2004 No.40
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専門家、「香港の大陸からの観光客が今後減少」と予測

香港入管当局の予測によると、国慶節を中心する「十・一」大型連休期間に香港を訪れる中国大陸部の観光客は延べ56万人に達する見込みである。個人旅行の解禁に続いて法人としての旅行も自由化が進んでいるため、香港の観光市場も順調に発展しているが、一部の専門家は今後、大陸部からの観光客が減少に転じるという見方を示している。

復旦大学観光管理学部の後智鋼助教授は、中国と欧州各国との間でADS(観光目的指定)協議が進み、急速に発展している欧州旅行に中国の消費者が目を向け始めていると指摘した。欧州旅行はそのほかの海外旅行と比べて、まだ割高感があるものの、今後の成長が期待されることから、香港の観光業界にとっては大きなライバルとなる可能性があることを示唆している。

上海を例にとってみると、上海中旅や上海青旅などの旅行社では1万3000元から1万8000元前後で、2カ国、3カ国周遊ツアーや北欧ツアーなどを企画しているが、連休期間はすでに予約で満杯の状態である。その一方で、香港・澳門旅行はオフシーズン価格から500−1000元上乗せされ、最高は2000元近くに上昇していることから、客足が遠のいているという。

上海中旅は、現在ではさまざまな旅行プランがあり、消費者の選択肢も増えていることから、以前のように特定の観光地に人気が集中するような現象がなくなってきていると説明し、同社が企画している香港ツアーも例年の3分の1程度にまで減っていると述べた。

後助教授は、欧州市場の台頭如何に係わらず、香港の観光業界は観光市場を見直し、旅行者が魅力を感じるような新しいプランを開発していかなければ、業界の冷え込みを招くことになると警鐘を鳴らしている。