2004 No.49
(1129 -1205)

アドレス 
中国北京市
百万荘大街24号
北京週報日本語部
電 話 
(8610) 68326018 
(8610) 68886238

>> 週間の動き

 

温総理、ASEANプラス3首脳
会議で協力強化に7提案

第8回東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(中日韓)首脳会議が11月29日、ラオスの首都ビエンチャンで開かれた。温家宝国務院総理およびASEAN10カ国と日本、韓国の首脳が同会議に出席した。

温総理は会議で「協力強化 互恵共存」と題して演説した。その主な内容は次のとおり。

ASEANプラス3は東アジア地域協力に向けて発展し、地域経済一体化の実現と東アジア諸国間の全面協力に寄与している。これは段階的に進み、少しずつ積み重ねる長いプロセスである。このプロセスにおいて、次の基本原則に従う必要がある。

――共通認識を結集し、リズムをとらえる。

――基礎をしっかり築き、着実に進める。

――方向を明確にし、ASEANが主導権を握る。

東アジア共同体の確立はASEANプラス3協力の長期目標である。中国はASEANが合意を基礎として提起した東アジアサミットの提案に賛成し、マレーシアが第1回サミットを主催するのを支持する。ASEANがASEANプラス3と東アジア協力を推進する過程で引き続き主導的役割を発揮するのを支持する。

――優位性を発揮し、協力態勢を形成する。

――透明性をもって開放し、あらゆるものを吸収する。

東アジア協力の全面的発展を推進するため、私は次のことを提案したい。

(1)東アジア自由貿易地区(FTA)の建設を着実に進める。中国は東アジアFTA実現の可能性を探る学術研究を始め、2005年4月に北京で専門家グループの第一回会議を開く。

(2)金融・投資協力を深める。東アジアの金融・投資協力は、同地域の豊富な外貨と資本に着眼すべきで、同地域の投融資環境を改善し、金融危機を防止、抑制する能力を強める。中国はASEANプラス3による地域金融・通貨協力研究に資金面から援助したい。中小企業の投資協力推進は民間企業の東アジア地域協力への参画推進に寄与する。中国は2005年に「第1回東アジア中小企業投資促進ハイレベルシンポジウム」を開き、東アジアにおける中小企業協力の具体的方法と道筋を研究、検討したい。

(3)安全保障対話と協力を繰り広げる。われわれは国際犯罪撲滅協力5カ年計画を積極的に実行すべきで、(テロや国際犯罪など)非伝統的安全保障分野での協力をさらに強め、平和で安定した地域環境を共に守るべきだ。海上安全保障が日増しに大きな問題となっている。ASEANプラス3でこの分野の協力強化を積極的に考えるよう提案する。

(4)社会・文化・科学技術協力を促進する。中国は2005年11月に第7回アジア芸術祭を催すとともに、同じ時期にアジア文化相フォーラムを開く予定で、ASEAN諸国、日本、韓国がハイレベルの代表団を派遣するのを歓迎する。中国はASEANプラス3青年交流システム構築を提案する。2005年にASEANプラス3青年友好協力フォーラムを開き、東アジア友好協力の未来の力を育てたい。同地域の科学技術の応用と革新を促進するため、中国は東アジア共同科学技術研究開発メカニズムの構築を提案する。

(5)ASEANプラス3協力で知的資源協力を果たす。中国は、2005年下半期に東アジアシンクタンクネットワーク、東アジアフォーラムおよび東アジア学研究ネットワーク、ASEAN国際戦略研究所などの研究機関による「東アジア協力共同研究大会」中国開催を提案し、東アジア協力問題を探る。

(6)東アジア協力の未来を科学的に計画する。ASEANプラス3協力は間もなく10周年を迎える。われわれはこの10年間の東アジア協力の成果と経験を総括し、東アジア地域協力の青写真を共に描く必要がある。中国は1999年の「東アジア地域協力共同声明」に基づき、過去を振り返り、未来を展望し、東アジア地域協力が未来に向かって発展する方向を定めた綱領的文書として「東アジアの共通認識」(仮称)の共同発表を提案する。東アジアシンクタンクネットワークに学術的側面からこのための政策提案を依頼することができると思う。

(7)ASEANプラス3作業部会を支持する。ASEAN事務局が昨年、ASEANプラス3作業部会を設立してから、各分野の協力計画の立案、調整、推進で積極的役割を果たしている。各国にはASEANプラス3作業部会を大いに支持するよう提案する。このため、中国は20万ドルの援助を提供する。