2004 No.50
(1206 -1212)

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中国、石油の戦略的備蓄
制度の確立に着手

呉綜之

国家発展・改革委員会の張国宝副主任はこのほど、「石油の戦略的備蓄制度の確立は必要であり、国はすでにその計画をつくり、4つの石油備蓄基地の建設もスターした」と語った。

石油の戦略的備蓄は短期的な石油供給不足や衝撃に対処するのに有効な方法の一つであり、国のエネルギー安全を確保し、同時に特定の条件下において、国内の石油の異常な高騰を抑える役目を果たすこともできる。

石油安全を保障する方法の一つ

中国の石油需要と石油輸入は中国経済の成長にともなって、たえず増え、石油の安全問題が日ましに重要になってきている。90年代から、中国の国民経済の年平均伸び率は9.79%、原油の年平均消費率は5.77%になったが、同期の国内の原油供給の増加率はわずか1.67%にすぎなかった。1993年に石油を輸入しはじめて以来、中国の石油輸入量は逐年増えつづけ、1996年の2622万トンから2003年には9112万トンとなり、2004年の石油輸入依存度は35%にも達した。

予測によると、中国経済が向こう15年間、7%以上の伸びを保つとすると、国内の原油供給はますます不足することになる。

国家発展・改革委員会の張国宝副主任は、「過去、中国の原油供給はずっと国内に依存していたので、石油の戦略的備蓄について認識が足りなかった。近年、中国経済が急速な成長をとげ、エネルギー資源の需要が増え、世界範囲のエネルギー不足を体験して、中国はエネルギー資源の戦略的備蓄の必要性を理解するようになった」と述べている。

四大石油備蓄基地の建設に着手

国家発展・改革委員会の認可を受けて建設される国家戦略石油備蓄基地は浙江鎮海、浙江岱山、山東黄島、遼寧大連の4基地である。

鎮海は四大戦略石油備蓄基地のなかで規模が最も大きく、建設の進度が最も速く、目下、第一期工事が全面的にはじまっており、2005年に完成の予定である。他の3つの基地も建設に力が入れられており、2006年から2008年にかけて、基本的に完成する見込みである。

専門家によると、四大石油備蓄基地が完成すると、十余日分の原油輸入量の政府戦略石油備蓄能力が形成されることになり、これに全国の石油系統の21日分の商用石油備蓄能力を加えると、中国の石油備蓄総能力は30日分を超えることになる。

これまでのところ、世界で戦略的石油備蓄を行なっている国は基本的に経済が発達しているか、わりに発達している日本や欧米諸国である。アメリカ、日本、ドイツの石油備蓄量はそれぞれ日常消費量の158日分、161日分、127日分に達している。中国の戦略的石油備蓄量をどれだけにすべきかについては専門家のあいだでも意見がまだ統一されていない。最近開かれた中国国際石油石化企業フォーラムの席上で、張国宝副主任は、「中国の国情は日韓とも欧米諸国とも異なっており、中国の戦略的石油備蓄は国情に基づいて決めるべきである。日本は必要としている石油をすべて輸入に頼っているが、中国は少なくても三分の二は自給でき、未来のエネルギー資源採掘の潜在力は非常に大きく、必ずしも90日分の備蓄を確保しなくてもよい。われわれは中国の状況に基づいて自らの石油の戦略的備蓄を確立していく」と述べた。

ソフト環境の整備が重要

戦略石油備蓄体系のソフト環境の建設も各方面の関心を呼んでいる。

中国のエネルギー管理体制はまだ十分に整備されていず、エネルギー局は国家発展・改革委員会傘下の一機構にすぎず、エネルギー局と国家戦略石油備蓄弁公室との関係もはっきりしていないのが現状である。国家発展・改革委員会は国家戦略石油備蓄を具体的に管理する機構として国家石油備蓄管理センターまたは国家石油備蓄調節センターの設立を準備中であるが、資金、管理部門などの問題がまだ解決されていない。

このほかに、専門家は「石油備蓄法」を制定することをたびたび呼びかけている。石油パイプ専門家の潘家華氏は国家「石油備蓄法」を早期に制定すべきであるとしている。国家戦略石油備蓄弁公室の除錠明氏は、国は石油戦略備蓄の主な投資家であり、さらに立法によって、政府備蓄と民間備蓄を結びつけたメカニズムを確立し、石油企業と社会各方面の積極性を十分に発揮させるべきであると指摘する。

潘家華氏はこう見ている。国家石油戦略資源の安全を確保するには、国家石油備蓄基地をつくるほかに、多くの方式を併用し、長所を互いにとり入れ、相互補完すべきである。例えば省エネ、エネルギー代置の措置の強化、石油先物市場の確立、多ルートによる石油、天然ガスの輸入、国際協力・開発の強化、国内石油・天然ガスの探査の強化などがそれである。