2004 No.31
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海洋環境モニタリングシステムを確立

陳連増副局長によると、現在中国は厳密な赤潮モニタリングおよび災害防止・災害削減システムを確立し、海洋汚染による損害に対応することに努めている。同システムには赤潮モニタリング早期警報、赤潮応急対策、海産物原産地の赤潮毒素のモニタリング、赤潮情報の発表など四つがある。

「われわれは全国の重点海域で赤潮モニタリング区を33カ所設置し、衛星リモートセンシング、航空リモートセンシング、海洋環境モニタリングステーション、赤潮、ボランティア(漁民、養殖業者、海上作業員)による観測などのルートを通じて、赤潮発生区域、発生可能区域、中心の経緯度、境界座標、赤潮の面積などの情報をいちはやく把握することに努めている。

赤潮を発見した際には、国家海洋局と各省・直轄市の海洋庁は応急モニタリングを繰り広げ、赤潮防災・災害削減応急計画を始動し、赤潮発生の場所、範囲、赤潮の生物種類と密度、貝類毒素の種類などの情報をとらえ、関係部門に早期警報を出す。同時に、検疫・検査などの関係部門が水産物市場の管理と海産物の衛生検疫を強化し、汚染で死んだ魚、エビ、貝類の市場への出荷を禁止し、食品の安全を確保し、赤潮の毒素が食物チェーンを通じて人間の健康に危害を与えることを防止する。海洋局は「早めに通報し、予防と抑制を並行して進める」という原則にのっとって、赤潮情報通報制度を確保している。赤潮発生時、赤潮の発生、変化、消長と災害状況のすう勢予測などの関連情報をいちはやく政府主管部門に通報し、マスメディアを通じて一般市民に通報する。

任重くして道遠し

国家環境保護総局の潘岳副局長によると、国家環境保護局は「全国海洋、海岸地帯環境保護企画」の制定を計画している。

「海岸地帯は生態系環境が最もぜい弱な地域であり、海岸地帯の生態系環境保護の監督管理の強化、海岸地帯生態系環境保護と管理モデル区の設置は一刻も猶予することができない」と潘岳副局長は語っている。

国家海洋局のデータによると、近年来、全般的に言えば、海域環境質は安定を保ち、汚染が深刻な海域範囲がいくらか小さくなっているが、局部の海域の汚染状況は依然として深刻で、特に中国の近海海域の汚染はいまだに効果的に抑制されていない。生態系環境はわりにひどい汚染レベルにある。四つの海域の中で、南中国海の近海海域の汚染状況は軽く、東中国海の近海海域の汚染は深刻である。

山東青島開発区海洋監察チームのリーダー于広成氏はこう語っている。「海洋環境保護に効果が見られるかどうかはその他の部門の協力に対しても大きな役割を果たすものである」。氏は国家環境保護総局が打ち出した「全国海洋、海岸地帯環境保護規格」に賛成し、配慮している。「海洋、海岸地帯の環境保護は地域、部門、業種にまたがる総合的作業である。確実で効果のある地域における共同の汚染防止の協力メカニズムの確立の必要に迫られているのである」。

2003年に国家海洋局は海洋環境保護プロジェクト928件を検査し、違法行為180余を発見したが、処罰を受けたのは半分以下である。これは地域、業種、部門にまたがる協力の弊害によってもたらされたのである。海洋環境保護は、任重くして道遠しである」と陳連増氏は感慨深げに語っている。

付録

赤潮

赤潮は特定の環境条件の下で、海水の中に生存している植物プランクトン、原生動物、細菌が異常に繁殖し、たくさん集まり、このため水の色が著しく変わってしまう有害な生態系の現象である。赤潮発生の原因、種類、数量によって、水の色が赤色、赤褐色、緑色、黄色、褐色などの色を呈することになる。

現代化工業・農業生産の急速な発展、沿海地域の人口の増加にともなって、数多くの工業・農業の廃水と生活汚水が海に排出され、かなりの部分は処理しないままで海に排出され、近海、港湾の富栄養化の度合がますます深刻なものとなっている。同時に、沿海開発の度合いの上昇と海水養殖業の拡大は、海洋生態系環境と養殖業そのものの汚染問題でもある。海運業の発展によって外からの有害の赤潮の種類が入ってくるようになっている。地球の気候の変化も赤潮の頻発の原因となっている。

現在、赤潮は世界的な公害となり、アメリカ、日本、中国、カナダ、フランス、スウェーデン、ノルウェー、フィリピン、インド、インドネシア、マレーシア、韓国、香港など30余カ国・地域では赤潮が頻発している。

赤潮の発生は、海洋の正常な生態系の構造を破壊し、海洋の中の正常な繁殖を破壊し、海洋生物の生存を脅かしている。

一部の赤潮の生物が粘液を分泌し、魚、エビ、貝など生物のエラにくっつき、呼吸を妨げ、窒息して死んでしまうことになる。毒素のある赤潮の生物は海洋生物を食べて中毒して死ぬことになる。人間が毒素のある海産物を食べても、このような結果になりかねない。

赤潮の生物がたくさん死に、死体が分解する過程において海水の中に溶け込んでいる酸素を消耗し、酸欠の状態になり、エビ、貝類が死ぬことになる。

統計データによると、世界では赤潮の毒素による貝類中毒事件が約300余件も発生し、死者は300人を超えている。