2004 No.29
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都市でも人気を呼ぶようになった民間工芸品

 

封靖

第一回中国民間工芸品博覧会が中国民間文芸家協会・民族文化宮共催で、5月30日から6月5日まで北京民族文化宮で開催された。広さ3600平方メートルの会場に全国の20余省、直轄市の300人あまりの民間芸術家の創作した玉石、彫塑、書画、編み細工,刺繍、陶磁器などの民間芸術品が展示され、大変な人気を呼んだ。

これより前、今年の春から、各地で民間芸術品博覧会が開かれた。3月に第一回上海民間芸術品博覧会、4月に安徽省第一回民間工芸品博覧会、5月に南京国際民間芸術博覧会が開かれている。

中国民間文芸家協会秘書長・民間文化遺産救出事業事務所責任者の向雲駒氏は、「近年、人びとの生活レベルが向上するにともない、中国の民間芸術品の創作と市場が活況を呈し、民間芸術の価値が見直され、民間芸術品の値段も高くなってきている」と語る。

中国の民間工芸品は、泥人形、練り粉人形、人形、提灯、切り紙、竹彫り、木彫り、影絵、年画など種類が豊富であるが、民間工芸品は過去長い間、都市ではあまりふり向かれず、切り紙、年画などは農村でよく見られるが、都市ではあまり見られなくなった。ところが、近年、多くの都市の住民が自宅のモダンなルームに年画、凧(たこ)、木彫り、ろうけつ染めなどを飾り、それが一種のファッションとなっている。

山東省?坊市楊家埠村は300戸余りの小さな村であるが、年画作りが有名で、中国最大の年画制作地となっており、年画を年間に2000点以上作っている。以前、年画は主に農村向けであったが、今では都市でもよく売れ、題材、内容、紙質も多様化、高級化してきている。

民間工芸品の制作にたずさわる若い芸術家も多く育っている。河南省から北京の第一回中国民間工芸品博覧会に出品した若い女性の許煦さんは「他の芸術と同じように、民間工芸品の切り紙は深い文化的内包をひめている」と語る。彼女は切り紙を8歳から学び、数々の優秀な作品を創作し、2002年、河南省民間文芸家協会から「河南省工芸美術大師」の称号を受けた。

政府と民間団体は民間芸術品創作の繁栄を促進するうえで重要な役割を果たしている。

中国民間文化遺産救出事業が数年前に展開されてから、大量の救出・集成活動を行なってきた。昨年8月、全国切り紙芸術救出センターが河北省蔚県に正式に設けられた。同センターは発足後、中国最初の切り紙芸術全集「中国切り紙芸術集成」の編纂に着手し、3年で完成することにしている。

向雲駒氏は、「第一回中国民間工芸品博覧会は民間文化救出重点作業の一つで、その目的は中国民間芸術作品の魅力を展示し、民間芸術創作の継承と発展を促し、同時に人びとの芸術愛好心を育て、芸術作品の消費を刺激し、民間芸術品市場の発育を促進することである」と語る。そのため、今回は作品の展示のほかに、中国民間伝統手工芸の実演、民間工芸品の即売などの活動も行い、また出品作品のなかから、国家級民間文芸最高賞――「中国民間文芸山花賞」獲得作品を選んだ。

民間工芸品博覧会は今後毎年5月に開催されることになった。