2004 No.23
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>> 経済

 

「中国の投資環境は魅力に溢れる」

――御手洗富士夫・キャノングループ総裁に聞く

樊 

「友人が日本で我々グループの最先端の生産ラインを参観したいと言ってきましたが、私は最先端の生産ラインは中国にある、と告げざるを得なかった」。キャノングループの御手洗富士夫総裁はこう語った。

キャノン(蘇州)有限公司に足を踏み入れると、企業文化といった雰囲気が強く感じられた。生産現場は4つのサッカー場ほどの大きさで、生産ラインごとに詩歌、絵画的な蘇州の地名が付けられて趣がある。工員は「こうした詩的な環境の中で働けるので、格別気持ちがいい」と話していた。週ごとに眩いほどのスターの大写真とその業績が看板に目立つように張られ、週ごとに眩いほどのスターに挑戦する宣言がなされているのを見ていると、スターの後ろにしっかりと付き、追われて追うという情景が浮かんでくる。 訓練室にぎっしり並んでいる装置や部品は、新入工員が組み立て訓練をするためのもので、熟練工が手取り足取り技術を教えていた。

生産ユニットは少なくて3人、多いところで27人と人数は異なる。大半が短期大学を卒業した20歳過ぎの若者たちで、部品はてきぱきと組み立てられ、精密なデジタルカラー複合機がまるで舞台転換を見るかのように、1台1台と彼らの手から流れ出てくる。工員は様々な技能を身に付けており、欠員ができたとしても、その工員として代用できるため、生産にはいささかの影響も出ない。

キャノン(蘇州)有限公司は2001年に設立された。投資総額は1億3800億元、工員数は1700人。徹底した管理を実施していることから、購入部品の品質は100%保証されている。同公司が生産するデジタルカラー複合機の部品数は1万点以上を数えるが、蘇州とその周辺に部品メーカーが密集しているため、物流が速く、コストが低くため在庫量も削減できる。毎日、50個のコンテナが部品を運び込み、50個のコンテナが製品を運び出し、あたかも織機の梭(ひ)のように西欧、北米など世界の販売会社20社に輸出されている。コストや品質、納期の面でいずれも当初目標を達成できたという。

最も低廉で経済的なコストで最良の製品を製造する、これが企業の競争原理だ。中国市場のニーズに照らし、消費者の嗜好に合った製品を開発すれば、生産コストを低減できるだけでなく人材を最大限度活用できる。キャノン(蘇州)有限公司の経営方針は、現地化された自主経営管理を実現すること。御手洗総裁は「現地の人材はかなり優秀で、理解力を備えていますね」と高く評価する。キャノングループは現在、世界14カ所に研究開発センターを持つ。今年4月には、北京大学と中国市場向け製品を開発・設計する機構を合弁設立した。

御手洗総裁は「中国には広大な市場、その市場のニーズは独特です。我々グループは中国にふさわしい製品を開発して、中国で販売していくことが必要ですね」と端的だ。

「私が初めて蘇州を訪れたのは20016月でした。蘇州の経済は急成長し、我々グループは一貫して良好な経営状態を維持しており、グループにとって蘇州は全世界に波及する生産基地です。最先端のユニット式生産方式を採用し、最先端のデジタルカラー複合機を生産すると共に、工員が早い時期に仕事をこなせるようになったのは、蘇州の文化的な深さによるものでしょう。人材のほかにも、物流や通信、法律、それに産業に関連する保証が必要ですし、その面で蘇州ハイテク団地は最良の保障を与えてくれました」と、御手洗総裁は笑みを隠さなかった。さらに続けて、ユーモラスに「我々グループは“種子”を選んで育てようと、最先端の技術を初めから蘇州に持って来て生産したのですよ」。