2004 No.15
(0405 -0409)

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辱めを受けたことは忘れられない

楊喜蘭さん。67歳。北京油圧工場を定年退職した技師。黒竜江省・チチハル市生まれ。

日本は今もなお、アジア諸国にもたらした侵略戦争の危害を認識していない。小泉首相が靖国神社に依然参拝していることは、日本の軍国主義が収まっていないばかりか、強まりつつあることを物語っている。中国の年配者はこのことを痛感している。1931年、チチハルは日本軍に占領され、6年後の1937年に私はそこで生まれた。1944年から1945年まで2年間、奴隷的な教育を受けた。小学校に上がるには、鼻や目、手といった日常的な言葉を日本語で話せるのが前提条件の1つだった。学校に行けば、日本語を勉強しなければならない。入学前にも、中国の入学前クラスのように、日本の道徳会が日本語を教えていた。

当時のチチハルでは、毎日正午と午後6時に警報が鳴ると、すべての車は停車し、町を歩いている人も、庭にいる人もみんな立ち上がって天皇に敬意を表さなければならなかった。そうしなければ、日本の憲兵に殴られることになり、その光景をこの目で見たこともある。また当時、中国人はお米を食べることは許されず、食べることは経済犯罪とされた。何故なら、日本軍は東北地方のお米を日本に運ぶ必要があったからだ。中国人は自分の国で頭を下げながら暮らし、言いたいことも言えなかった。シェパードを引き連れた日本軍人は居丈高で、些細なこともとがめ、相手が子供であろうと、シェパードに咬むよう命じていた。これもこの目で見た。私たちは日本の祝祭日を祝い、日本の踊りを踊らなければならなかった。こうした歴史を忘れることはできず、辱めを受けたことも忘れられない。私たちの世代の者たちは、日本の軍国主義はずっと根の深いものだと考えてきた。

あの歴史を体験していれば、忘れることはできないだろうが、若い世代は体験していないから分からない。亡国奴になった気持ちは耐え難いものだ。今の若い者たちが亡国奴になるようなことはないだろうが、私たちは若者たちにこの歴史を教えていかなければならない。

こうした体験は、私の考え方に大きは影響を与えた。過去のことであるにせよ、この過去を忘れることができないからだ。年配者は新しいものを受け入れるのが遅いと言う人がいるが、それには全く賛成できない。年配者には年配者なりの考え方や見方があり、若い者には若者なりの考え方や見方があるだろう。年配者は経験が豊かであっても、常に前向きに、そして明日のことを考えている。

客観的に日本を見よう

李健さん。人民郵電出版社の編集者。1979年北京生まれ。

自分なりに公正だと考えている観点から、この問題について述べてみたい。

中国人としての立場から見れば、日本人にはやや反感がある。第2次世界大戦は経験していないが、中国の歴史を知る中国人にとっては心の傷なのだと思う。いずれにせよ、占領で奴隷とされた民族が侵略者に好感を抱くはずはなく、それに加え日本人は、ずっと中国人を友好的には見てこなかった。

日本は島国であるため、拡張の野心はどうしても捨て切れなかった。地理的位置によって決定された民族性だと言えるだろう。生存環境をより良くするには、十分な土地が必要となる。それは日本人が志向したものであり、それはまた日本人が中国を侵略した最大の理由でもあった。日本人は同じように自負が強すぎ、世界のいかなる民族より大和民族ほうが気高いと考えている。貿易面で日本人はずっと自己中心的な姿勢で相手を左右しようとしてきたが、その結果、最大の利益を上げられるかはべつにしても、常に自らを勝者と見なしている。

最も忌み嫌うのは日本政府の態度だ。彼らは過去の歴史や事件に対して十分反省していない。ドイツ人はこの面で日本人よりずっと賢明である。日本政府は実際、国民に戦争意識を培わせており、聞き苦しいかもしれないが、幼いころから戦犯を育てているとも言える。日本人は過去に犯した行為がもたらした結果を直視しないばかりか、全てを抹殺しようとしており、こうした考え方は全世界の人々に反感を持たせることになるだろう。平和と発展が将来の世界のテーマであり、戦争は人類社会にとって災難だが、日本政府は逆に戦争は神聖なものだと強調しようとしている。4000万人の日本国民が第2次大戦で苦しみを味わったことを覚えているのだろうか。

しかし、民族性あるいは精神の角度から見れば、日本人はやはり尊敬するに値する。日本人は非常に団結的であり、頭も確かによく、負けずぎらいなところがある。中国人の刻苦奮闘の精神が苦しみの中で鍛えられたものだとすれば、日本人の堅忍な精神は幼いころから家庭と学校が育ててきたものだ、と言えるだろう。日本の子どもが中国の子どもに比べ独立心が強い要因はそこにある。日本人の聡明さはいかに自己の強みを認識するか、いかにその強みを活用するかをよく理解している点にある。日本は工業が発達した国だが、日本人自らが使用するのは決定して最高のものではなく、最高のものは欧米に輸出して利潤を上げている。現在、電子製品の分野では日本はナンバーワンであり、国土面積が狭く人口が多いことから、科学技術にずば抜けた職人技、機械技術で競争力を創造しようとしている。

長年日本に暮らしている中国人の話だが、日本では大多数の人が中国人に対し友好的で、中国に偏見を持っているのはごく少数の極端な分子だという。両国の正常な交流では、日本人には決して中国人を差別視する姿勢は見られない。多くの非友好的な言動は日本国内に見られるが、それはごく少数だ。しかし、このごく少数の者たちの思考方法は確かに過激であり、しかも日本は教育面で一貫してこうした中国人を差別死する考え方を注ぎ込んでいる。日本、この民族は恐らくあなたにとって非常に友好的かもしれないが、あなたを同類だと見なすことは絶対にない。日本に20年間暮らす友人は、日本の国籍を取得していながら、ずっと日本人からは本国人だと見られていないという。

総じて言えば、日本人の大半は平和に憧れ、他の人と平和共存することを望み、中国人を尊重している。ごく少数の軍国主義の継承者は日本が世界で覇を称えることに憧れ、中国人をさげすみ、歴史を否定している。我々が認識し、重視しなければならないのは、このことだ。実際、日本は今の資源を以ってすれば戦争を起こす力はない。軍事用の備蓄資源はほとんどゼロであり、さらに日常必要とするエネルギーも輸入に依存しなければならない。現代の社会で戦争を発動するのは不可能だ。