2004 No.51
(1213 -1219)

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2004年の十大経済ニュース

2004年はあと10日ほどで終わるが、中国経済の継続高度成長は依然として世界経済回復面の明るいニュースとなっている。ここ一年来、中国経済は思うようにならない出来事や感動を覚える出来事を経験したが、投資体制と金融体制の改革、市場の対外開放の拡大、マクロ調整など政策の実施であろうと、また国際と区域の経済協力の増強であろうと、これら諸方面でとられた措置はすべて中国経済ないし世界経済に広く深い影響を及ぼした。本紙は十大ニュースとなった出来事を選び出し、読者とともに今年の中国経済を簡単に回顧する。

 

一、 資本市場の対外開放を積極的かつ穏当に推進した

1月13日、国務院は「資本市場の改革・開放と安定発展の推進に関する若干の意見」を公布した。同「意見」の主な内容は次の通り。@資本市場システムを健全にし、証券投資の種類を豊富にする。A上場公司の質をいちだんと高め、上場公司の規模的運営を推進する。B資本市場の仲介サービス機構の規模的発展を促進し、その業務レベルを高める。C法制と信用建設を強化し、資本市場の監督・管理レベルを高める。D協調と呼応を強化し、市場リスクを防備、解消する。

同「意見」は中国の資本市場発展史上の里程標であり、中国の資本市場が制度革新を全面的に推進し制度の飛躍的発展を実現する行動指針である。

二、 9年振りに利率を引き上げた

10月28日、中国人民銀行は金融機関の預金と貸付の基準利率を2004年10月29日から引き上げ、同時に人民幣貸付利率の変動区間を拡大し、人民幣預金利率の引き下げを認めることを決定した。そのうち、金融機関の1年預金の基準利率を現行の1.98%から2.25%へと0.27ポイント引き上げ、1年貸付の基準利率を現行の5.31%から5.58%へと0.27ポイント引き上げる。その他の各種預金と貸付の利率も相応に調整されるが、中長期の引き上げ幅が短期のそれより大きい。同時に、金融機関の貸付利率の変動区間をいちだんと拡大する。これは中央銀行の9年振りの利率引上げである。

中央銀行の責任者は、人民幣の基準利率の引き上げは、資源配置とマクロ調整の面で経済手段にいちだんと役割を果たさせるのに役立ち、企業が過多の資金を占用し遊ばせるのを防ぎ、一部の企業の流動資金の緊張状況を緩和し、資金の体外循環を減らすのに役立ち、経済構造を最適化させ、経済効益を高め、国民経済の持続的、快速、協調的、健全な発展の好ましい勢いを保つのに役立つと語った。

三、 マクロ調整はある程度の効果をあげた

温家宝総理は今年3月に開かれた全国人民代表大会の会議で行った「政府活動報告」の中で、マクロ調整を強化、改善し、経済の平穏かつわりに速い発展を保つことを全年の経済活動の最も重要な任務としている。関係部門は信用貸供与と土地供給という「二つの関門」を押えて、投資の規模を効果的に抑制し、相応に食糧生産を支持し、信用貸と貨幣の供給総量を抑え、土地管理を厳格にし、固定資産投資の速すぎる増加を抑える政策的措置を陸続と制定した。これらの措置はいま各地で貫徹、実施されており、ある程度の効果をあげた。

今回のマクロ調整は予防的性格を帯びる主動的調整であり、主に二つの方面の問題を解決する。第一は投資方面の問題であり、第二は農業など弱い環の問題である。調整は温和な構造的調整である。同時に体制とメカニズムの面から経済活動に存在している問題を解決することに着眼している。

