2004 No.26
(0621 -0625)

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アジア協力対話、「青島イニシアチブ」の摘要

山東省青島市で開催中のアジアの22カ国の外相および外相代表が経済協力などについて話し合う「アジア協力対話(ACD)外相会議」第3回会合で6月22日、アジア地域のエネルギー協力について広く突っ込んだ話し合いが行われた。会合では、一連の重要な問題について共通認識が得られ、「青島イニシアチブ」が採択された。「青島イニシアチブ」の主な内容は次のとおり。

エネルギーの安全は国際社会が直面する共通の問題であり、率直で誠意ある話し合いと互恵協力を行ってこそはじめて解決することができる。エネルギー協力は地域協力と国際協力の重要な構成部分とすべきである。

イニシアチブは、アジア協力対話の加盟国が相互尊重・平等・互恵の原則にのっとって、エネルギーについての対話と協力を強化し、アジアの持続可能な発展のために安定したエネルギー供給保障に努めることを約束すると重ねて言明する。

イニシアチブは、アジア協力対話の精神に従い、以下の協力事項を自らの意思で展開することを決定する。

(1)加盟国間でエネルギー情報の交流を強化し、エネルギー政策の公開性と透明性を強める。

(2)民間を含むエネルギーの調査・開発での協力を奨励する。関係国は話し合いを通じて、アジアのエネルギーの新たな潜在力を積極的に発掘する。

(3)エネルギー節約、エネルギー効率、再生可能エネルギーなどの方面での協力を強化し、特にバイオマスエネルギーとクリーンエネルギーの利用を増加し、エネルギー利用と環境保護を有機的に結び付ける。

(4)風力エネルギー・バイオマスエネルギー、太陽エネルギーなど再生可能なエネルギーを開発、生産するための技術協力と商業面の協力を強化する。

(5)農村への電力普及での協力を強化し、区域的な電力ネットワークの実行可能性を模索する。これは、地域のエネルギー需要を満たすのに役立つだろう。

(6)アジア地域のエネルギー消費国と生産国のいずれにとっても公平なエネルギー価格の設定を促進するために、各国が国際エネルギー市場について意見交換するのを奨励する。

(7)加盟国のエネルギー分野でより重要な役割を発揮する投資者を誘致するため、有利な投資環境をつくり出す。

(8)加盟国は、自国の能力と国家の利益に基づき、石油・天然ガス輸送パイプラインなどエネルギーの輸送方法、水力発電所の建設などで協調・協力を強化し、高効率の区域的なエネルギー輸送網を構築する可能性について模索する。

(9)「国連海洋法条約」、各国の主権保全、各国の安全保障への関心を十分に配慮した上で、対話と協力を通じて重要なエネルギー輸送ラインの安全を保護する。

(10)エネルギー分野の能力を高めるため、人的資源開発の協力を強化し、人材育成やその経験の交流を通じて技術の共有を進める。

(11)「アジアエネルギー協力フォーラム」実施の可能性を模索する。同フォーラムでは、今回の会議の成果を実行に移す。アジア地域のエネルギー協力を展開する具体的な方式と領域について話し合い、すべての国やアジア協力対話に参加する地域の企業・協会・機構の積極的な活動参加を奨励するなどが主な活動となる。フォーラムは開放的なもので、アジア協力対話の加盟国に限定しない。アジア協力対話エネルギー安全活動チームが、エネルギー協力の展開におけるフォーラムの役割を決定する。