2004 No.52
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>>中日交流

 

社会科学院の専門家、中日関係について語る

高洪中国社会科学院日本研究所政治研究室主任は12月17日午後、人民網のBBS「中日論壇」にゲストとして参加し、現在の中日関係についてネット利用者と交流し、質問に答えた。

――中日間の戦争が残した問題を国際戦略の視点からどう考慮し、解決するか。
戦争が残した問題は、民間の賠償問題、化学兵器による被害、過去の侵略戦争を発端とする領土紛争など多方面にわたっている。戦争の歴史はすでに過ぎ去ったが、歴史の経験・教訓を深刻かつ正しく総括することが問題解決の大前提となる。もちろん、われわれは歴史の影の中に完全に埋もれてしまうわけにはいかず、現在の国際戦略のニーズという点から見れば、前向きに考えるのは非常に必要だ。歴史とは凝固した現実であり、現実とは流動する歴史である。われわれが現在行うことはすべて、明日の両国関係の歴史となる。従って、国際戦略の視点から中日両国関係を考慮、処理するという良い提案に私は賛成する。

――中日関係の現状は、小泉首相の靖国神社参拝問題だけによるものと考えるか。
中日関係は非常に複雑な問題である。歴史が残した問題もあれば、現実的な国益の争いの問題もある。他の問題も当然ある。このため、小泉首相の靖国神社参拝問題が両国関係の現状を生んだ原因のすべてとはいえない。しかし、中日関係のいわゆる「政冷経熱」(政治関係は冷え込んでいるが、経済関係は熱い)は、たしかに両国関係の発展に影響する矛盾の主な部分だ。また、こうした政治面の冷え込みは主に、日本の一部の主流政治家が対中関係を処理する上で中国人民の感情を繰り返し傷つけたことによってもたらされたものである。この点については、温家宝総理が小泉首相との会談ではっきりと話している。小泉首相の靖国神社参拝問題は、中日両国の政治上の相互信頼に影響をもたらし、国家関係に障害を生じさせた主な原因である。

――今後5〜10年内の中日間の政治・経済関係の発展と変化をどう予測するか。
予測学的に述べると、長期的な予測はわりに容易であるが、中・短期的な予測は逆に難しい。中日関係は現在、接触面が広く、摩擦も多い段階にある。今後の5年内に、矛盾と摩擦が徐々に増え、解決の難しい矛盾が蓄積するだろう。このため、両国の政治関係の前途は非常に楽観的とはいえない。しかし、両国経済の相互補完性が、両国間の必然的な連携と相互依存や共同繁栄への努力の必要性を決定づけている。このため、一部の論争で決裂しないことを前提とすべきであり、対話と交流を通じ、国際的慣例に従い、公平な立場に立って問題を解決すべきだ。この点から言えば、政治と経済は長期的に見て前途があると肯定できるだろう。