔東特区を設立した当時の各種の文物が含まれている。
この博物館の常設展示には「貴州の鉱物資源」「貴州の自然資源」「太平天国時期の貴州各少数民族の農民蜂起闘争」「中国工農紅軍の貴州における活動」「貴州の出土文物」などがある。また、これまでに「貴州ミャオ族の風情」「貴州の石刻の拓本」「貴州の文物写真」などの展覧が催された。
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