四、 銀行が体制を改革した

国務院の認可を経て、中国銀行株式有限公司(「中国銀行」と略称)が8月26日午前設立された。その時から100年近くの歴史を持つ同銀行は国有独資商業銀行から国が株式を保有する株式制商業銀行に体制を改革した。中国銀行はすでに国の関係法律・法規に基づいて、新しい公司規約を制定し、株主大会、董事会、監事会、高級管理部門からなる現代的な株式公司の管理枠組を形成した。中国銀行株式有限公司の登録資本は1863億9000万元で、中国銀行の資産、債務、すべての業務をそっくり受け継ぎ、当面中国銀行がもっている営業許可証に基づいて認可し、調査、許可した経営範囲で引き続き業務を経営する。中央匯金投資有限責任公司は国を代表して中国銀行株式有限公司の株主権を100%保有し、法に依って中国銀行株式有限公司出資人の権利と義務を行使する。

今年1月6日、国務院は中国銀行と中国建設銀行が株式制改造を行い、450億米ドルの外貨準備などを運用して、この二行の試行銀行に資本金を補充した。この部分の資産をちゃんと管理するため、中央匯金投資有限責任公司が登録、設立され、財政部、中央銀行、国家外国為替管理局は関係者を派遣して公司董事会と監事会を設立した。

銀行スポークスマンの説明によれば、中国銀行の株式制改革の総体的目的は、管理体制改革、管理構造整備、経営メカニズム転換、経営業績と効果の改善といういくつかの主な環をしっかりつかんで、資本が充足し、内部を厳密に管理し、安全に運営し、優れたサービスを提供し、大きな効益をあげ、国際競争力を備えた現代化株式制商業銀行にちくじ発展し、ユーザーに全面的で優れた新しい業務とサービスを提供し、株主に穏健で長期のリターンを提供し、社会のために高効率の金融サービスを創造することである。

五、中小企業の株式が深センで上場された

 5月27日、深セン証券取引所で中小企業の株式が上場された。この日から、中国の証券取引市場に主導的地位を占める市場が二つある歴史にやがてピリオドが打たれる。中国は2000年初めに新興産業の企業に融資する証券取引市場の開設を初めて企画し、深セン証券取引所はそのために新株の発行を停止し始めた。4年後の今日、同取引所は再び新株を発行できるようになった。このことは中国の新興産業企業の株式がすでに実質的な一歩を踏み出し、中小企業の株式が新興産業企業株式の数段階に分けて建設する第一歩であることをも示している。

范福春中国証券監督管理委員会副主席は、中小企業株式の上場が、中国の資本市場の制度革新が新たな一ページをめくり、多段階の資本市場の開設が始動したことを示していると指摘した。

六、食糧増産で農民が増収した

国家統計局のデータが顕示しているように、今年の第1、2、3・四半期の中国農民の現金収入は一人当たり2110元で、価格要素の影響を差し引くと実際には前年同期より11.4%増え、増加幅は前年同期より7.6ポイント上昇し、同期の都市部住民の一人当たり可処分所得の増加幅より4.4ポイント高いものである。そのうち、農民が農産物を売って得た現金収入は24.9%増え、年間の農民の一人当たり純収入の増加幅は年初に想定した5%の目標を突破する可能性がある。これは中国農民の現金収入が7年連続して減少したあと初めて実現した2桁の増加である。それ以前の農民の現金収入はずっと4%前後を上下し、高くても6%を超えたことがなかった。

国家統計局の公表した別のデータが顕示しているように、今年の中国の夏季取り入れ穀物の収量は1億105万トンに達し、前年より4.8%増産し、4年連続減産の局面を変えた。早稲の総収量は3210万トンに達し、前年より260万トン、8.8%増加した。中国の食糧総収量の約70%を占める秋季取り入れ穀物も豊作をかちとった。これは今年の中国の食糧生産局面が真に転換したことを意味する。

七、24カ国が中国の完全な市場経済地位を認めた

11月29日、第8回中国ASEAN指導者会議で、ASEAN10カ国は中国の完全な市場経済地位を認めると発表した。このため、中国の完全な市場経済地位を認めた国は24カ国に増えた。

