中国、預貯金残高が11兆元迫る
中国人民銀行は最近、11月の金融情況統計データを発表し、中国国民の預貯金残高が10兆9400億元に達し、11兆元の大台に近づいたことを明らかにした。
中国の預貯金残高は、2000年1月に6兆元の大台を突破し、その後2001年8月には7兆元、2002年5月には8兆元、2003年1月には10兆元に迫る勢いをみせ、同年2月末までに10兆元に達した。
金利について、1996年5月1日から中国人民銀行は預貯金利率を引き下げ、2002年2月21日には8度目の金利引下げを行った。8度目において、預貯金利率は平均0.25ポイントに引き下げられ、1年定期の金利は2.25%から1.98%と引き下げられ、史上最低水準となった。
中国社会科学院金融研究所の王国剛研究員は、利率の引き下げによって、資金の流動性が増すはずであるにもかかわらず、預貯金残高が順調に増加していることは、国民の所得水準が向上していることと金融投資ツールが欠如していると指摘した。
中国共産党第16期中央委員会第3回全体会議(16期3中全会)では資本市場の育成を今後の金融政策のポイントの一つとしてとらえた。特に企業債券の拡大による企業の資金調達難の克服が焦点となった。
中国人民銀行は先日、金融機関の貸付利率変動幅の拡大及び準備金を超過した預金利率の調整を決定した。現在、中国の金融市場の規模で潤沢な預貯金残高を保有していることは明らかで、資金の流動性向上及び金融市場の活性化が期待されている。
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