2004 No.06
(0202 -0206)

アドレス 
中国北京市
百万荘大街24号
北京週報日本語部
電 話 
(8610) 68326018 
(8610) 68886238

>> 重要文章

 

(その四)

今年の税収は前年より少ない

中国の税収は2003年には2万億元という歴史的な突破を実現したとはいえ、2004年にはスローダウンするという見方が強い。

これについて、謝旭人氏は次のように語っている。

新たな税制改革によってもたらされる減税の効果は2004年にはっきりと現れることになる。税収は安定した伸びを続けるが、その度合いは昨年ほど高くないはずである。今年の税収活動にはマイナスの要素がいくつか存在している。例えば、東北地区旧工業基地での八業種向けの付加価値税の転換の改革は、東北地区の構造調整と企業の競争力向上を促進すると同時に、増加の総量をいちだんと増大させるが、近いうちにはこれによっていくらか減少する可能性がある。

そのほか、一時帰休者の再就職促進を目指す税収政策の実施も税収減収の原因となる。また、今年の輸入の伸びは昨年より鈍化するため、輸入付加価値税の伸びは昨年の40%のレベルより低くなることになる。

国務院研究室マクロ経済司の叢明副局長はこう見ている。

今後の数年間に、税収収入の増大が鈍化する重要な制約の要素は、新たな税制改革に減税の効果があることである。

具体的に言えば、一、付加価値税転換の実行である。生産型付加価値税を消費型付加価値税に転換させる場合、設備投資を付加価値税の相殺範囲に組み入れるだけでも、付加価値税は年間千億元以上の減収が出る。この改革は今年から東北地区の八業種で試行され、およそ150余億元の減収が見込まれる。二、内資・外資企業の所得税制度の統一である。統一後の企業所得税は税源の拡大、税率の低下という原則に基づいて国内企業の税負担を軽減し、外資系企業の税収優遇を廃止するため、全体としては数百億元の減収となる。三、未払い税金の問題の解決である。「新しい債務を欠かすことなく、もとの債務を返す」という原則に基づいて税収収入を相殺、減少する。四、農村の税金改革の推進である。2004年には葉タバコ税以外の農業特産物税を撤廃し、平均して農業税を1ポイント引き下げ、農業税税収を100余億元減らす。今後数年間に、毎年1ポイントの農業税税率を引き下げ、毎年農業税収70億元の減収となる。

いま一つの要素はインフレの潜在的な圧力が初歩的に現れることである。2003年には国内の消費者物価はマイナスからプラスとなり、特に生産財価格と食糧価格の上昇はかなり速く、11月には11.4%、10.8%とそれぞれ伸び、コストプッシュとデマンドプルから物価の上昇が促された。物価のレベルが上昇し、インフレの圧力が増大する状況の下で、物価水準の変動と税収収入の増大が反比例の関係にあるという経験から、税収収入の増大はスローダウンする傾向になる。

もう一つの要素は税関税収の伸びも鈍化することである。2004年に輸入関税税率が引き下げられるため、税関税収の増大の潜在力は大きくない。税関税収が増大できるかどうかは、輸入付加価値税とかかわりがあり、また輸出入の発展ともかかわりのあるものである。今年から輸出入の増大は鈍化することになる。輸出税還付率が引き下げられ、国際保護貿易主義が日ましに深刻化することはいずれも輸出の難度を増大させかねない。中国が大規模な貿易赤字で輸入の高い伸びを維持するようなことはしないため、輸出の増大が鈍化すると、輸入の増大もそれに伴って減速することとなるだろう。