2004 No.01
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海外旅行

蘭辛珍

「今年はイギリスとカナダに旅行に行くつもりです」。

今年26歳の李?さんはこう話す。外見はしとやかそうだが、さっぱりして朗らかな性格だ。合弁の広告会社の地域担当マネージャー。しっとりした中国伝統の女性と違って、彼女は西洋の女性のような性格を感じさせる。

旅行が最大の趣味だという。仕事を始めてすぐ、旅行費用を貯め始めた。

「旅行に行く前に計画を立ててから貯金し、十分貯まると旅行に行っています」。チベットや雲南、台湾を除いて国内はほとんど回った。2002年10月にはフランスに。次の計画はアメリカとカナダだ。

中国人の海外旅行はずっと便利になってきた。海外旅行取扱業務も急速に発展している。2002年7月、政府は『中国公民の出国観光管理運用法』を公布。従来の「割り当て制度」や「審査制度」は廃止され、海外に持ち出せる外貨も増えた。中国は現在、アジアで最も急成長している新興の「観光客輸出国」だ。自由に旅行できる国・地域は2003年10月時点で28を数える。

李さんには観光目的が3つある。第1は歴史、自然の景勝地を見ること。第2は野外体験をすること。山間部での宿泊やロッククライミング、登山など。李さんはこれを“自虐の旅”と呼ぶ。第3はリラックスすること。異国の風景を眺めたり、海を見つめたり、陽光を浴びたり……。

李さんは「イギリスとカナダに行くには大体、約5万元(1元約14円)必要です。5月までには貯めて行けそう」と話している。

彼女の月給は7000元。北京市の労働者平均賃金の数倍にあたる。このように高い収入のある人は“ホワイトカラー”と呼ぶべきだろうが、李さんはこの呼称を好まない。「私は自分を“自由人”って位置づけているの。自由自在に好きなことをやるのが好きです」。海外旅行ももちろん、ツアーには入らない。目的地を選んだら、リックを背負って1人で出かける。

李さんは1人っ子。父母は退職して家にいる。娘の自由さに両親は心配していたが、説得できないため、気ままにさせているという。だが、長年旅行で外を歩き回っているので、両親はまた心配し始めた。彼女は旅行で多くの友人ができたと言う。普段は友人とバーに行ったり、洋食レストランに行ったり……。他の女性のホワイトカラーと違い、彼女は洋服のブランドにはこだわらない。「デザインがいいと感じ、着て快適ならそれでいいし、有名ブランドかどうかは関係ないわ」。美容院にも行かない。「まだ若いし、お化粧で年齢を隠すことはないわ」。

健康づくりにも熱心だ。だがクラブには通わない。毎日家で腹筋運動を100回に健康体操を2回。休日には友人と自転車で数十キロ離れた郊外に行くこともある。スポーツが好きなせいか、彼女は非常にスマート。

李さんはお金に対してひどく淡白だ。「お金の奴隷にはなりたくないし、他の人のようにお金を使わないで銀行に預金したりするのいやだわ」。旅行計画どおりにお金を貯め、十分貯まると使う。使い終わるとまた、計画どおりに貯め、貯まると使い、使うと貯める。「稼ぐお金は少なくないけれど、お金はないわね」と李さん。