2006 No.51
(1211 -1217)
 

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>>WTO加盟五周年

WTO加盟後5年間の中国自動車産業の
発展についての一問一答

世界貿易機関(WTO)加盟5周年に際し、中国自動車産業5年間の発展について中国機械工業連合会の張小虞副会長は取材に答え、次のように述べた。

 2001年以来、中国の自動車産業にはどの様な変化があるか?

 5年間における中国の自動車産業の発展は、人々に不安を与えていたものから人々を奮い起こすものへとなった。それが主に4つの分野に現れている。

(1)自動車生産量の急増。2001年の約230万台から2006年には700万台に増加している。

(2)自動車の輸出入台数のバランスが取れている。WTO加盟時の承諾事項を適切に履行するという基本のもと、自動車の輸出伸び幅は輸入を上回り、2005年には輸出台数が輸入台数を上回るという状態に転じた。

(3)個人消費が中国自動車市場の中心となった。年間自動車販売台数中、個人消費の占める割合が2001年の30%から2006年には70%に上昇している。

(4)自主ブランド車の急速な発展。現在、自主ブランド車の市場に占めるシェアは3割近くとなり、輸出も盛んになっている。

 関税の引き下げや国産化率規制の撤廃などという試練に直面しつつ、中国自動車産業は輸入製品の勢いに押しつぶされることなく急速な発展をとげてきたが、その主な要因は何か。

 近年の中国自動車産業の急速な成長は、第1に改革・開放をさらに進めるという国策によるものだ。第2に1994年の自動車産業政策の積み重ねによる効果がある。1994年の自動車産業政策で国産化率40%、外貨バランス要求などを規定したことが、中国の自動車部品体系の確立を促した。第3に自動車産業の長期的な構造調整によるものである。1994年から2000年までの7年間の自動車生産台数は、年平均3%前後の増加に留まっていた。この期間に自動車産業は国有企業制度の改革、海外技術の導入、部品の国産化などの分野で努力を重ねてきた。

以上3つの要因が近年の自動車産業の急速な発展の基礎を築いたとするなら、2001年以降の3つの要素も同様に軽視できない。第1に自動車市場の開放がある。第10次五カ年計画(2001〜05年、「十五」)期間中に一般家庭への自動車の普及を促してから、個人消費が自動車市場を刺激し、初めてのピークを迎えた。第2に政府が相次いで合弁企業に認可を与え、市場への供給を大きく増加させた。第3に自主ブランドの企業が相次いで生産許可書を取得し、自主ブランドの急速な成長により、一般家庭への普及が容易になった。

 中国はすでに世界第3位の自動車生産国、第2位の自動車市場となったが、今後中国自動車産業はどの様な試練に直面していくのか?

 自動車産業は例えて言えば第1ラウンドに勝っただけで、第2ラウンドの勝負は始まったばかりだ。例えば、自主ブランドは国内・国際市場において、海外ブランドとの激しい競争を強いられている。自動車サービス貿易分野においては、国内企業の格差は依然として大きい。またエネルギーや環境などの問題もある。急速に成長する巨大な国内市場に頼って、自動車大国から自動車強国へ発展させるという期待もできる。しかし、上記のような試練に直面するなか、自動車産業を強大にするには以下の4つの条件を備えなければならない。

(1)強力な自主革新能力が必要。

(2)部品産業の基礎をしっかりと固め、国際調達システムに参入しなければならない。

(3)原材料、石油化学、設備製造業などの関連産業を共に発展させなければならない。

(4)完全なサービス貿易システムのサポートが必要。

さらに高いレベルの「小康」生活(いくらかゆとりのある生活)の需要に応じるために、中国の自動車産業はGDPよりやや高い成長を維持していくことが必要であり、またそれを実現する条件を備えている。中国の自動車産業は希望で溢れている。

「人民網日本語版」