2004 No.38
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中日韓共同編集の
東アジア歴史教科書、来年刊行

中日韓3カ国の学者による「東アジア歴史共通教科書」(仮名)の共同編集作業が現在進められている。この教科書の中国側メーンの執筆者である中国社会科学院近代史研究所の歩平研究員(東北アジア国際関係史専攻)に話を聞いた。

歩研究員によると、中日韓3カ国の学者は2002年から「東アジア歴史共通教科書」の編集を準備してきた。この教科書は現在、7回にわたる討論を経て、初稿がすでに完成している。3カ国の学者は9月18日から20日まで、北京で8回目の研究討論を行う。日本の右翼による「新しい歴史教科書」改訂版が来年5月、日本文部科学省の検定を通ることが予想される。このため、この教科書も2005年5月前後に中国、日本、韓国の3カ国で中国語、日本語、韓国語の3カ国語による同時刊行を計画している。

同研究員は「日本の右翼による歴史教科書を批判しなければならないのはもちろんだが、しかし戦争をまったく経験していない若い世代、特に日本の中学生に語る上で最も重要なのは、侵略の歴史的事実を彼らに伝えることだ。これは正しい歴史観を形成する基礎である。日本の進歩的学者と教師の努力で『東アジア歴史共通教科書』を副教材として日本で刊行し、それによって右翼の「新しい歴史教科書」を排除していきたい」と語った。

同研究員は次のことを特に強調したいと言う。「中国と韓国の若い世代の戦争に対する歴史認識も視野を広げなければならない。『東アジア歴史共通教科書』は歴史的事実の基礎を尊重した上で、戦争における加害者と被害者のさまざまな状況に対して客観的かつ全面的な記述を行った。中国の一般の読者にとっては、この教科書を通して侵略戦争の歴史を新しい角度から見ることができる。この教科書に掲載された少なくとも2分の1以上の歴史資料とイラストや写真は初めて公表されるものだ」。   

同研究員はさらに「『東アジア歴史共通教科書』は未来に向けた歴史教科書であり、新世紀に向けて歴史の共通認識を作り上げる試みである」と指摘した。