2004 No.09
(0223 -0227)

アドレス 
中国北京市
百万荘大街24号
北京週報日本語部
電 話 
(8610) 68326018 
(8610) 68886238

>> 農業・農村・農民問題

 

(その二)

農業構造調整の推進を続け
農業内部の収入増の潜在力を掘り起こす

ここ数年、農業構造調整は目に見える成果をあげた。しかし、これらの成果はまだ段階的なものであり、農業構造や農産物の品質、優良品種の区域化とスケール化の生産およびその産業化経営のレベル、農産物の品質安全にはかなりの問題が存在している。

そのため、農業構造の調整を引き続き推進する必要がある。この調整は、ある分野またはある方面に対し局部的な調整を行うことではなく、農業と農村の経済構造全般に対し調整を行うことであり、農産物をどれほど栽培すればよいかという問題ではなく、農産物の品質をいかに全面的に高めるかの問題であり、目の前の問題を解決するだけでなく、農業全般の体質や効率および農業の競争力を高め、農業の長期的な発展のためにその基盤を打ち固めなければならない。つまり、戦略的な農業構造の調整は農民の収入増を実現するカギである。

現在、農業構造の調整と食糧の増産には矛盾が存在している。例えば、昨年は1998年以降の中国の食糧の連続減産の5年目であった。これまでの6年間に、中部地区の八つの食糧主産地の農民1人当たり収入は年平均2.73%伸び、全国の農民の収入の伸び率の3分の2であった。農業構造の調整と食糧生産の増加には矛盾が存在しているが、食糧生産は国民経済の持続的な発展の大局にかかわるものであり、農業構造の調整を「食糧栽培面積の減少と工芸作物栽培面積の拡大」と理解してはならず、農民収入の増加と食糧生産を対立化させてはならない。『意見』は、農業構造の調整は食糧の総合生産力の保護と向上を前提に、農業発展の広さと深さへ進むべきであると指摘している。

しかし、農業構造の調整と食糧生産の関係をいかにして上手に処理するのか。農民の収入は食糧の生産と緊密に繋がっているものであり、農民が実益を手にするようにしなければ、農民の食糧生産への意欲を引き出すことはできない。『意見』は食糧主産地で優良品種への補助の範囲を拡大するなど一連の扶助政策を打ち出しており、これは構造調整と食糧生産力の確保の接点をつかむことである。農民が食糧生産から実益をあげてこそ始めて、食糧生産への意欲が生まれ、食糧生産力が回復し、発展することができるのである。現在、農民の収入の50%近くは農業からのものであるため、農業からの収入を高めることは農民の収入増の根本である。現在、農産物生産は市場と資源の二重の制約を受けているが、農業の利用可能な資源にはまだ大きなゆとりがある。例えば、中国のリンゴの生産量は世界一であるが、年間の輸出量は生産量の2%足らずである。先進諸国の農産物加工の比率は90%以上に上っているが、中国はわずか45%である。また、先進諸国の農産物加工業の生産額は農業生産額の2倍か3倍に相当するものであるが、中国はわずか80%である。これらは中国の農業資源がまだ十分に利用されておらず、農業内部にはまだ大きな潜在力があることを物語っている。

農業構造の調整は重点であるが、難点でもある。『意見』は農業構造調整の課題を打ち出しただけでなく、相応の措置をも打ち出した。そのうちの扶助政策は大きな範囲に及び、農民と経営者に実益をもたらすものである。今後、『意見』に基づいて、次の3面に力を入れる。

一、 農産物の品質安全のレベルを全面的に高める。農業区域配置企画の実施を急ぎ、優良品種への補助政策の実施によって強味のある農産物産業ベルト地帯の形成に力を入れ、農業効率の向上、農民の収入増を実現する。また、統一した農産物品質基準と検査・モニタリングシステムを構築し、農産物の安全基準を突出した地位に置き、経営方式を整備し、養殖業の規模発展を奨励し、小さな飼養区を設置することになる。

二、 農業の産業化経営の発展を急ぐ。一連の扶助政策の実施によってリーダー企業の発展を誘導し、企業と農民が合理的な相関利益メカニズムを構築するよう導き、農民が長期的な実益を得るようにする。リーダディング企業に頼って広範な農民がより広大な市場に入るようにし、農民の生産・経営行為を指導し、農業構造調整の最適化を実現する。

三、 農業科学の研究と農業技術普及を強化する。中国農業の科学技術によるイノベーション能力、備蓄能力、転化能力をめぐって、農業の科学技術システムを改革し、科学技術の進歩に頼って農業産業チェーンをさらに伸ばすことをはかり、農産物加工業を大いに発展させ、農業の付加価値を全面的に高める。

農民は農業生産の主体であり、国は財政、租税、金融などの面で農業により大きな支援を与え、農民に実益をもたらし、農業生産を促すことになる。