十数年続いた中国のWTO加盟交渉で一部の国は中国の完全な市場経済地位に疑問をもっていた。最後に調印された中国のWTO加盟議定書の中で、中国は中国に対し12年間特殊保障を実行する条項、中国繊維品輸出と関係ある条項、中国の輸出商品に対する反ダンピング調査の「非市場経済地位」待遇など一部の制限的条項を受け入れた。

議定書第15条はさらに、中国が15年内に自動的に市場経済地位を備えることがなく、完全な市場経済地位を獲得するには、輸入国の承認を得る必要があると規定している。

八、会計検査のあらし

6月25日、第10期全国人民代表大会第10回会議で、李金華国家会計検査署会計検査長が人々をびっくりさせるような会計検査「リスト」を提出した。

22ページからなる会計検査レポートの中で、各級の財政に対し会計検査を行って発見した法律・規則違反問題に関する部分が19頁もあり、国家林業局、国家体育総局、国防科学技術工業委員会、科学技術部などの中央部門の予算資金を偽って報告し、流用する規則違反の事実を披露しているばかりでなく、淮河被災地区と雲南震災地区の一部の地方政府が災害救助資金を偽って報告し、流用した事実および元国家電力公司の指導グループの政策ミスで蒙った重大な損失に対する調査結果をも披露している。

李金華会計検査長は、最近数年来、会計検査署が会計検査を監督する主な対象は中央の各部門であり、これは主に「法による行政はまず中央からやり始めなければならない」からであり、中央政府の各部門が法に依る行政を行わなければ、地方と企業に規律と法律を遵守するように要求するのが難しいと語った。

九、投資体制を改革した

7月25日、「国務院の投資体制改革に関する決定」が発表された。その時から、中国が投資分野で数十年間実行してきた審査・認可制が取り消された。今後は企業が国内に投資して建設するプロジェクトが、政府が進入を許可した業種であり、しかも環境と公共利益に危害をもたらさず、独占が現れないものでありさえすれば、中国政府にプロジェクト申請報告書を提出し、政府が調査、許可するかまたは登録にとどめたあと、着工することができる。

姜偉新国家発展改革委員会副主任は、「審査・認可制を調査・許可制と登録制に改めれば、企業が中国に投資するのがいっそう便利になる」と語った。

1949年の中華人民共和国成立から1970年代末期と1980年代初期までの期間に、中国の投資体制はずっと変わっておらず、中央政府が唯一の投資主体で、財政支出で投資し、行政部門が設計と施工を按配するものであった。この種の方式はとりもなおさず計画経済体制下の投資審査・認可制である。1978年8月になってから、国務院は「基本建設資金支出を貸付に改めるに関する報告」を認可し、資金ゆ有償使用の方法で財政投資を管理し、審査・認可制を改革することを試みた。1992年、中央政府は投資体制改革案を議事日程に組み入れ始めた。1998年6月20日、当時の国家計画委員会は「投融資体制改革案(改正原稿)」を国務院に報告した。2004年7月16日、国務院は「投資体制改革に関する決定」を正式に認可した。

十、中国とASEANが区域協力関係を樹立した

11月29日、ラオスの首都ビエンチャンで開かれたASEANサミット会議で、中国とASEANは「中国・ASEAN全面的経済協力枠組み取り決め貨物貿易取り決め」およびこれと関係ある「中国・ASEAN紛争解決メカニズム取り決め」に調印した。それに先立つ11月27日、双方は「交通協力覚書」に調印した。三つの取り決めの調印は2010年に人口20億、当面の双方の貿易額が7200億ドル、GDPが2兆4000億ドル以上の世界最大の自由貿易区を設置するために道を掃き清めた。

経済グローバル化と区域協力一体化は当今世界の二大趨勢である。世界経済の三大重心の一つとしての東アジアの区域協力は注目を集める進展をとげている。