2004 No.49
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温総理、中国・ASEAN首脳会議で9提案

第8回中国・東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議が11月29日、ラオスの首都ビエンチャンで開かれ、温家宝国務院総理とASEAN10カ国首脳が出席した。

今回の会議では「中国・ASEANの平和と繁栄のための戦略的パートナーシップ共同宣言を実行する行動計画」が発表された。会議後、双方の首脳は「中国・ASEAN全面的経済協力枠組み合意における貨物貿易合意」「中国・ASEAN紛争解決システム合意」に調印した。

温総理は会議で「戦略的パートナーシップを深め、全方位協力を進める」と題して演説した。その主な内容は次のとおり。

われわれはきょう「中国とASEANの戦略的パートナーシップを推進する行動計画」を審議、採択する。この行動計画を実行するため、私は次のことを提案したい。

(1)首脳交流を強化し、各レベルの対話協力システムの役割をより効果的に発揮する。

中国はASEANが地域協力で主導的役割を発揮するのを一貫して支持する。

(2)中国・ASEAN自由貿易地区(FTA)貨物貿易協定と紛争解決システム協定を着実に実行し、さらにFTAサービス貿易・投資交渉を加速させる。このプロセスに合わせて、中国は双方の税関・検疫面の協力強化を提案する。

(3)中国・ASEANエネルギー閣僚級対話機構を設け、ASEANプラス3(中日韓)エネルギー閣僚会議を十分に活用して、エネルギーの安定供給と輸送の安全確保などの対話と協力を進める。

(4)5つの重点分野の協力を積極的に進める。交通協力覚書を着実に実行し、2005年に中国で中国・ASEAN電信ウィーク活動を行う。

(5)海上安全を含む非伝統的安全保障分野での協力を強化する。中国は、既存のシステムを十分に活用し、安全保障戦略対話を強化することを提案する。中国は「東南アジア非核地帯条約」議定書に早期加盟したい。

(6)「南中国海における関係各国行動宣言」に続く行動を真剣に実行したい。中国はASEANと特別高官会議を開き、作業部会を発足させて、南中国海協力をできるだけ早く始めたい。

中国は「論争を棚上げにして共同開発する」という原則に従い、相互尊重と平等互恵を基礎に、関係諸国と南中国海の領有権をめぐって論争のある海域で共同開発を繰り広げる道筋と方法を積極的に探る。

(7)地域間協力を強める。中国とメコン川流域5カ国は、大メコン川地域間情報高速道路了解覚書を締結する予定である。中国はASEAN東部成長地域のオブザーバーになり、ASEAN東部諸国との協力を強化したい。

(8)文化と青年協力を強化する。中国とASEANは文化協力合意書を締結する予定である。青年ボランティアの相互派遣、語学指導の展開、医療協力、農業技術の普及活動を提案する。

(9)2006年は中国とASEANの対話パートナーシップ構築の15周年にあたる。中国は同年を「中国・ASEAN友好協力の年」に定め、記念活動を展開することを提案する。また、中国・ASEAN著名人グループを設立し、協力状況の全面的な評価、調整を行い、未来に向けた政策提案と具体的協力措置を提起し、翌年の首脳会議に展望レポートを提出することを提案する。

中国とASEANの諸協力の順調な実施を保証するため、中国は中国・ASEAN協力基金に500万ドルを増資する。中国政府は、総額1500万ドルのアジア地域協力特定基金を設立することで、中国の関係部門が地域協力に参画するのを資金面から援助し、特にASEANとの協力強化を支援する。ASEANとの一体化建設の支援を実現するため、中国は中国・ASEAN協力基金を利用して、ビエンチャン行動計画の人的資源開発プロジェクトを支援するのを積極的に考える。